秋の田圃を観察する


秋の情景を表現するのに、刈り取られた稲を模型化する方法があります。かつて、名作レイアウト「摂津鉄道」ではその刈り取られた稲の表現を、ミシン糸を植えることによって表現して、我々を唸らせたものです。最近では農作業も機械化して、稲の乾燥作業も乾燥機で処理する農家が殆どになってしまいましたが、自分のウチで食べるくらいの量は、昔ながらの「はざ掛け」で自然乾燥させる農家も少なくありません(やはり美味さが違うそうです)。そんな「はざ掛け」のある風景も、模型で再現してみたい情景のひとつではないでしょうか?
取材:平成15年10月1日 穂高町・豊科町

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いったい「はざ掛け」とはどんなものなのでしょうか?田圃の片隅にトタン屋根で覆った、長い丸太が置かれているのを見たことがありませんか?あれが「はざ掛け」用の脚です。その丸太をハの字に組んだものをいくつか用意して、更にその上に丸太を載せて出来上がります。刈り入れた稲をその丸太に掛けていき、最後に雨露を忍ぶためのビニールシートを被せます。


左の写真は、まだシートを被せていない状態で、稲の掛け具合がよく判ります。適当に束ねた稲は「藁ぼっち」と呼ばれ、これから「はざ掛け」にされるものです。乾燥させた稲は、脱穀機に掛けて「米」と「藁(わら)」と「もみ殻」とに分類します。


もみ殻は、写真のように燃やして(ちょうどお灸のようにくすぶり続けます)肥料にします。刈り入れが済んだ田圃には、細かい藁が一杯散らかっているのが判るでしょうか。

「はざ掛け」用脚の収納所の写真を撮ってきましたのでUPします。造りは至って簡単。でも、こういった小物を作ってレイアウト上に置くと、あたりが活き活きとしてくるんですよネ。
(取材:平成15年11月5日 波田町)