キット組立講座

立山砂防の北陸製モーターカーU*55-10-64


それまでDLはTld-xxx、モーターカーはTm-xxxというような命名方式だったのですが、製造年度を頭に冠したものに変わり、或る意味では分かり易くなった番号体系。
 この「北陸製モーターカーU」は昭和最後に導入されたモーターカーで、当初は以前製品化した「立山砂防の北陸製モーターカー(Tm-251)」と同様に正面窓がHゴム支持の2枚窓でしたが、後に大きな1枚窓に改造され(但し窓柱は残りました)、後ろの窓も改造されました。
 給油口はそれまでの車内から車体側面に移動して、その給油作業はやりやすくなり、側面のドアーも大型化されて使い勝手が向上しました。
 趣味的に見ても原型と更新型とでは細かい部分で違いが発見できて、なかなか興味が尽きないモーターカーです。
 そんな魅力あふれる「立山砂防の北陸製モーターカーU」の楽しさを、この組立講座から感じ取って頂ければ幸いです。



第1回

1.まずは側板に前後の妻板を半田付けして、その後で前後に車体アングルを半田付けしますが、これは裾合わせになります。

 


2.次に大小のドアーを半田付けしますが、これも裾合わせです。ドアーは大きな方が前側で、総てハンドルが前側にくるようにします。
 このドアーはロストワックスですから、反りがないかを車体に充てて確認して、もしも反りがあるようでしたら指で修正しておきます。
 前側のドアーは妻板から1mm下がった位置にセットします。ドアーの左右で半田付けすると良いでしょう。
 ドアーの上方にはドアーレール(2種類ありますので太い方=妻板などが入っている袋に入っている方)を半田付けします。その後に通風器を瞬間接着剤で止めます。

 


3.細かい部品の取り付けですが、ここでエッチング抜きパーツの切り出しについて書いておきます。
 皆さんはランナーをカットするのはどうなさっているでしょうか?ボクは30年も昔からこの鼻毛切り用ハサミを愛用しています。
 まず大雑把にカットしてから、パーツのギリギリの部分でカットし、平ヤスリで仕上げていきます。
 最初からギリギリを目指すと、深爪してしまったりするので、この方法が良いでしょう。
 最近ではタミヤからも発売されていますので、それを使っても良いと思います。



4.前妻板にはまずラジエターグリルを裏側に出っ張りがある方を上にして半田付けします。このとき、横桟は可能な限り歪みを修正しておきましょう。
 次に正面のワイパーや足元のハッチカバーを半田付けしますが、後者の場合は妻板の小穴をガイドにφ0.5のドリルで穴を明けてから半田付けします。
 ハッチカバーの内側には凹みがありますので、そこに突き当てるようにしてハッチを半田付けしますが、開いた状態にする場合は、ハッチの先端部を半田メッキをしておくと良いでしょう。
 小さなテスリ4個は恐らく半田で埋まってしまってるでしょうから、穴をφ0.4ドリルで明け直してから半田付けしますが、足は2/3ぐらいまでカットしておいた方が後で窓ガラスを貼るときに苦労しないでしょう。

 


5.今度は後ろ側の作業です。
 まず窓枠の上部左右の穴にフックを半田付けします。
 この窓枠を妻板に半田付けしますが、下部の3か所には切り欠きがありますので(更新型は2か所)、そこには小さなロストワックス部品(ヒンジ)を付けます。
 但しこの小さなロストを綺麗の真っすぐ半田付けするのは案外難しいので(作例では苦労しました)、あっさり瞬間接着剤で止めることにして、そのスペースを勘案しながら窓枠を妻板に半田付けします。
 そしてワイパーを半田付けして、例のヒンジを瞬間接着剤で止めます。
 余談ですが、車体コーナーに写真のように半田が流れていない部分が生じた場合には、裏から瞬間接着剤を流しておくと、この程度の隙間は埋まってしまいます。
 最後に屋根前後に大きなテスリを半田付けします。

 




6.これが完成した原型と更新型の上回りです。原型は春秋姿に、更新型は夏姿にしてみました。

 


第2回

1.下まわりの組み立てです。まず床板の前後左右の中央にウェイト台を半田付けしますが、床板は前後左右がありますので、写真のような向きに注意します。
 次にエンドビームを半田付けしますが、左右均等に床板よりも出っ張ること、上面が床板の上面とツライチになるように留意しましょう。



2.床板の左右には側板を半田付けします。そして床板の上合わせでドアーレールを半田付けします。
 次にステップを半田付けして、排気管を半田付けします。半田付けは排気管の根元部分だけで大丈夫でしょう。

 


3.軸受は出来るだけ外側に半田付けするようにして、ブレーキシューも半田付けしておきます。もちろん両者は床板に対して垂直になるように留意しましょう。



4.ハンドブレーキは写真のように軸をステップと軸受の間を通すようにして床板に半田付けしますが、段がついた所でカットしてイモ付けします。
 排気管の取付部が床板よりも出っ張った部分はツライチに仕上げておきます。
 更新型のマフラー部分にはカバーが付きますので、大き目の方を前に、小さ目の方を後ろに付けますが、予めヘの字に曲げておき、床板に半田付けする部分は半田メッキをしておくと良いでしょう。

 


5.ウェイトは1.4x4mmビスで床板に止めます。
 これで半田付け作業は終わりました。仮に上回りと組み合わせて不具合がないか確認しておきます。



第3回

1.塗装作業です。まずMWC-53 MWプライマーで下塗りをしてから、MWC-11 建設省グリーンで塗ります。
 Hゴム部分をプラカラーの黒で塗り、給油口の蓋は銀で塗ります。
 ワイパーは銀色に塗っても良いですが、このように小さな車体ですと、塗膜の厚みもバカにならず太って見えますので、カッターで剥がす方がシャープになるでしょう。
 ヘッドライトリムとレンズを接着してからレンズの裏側を銀色に塗り、別売の「アルプスモデル製インレタC」の標記を転写してから、MWC-09 クリヤーでオーバーコートします。
 窓ガラスにはプラ板などから切り出したものを貼り、レンズにはプラカラーのクリヤーを差しておくと良いでしょう。
 車体側面中央窓は、閉じた春秋姿と開けた夏姿を御用意してありますので、お好みによりお使い下さい。また、左側の窓枠は下側を少し削る必要が出るかも知れませんので、仮に当てがってみて様子を見て下さい。

 


2.床板の側面とエンドビームをマスキングしてMWC-02 黒を塗り、排気管は銀色に、バッファーの頭は赤く塗ります。
 お好みによりMWC-10 フラットベースを加えたMWC-17 ウェザリンググレーでお化粧をします。

 


3.KATO製動力はまず、車体を両手の指で拡げるようにして取り去り、写真のような状態にします。
 次にコネクターを抜いてプリント基板を撤去して、赤く囲った部分と突起を押して動力を外します。

 


 


4.外した動力は写真のようにカッターで余分な部分を切り取り、リード線は根元から10mmでカットして4個あるラグ板のうち内側のラグ板に素早く半田付けしますが、中央の丸い部分よりも上に出ないように注意します。また、配線は出来るだけ穴の中に納めるようにします。

 


5.床板には加工しておいた動力をゴム系接着剤で止めます。この時に車輪の外側が軸受と接しないように留意しましょう。
 上下は1.4x2mmビスで止めて出来上がりです。

















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