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「加悦鉄道DB201」を見る


気が付けば18年も前の、1983年3月1日の取材。当時在籍していた、珊瑚模型店の新製品開発会議で、私が提案したこの機関車の模型化が決定され、その取材に出掛けた時のものです。
  当時はまだ加悦鉄道は営業しており、東京から「出雲」で豊岡まで行き、そこで宮津線に乗り換えて丹後山田からキハ10系で加悦を目指したことを覚えています。
  最近では「森製作所の機関車たち(ネコ・パブリッシング刊)」という研究書が刊行されていますが、当時は資料に乏しかったものです。
  昭和28年・森製作所製の10t、動輪径860mm、ジャック軸付ロッド式のディーゼル機関車。前位のエンジンからキャブ床面のクラッチ・変速機を介して、後位の逆転機に伝導されて、ジャック軸に動力が伝わります。
  同鉄道が1985年に廃止されてからも「加悦SLの広場」で保存されており、1999年には動態保存されて現在に至っています。


@AB非公式側の全景と前位のラジエターグリル、後位(逆転機側)のガランを見ます。凸型機関車の場合、どちらが前位なのか判断が難しいのですが、エンジン搭載側が前位です。
アングル材を使っただけのラジエターグリルが素朴ですね。


CD非公式側を加悦鉄道本社から見下ろしました。床板上面(ランボード)は網目で、角が斜めに落とされています。


EFこちらも非公式側のボンネットを見ます。ランボード上の箱には砂が入っています。右端の丸いものは床下にあるコンプレッサーのエアーフィルターです。


GH公式側のボンネットを見ます。エンジン側のハッチには小さな点検用のハッチがありますね。


IJ下まわり、特にこの機関車の特徴たるロッドまわりを見ていきます。まずは非公式側から。ジャック軸にはバランスウエイトが付きます。


KL動輪の中心高とジャック軸の中心高が食い違っているので、サイドロッドは段違いになっています。前位にはエアーコンプレッサーが装備されています。「助六の5t」のそれが使えそうですね。また、こちら側の前後には、タイフォンが装備されます。


MN公式側。ここではロッドの厚みを見てください。1/87にすると約0.5mm。とてもこの厚みで強度を持たせる事は出来ませんが・・・


OP勿論のことですが、蒸気機関車でなくても動輪の位相は90度です。いつかは、この機関車に2軸客車でも牽かせる編成を模型でモノにしてみたいですネ。