シリーズ井笠
井笠のホジ12



再生産の御要望が多いので、その頂いた声にお応え致しました。

新しいシリーズの幕開けです。
「木曽シリーズ」を始めとする「林鉄シリーズ」、「シリーズ沼尻」に続く第三のシリーズとして当社が選んだのは「井笠鉄道」です。
 いかにも軽便鉄道らしい軽便の代表格として、東の「沼尻」、西の「井笠」とまで言われるほどに有名な井笠鉄道。
 そんな井笠の魅力を、当社ならではの味付けによって御賞味頂きたい、というのが今回の企画の出発点でした。
 まず、その先鋒として登場するのが「ホジ12」です。



開発コンセプトは

「皆さんと持つ喜びを分かち合いたい、別な言い方をすればMade in Japan らしい製品作りで仕上げたい」これが基本の基本たるコンセプトです。

具体的にどういうことかと云うと、1960年代から営々と築き上げてきた鉄道模型らしい鉄道模型、つまり美しくエッチングで処理された真鍮板を熟練工によるプレス加工で仕上げた部品により構成されるメインボディー。
 それに1970年代後半から取り入れられるようになった、精密なロストワックス部品によるハイディテーリング。
 更に1990年代になって次第に顕著化してきた走行性能の向上。それらの総ての要素を盛り込んだ製品、「手にしたときに思わず嬉しくなるような逸品」を目指しています。

長編成で楽しむ本線モノと違い、多くの軽便車両は単行ないし数両程度で楽しむものです。
 例えば特急編成のモデルを欲しくなったら、まさか両端の先頭車プラス中間車の3両編成というわけにはいかないでしょう。少なくとも5両ないし6両は繋げてみたくなるのが人情です。
 となると予算を組む場合にも、1両単位の価格というよりも、編成単位で考えざるを得なくなってしまい、二の足を踏んでしまうのが現実。
 その点、軽便車両でしたら、1両だけで走らせてもサマになりますし、それだけ1両あたりの予算も組みやすくなり、多少割高感があっても、より密度の濃い製品が欲しくなるのではないでしょうか?

その点にいち早く気付かれた方々から当社の製品を御愛顧頂いております。






ホジ12の魅力とは

「ネオクラシック」とでも呼びたい、そのスタイリングにあります。

それまでのリベットが武骨に打たれていた車体は、必要最低限に絞ってスッキリしたものに変わり、いかにも日車らしいスタイリッシュな魅力に溢れています。
 台車枠もアーチバーなどではなく鋳鋼製のものとなり、軽快感のある(スポーク車輪がよく見える)形態に変わっています。
 しかし、それでいながら動力側台車は荷重配分を有効にするためセンターピンが偏心しているなど、旧態依然の魅力も兼ね備えています。

形態といえば、井笠の気動車には執拗なまでに各動力車に取り付けられているバケット。しかも少しでも動力台車に荷重を負わせたいという気持ちからか、そちら側にしか装備されていないのもホジ12を強く印象着けています。

そして最後に、片目をウィンクしたような運転席側だけのヒサシ。正面は大きめな2枚窓だけにそのヒサシの大きさがチャームポイントにもなっています。






模型製品について

開発コンセプトとも重複しますが、当社の基本姿勢たる「適材適所の素材選び」がこの製品でも踏襲されています。

具体的には、エッチングで処理された真鍮板に窓などをプレス加工で抜き、更に車体両端部のRを表現するために特殊な金型を製作してプレスで曲げています。
 この側板の素材は0.5mm厚の真鍮板を使って、エッチング加工によりディテール表現をするために主要部分は0.4mmとなり、それをプレス加工しているために(更に窓枠の0.3mm厚が裏打ちされますので)、エッチングヌキ素材を使用した側板と違い、持ったときのヘナヘナ感が全くありませんし、とかく軽くなりがちでそれが走行不良に直接結びつくナロー車両において、車体そのものがウェイトの役割も果たした設計になっています。

これは当然コストが掛るものですから、単純に販売価格だけで製品の価値を判断されるような方には決してお勧め致しません。
 しかし、その違いが判る方でしたら、充分に納得して頂けるものと自負しております。

特徴ある台車枠はこの製品のために図面を描き下ろし、偏心台車は左右各1個、付随台車にひとつで合計3個ものロストワックス金型を新規に起こしました。
 新規にといえば、小さいながらも本格的なスタイルをしたヘッドライトケーシングや、小型のガーランド型ベンチレーターも新たに金型を起こし、とかく上から見下ろしがちな角度のチャームポイントとしました。
 バケットそのものは剛性があり繊細な表現が可能な洋白素材のエッチング抜きパーツと、ヒンジ部分をロストワックスで作って、お好みにより開閉できるアイデアを盛り込みました。

前述のように車輪はスポーク。重量配分を考慮して大きめなウェイトを搭載し、全輪集電の効果も相まって、安定した走行がお楽しみ頂けるものと思います。

また、塗装済完成品においては、昭和30年代前半まであった「金太郎塗り分け」」と、それ以降の「直線塗り分け」の2種類からお選び頂けるように致しました。



トータルキット \21000、未塗装キット \42000
塗装済完成品(直線塗り分け)\52500 塗装済完成品(金太郎塗り分け)\55800



今回は少しでもお求めやすい価格を実現するために、箔押しの化粧箱を廃して袋詰め包装と致しました。
  (未塗装キット・塗装済完成品の場合は専用ラベルを添付した汎用箱に無償でお納め致します。
   また、トータルキットでこの箱を御希望の方には実費\822でお分け致します)




製品では形態を重視するために朝顔カプラー対応になっていますが、他社製品と連結させるためにはその車輌に別売の「朝顔カプラー(井笠用)」と「朝顔カプラー用ピン」「朝顔カプラー用リンク」を取り付ける必要があります。その場合には製品と一緒に御予約ください。

朝顔カプラー(井笠用)\493(2個入) 朝顔カプラー用ピン\462(10本入) 朝顔カプラー用長いリンク\493

塗装は当社製「MWカラー」の「MWC-02 王滝営林署DL用ブラック」「MWC-13 井笠用イエロー」「MWC-14 井笠用グリーン」と「MWC-09 クリヤー」「MWC-10 フラットベース」「MWC-17 ウェザリンググレー(屋根にも使用)」「MWC-52 MWシンナー(1リッター)」「MWC-53 MWプライマー」をお使い下さい。

車体標記ナンバーは「アルプスモデル製井笠インレタA(\864)」を、行き先サボは「アルプスモデル製軽便サボD(\540)」をお求め下さい。



DCC運転をされる方は別売の「Digitrax製DZ125デコーダー」を一緒にお求め下さい。
また、塗装済完成品でも御希望の方には組み込みを致します。

DZ125デコーダー\3500 塗装済完成品に組み込みの場合は、各々の価格から\4800UPとなります。



*この製品は完売になりました。(2015.03.01)



「井笠のホジ12」キット組立講座