キット組立講座

頸城のハ5・頸城のハ6



シリーズ頸城のラインナップに可愛らしい2軸客車が加わりました。
 パッと見ると同じように見えますが、魚沼鉄道時代に3等車と2・3等車だった違いから車体中央部に違いが見出せ、「同じようだけどもチョット違う」楽しさを味わう事が出来る両者です。
 とかく工作が面倒なダブルルーフ屋根も工夫がされていますので、簡単に味わいのある客車が出来上がると思います。
 そんな魅力あふれる「頸城のハ5・頸城のハ6」の楽しさを、この組立講座から感じ取って頂ければ幸いです。



第1回
1.側板にウィンドウシルを半田付けすることから始めますが、ウィンドウシルの裏側は半田メッキをしておいて、側板の上に置きフラックスを隙間に染み込ませ、上から半田ゴテで温めると良いでしょう。
 窓枠やドアーは塗装後に接着しますので、エッチングヌキパーツはウィンドウシルだけを切り抜き、ランナーを付けたままにしておきましょう。



2.割ピンを介した雨樋とテスリを半田付けしますが、雨樋は側板の上面合わせになります。
 側板の裏側に出た部分はツライチに仕上げておき、妻板を合わせて箱状にします。「側板の板厚が見える方向」で組み合わせ、裾合わせにします。

 


3.ここまで行ったら屋根板の工作です。まず上屋根を支える妻板を垂直に半田付けしてからアングル状になった側板を半田付けします。
 そして上屋根を前後左右均等になるように半田付けします。
 エッチングヌキになった屋根先の妻板を「屋根の板厚が見える」方向で半田付けしてから、デッキ天井をこの妻板に当てるようにして半田付けします。

 




4.先程のボディーを屋根板と組み合わせて仕切板部分で半田付けをします。
 上下取付板は治具を使って半田付けしますが、治具の両端を斜めにニッパーでカットしてからお使い下さい。

 


第2回
1.下まわりはまず床板に台枠を半田付けすることから始めます。



2.次にデッキを組み立てますが、まず4本のテスリが入る穴をφ0.4ドリルで少し掘って、半田シロにします。また、この作業は半田が流れやすくする目的で、ロストワックスの表面をひと皮剥く意味でも必要ですので、穴の周りのドーナツ状の部分もヤスリでひと舐めしておきます。
 中の2本のテスリは僅かに長いものを使います。4本を垂直に立てたならば、今度は中支えを半田付けしますが、この下面はデッキ床から9mmになるようにします。
 まず水平を取りながら端の1本を半田付けして、もう一方の端を半田付け、最後に中の2本を半田付けすると良いでしょう。



3.ハンドブレーキはテコの穴をφ0.4ドリルでさらっておき、中ほどの上向きの突起をヤスリとっておきます。
 これにハンドブレーキを半田付けして、デッキのエンドビーム下面にブレーキテコの中ほどを充てるような上下関係で、テスリの中支え部で半田付けをします。

 


4.出来上がったデッキを床板に半田付けします。
 床板の中央部にはブレーキテコ装置が付きます。
 まず、テコ支えの両端のエッチング凹みを内側にして折り曲げ、中央部を反対側に折り曲げます。
 ブレーキテコはφ0.4ドリルで穴をさらっておきブレーキ軸を半田付けして、シャフトを介してテコ支えに止めます。
 ブレーキ軸の先端にはブレーキ梁を半田付けしますが、軸受を充ててみてその位置関係を確認しておきます。
 ブレーキ梁は床板下面から5.5mmの位置になるとちょうど良いはずですが、両端の突起はカットしておきます。

 


5.軸受は左右2個ずつブレーキハンガーの根元からカットしておき、メタルを瞬間接着剤で止めます。
 さて、これで半田付け作業は終わりですが、床板とボディーとを仮に組み合わせてみましょう。
 恐らくデッキテスリが長すぎて、仕切板とデッキの間に隙間が出来ていると思います。これは短すぎると固定できないためわざと僅かに長くしてあるためで、現物合わせでテスリを少しずつカットして、つっぱらず短かすぎずという長さに調整しておきます。



第3回
1.さて塗装作業です。まず全部の部品をMWC-53 MWプライマーで下塗りをしておき、軸受はMWC-02 黒で、ボディーと窓枠はMWC-13 黄色で、床板まわりと仕切板ドアーは木部色の西武トニーベージュで塗ります。
 ボディーはウィンドウシルの凹んだ部分をマスキングしておき、MWC-17 ダークグレーで塗装をして、更に屋根をマスキングしてMWC-04 マルーンで塗ります。
 床板まわりはデッキの床板・外側とステップの上面・外側をマスキングしてMWC-02 黒で塗ります。

 


2.別売のアルプスモデル製インレタ「頸城A」で車体標記を転写して、その後にMWC-09 クリヤーに好みでMWC-10 フラットベースを加えたものでオーバーコートします。
 屋根はMWC-05 ライトグレーで、その他はMWC-17 ウェザリンググレーで軽くウェザリングをしておきます。



3.ハンドルを接着しておいたドアーや窓枠には、プラ板から切り出した窓ガラスを貼り付けておき、それを所定の位置に貼ります。
 床板はボディーに1.4x2mm(小頭)ビスで止めて、軸受は車輪を挟みながら1.4x2mm(大頭)ビスで床板に止めて出来上がりです。
 別売のサボを貼り付けると現役時代の風景が醸し出されるでしょう。













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