「地方私鉄大好き」のページ

「羽幌の8620」を見る


運炭鉄道好きな方だったら、一度は「密閉キャブの8620が羽幌炭砿鉄道に居た」という事を聞いたことがあるでしょう。そのハチロクを見に行ってきました。
  大正11年・日立製作所で製造されたこの機関車は、当初東京鉄道局配属となり、その後昭和7年の深川を皮切りに旭川・遠軽・北見と道内各地を転属。昭和34年に廃車、同年羽幌炭砿鉄道に譲渡され45年11月の閉山まで同鉄道で活躍しました。
  この機関車の特徴は、何と言っても密閉改造されたキャブにありますが、勿論これは羽幌炭砿鉄道で施工されたもので、いかにこの地が厳しい条件であるかが伺われます。
  保存場所:羽幌町勤労青年ホーム  取材:1994.9.12


@Aそれでは公式側(左側)から見ていきましょう。この角度から見ると、普通のデフ付きの8620のようですね。キャブ前妻窓には旋回窓が装備されています。


BC左の写真では綺麗なパイピングが目立っています。右の写真にきて、この機関車の特徴たる密閉キャブが特異な存在を誇示しています。後部妻板は屋根とツライチです。


DEキャブは新製です。どうです、この異様さは。キャブ下には耐寒型空気分配弁が装備され、ステップは新製です。テンダー左後部には、オーバーフローパイプが目立ちます。ポイント矢羽根標識は、積雪を考慮して、この高さ!


FG今度は非公式側(右側)を見ていきましょう。こちら側にもオーバーフローパイプがありますね。後部前照灯には、耐寒用のヒサシが装備されています。


HIこの機関車の特徴たる、密閉キャブを見ていきます。


JK石炭取出口がキャブ内に入り込んでいるのが、よく判ります。左右の窓はHゴム支持、中央の窓は引き違いです。


LMランボードには複式コンプレッサーが装備されています。国鉄の場合よりも、前に装備されているようです。


N右側全景。キャブ右側の窓にも旋回窓が装備されているのが判ります。