キット組立講座


足尾のフォード


エンドビーム間が僅か25mmしかない超小型の機関車はマニアの間では有名でしたが、地元・栃木県で復元されて一般的にも知られる存在となりました。
 昔でしたらこの中に入るモーターなど存在しなかったものですが、今ではそれも可能になり、スケールで模型化する事が出来るようになりました。
 実車にとらわれずに極小機関車として皆さんのコレクションに加えられて頂ける事を願って、今回当社でも模型化に踏み切りました。
 そんな「足尾のフォード」の魅力を、この組立講座から感じ取って頂ければ幸いです。



第1回
1.まず、前妻板の裏側のセンターに上下取付板を裾合わせで半田付けします。



2.妻板の板厚が見える方向で前後妻板と側板とを歪みの無いように箱状に半田付けしますが、側板には左右ありますので注意して下さい。



3.箱状になったら前妻板に窓枠・ヘッドライトを、側板にハンドルを半田付けします。
 窓枠は少しきつめになっていますので、夏姿の開けた状態にするには良いのですが、閉じた冬姿にする場合はヤスリで少しずつ削りながらはめ込んで下さい。



4.ここで屋根板を乗せて半田付けしますが、前後左右が均等になるように留意しましょう。



5.ボンネットを1.4x3mmビスで止めて、排気管の下半分を妻板に半田付けします。僅かに曲がり具合を調整しましょう。



第2回
1.下まわりの工作は、まず台枠の組み立てからです。
 台枠の小穴にステップを差し込んで半田付けをします。その後にエンドビームと組み合わせてLの字型に半田付けをします。
 更にこれを箱状に組みますが、平行四辺形にならないように、しかも上面がツライチになるように留意しましょう。


 


2.これに床板をはめ込んで半田付けしますが、ロストワックスに合わせて若干ヤスらないと入らない場合がありますので、注意深く仕上げてピッタリと合うようにしましょう。
 ステップと床板の向きに注意。ここで出来上がっている上まわりを乗せてみます。

 

3.次はギヤーフレームの組み立てです。
 まず角型スペーサーを組み込んで左右をコの字に組み立てます。もちろんこの段階で歪みの無いように注意します。次にもう一方のネジ穴のある板スペーサーを半田付けします。
 そして角型スペーサーの上部に板スペーサーを半田付けしてから、細長い板をギヤーフレームの後部に(左右均等になるように)しっかりと半田付けします。

 

4.動輪押さえ板のこの部分は僅かにギヤーと干渉しますので、平ヤスリで斜めに削っておきます。
 仮に動輪とギヤーを入れてみて、動輪押さえ板を1.4x2mmビスで止めて、軽く転がるかどうかを確認しておきましょう。

 

第3回
1.塗装作業に入ります。総ての部品をMWC-53 MWプライマーで下塗りしてからMWC-02 黒色で塗ります。
 これが乾いたら、ラジエターグリルとヘッドライトの内側をプラカラーの銀色で、窓枠をレッドブラウンで、排気管をバフで塗ります。
 そして全体を好みでMWC-10 フラットベースを加えたMWC-09 クリヤーでオーバーコートして艶を整え、MWC-17 ウェザリンググレーで軽くお化粧しておきます。
 その後にプラ板で切り出した窓ガラスを接着します。開いた状態の場合は11.5x3.5mmでした。


2.配線コードは半分にカットしておき、集電ブラシに半田付けします。


3.ギヤーフレームの軸箱が入るUの字型の部分はカッターで塗装を剥がし、図に従ってアイドラーギヤーを組み込みます。
 モーター軸の先には木工用瞬間接着剤を少量塗り、あらかじめブッシュを接着しておいたウォームギヤーを写真の深さ(1〜1.2mm)に差し込んで固定します。
 この深さは重要で、走行性能にも影響しますので、素早く正確に期するようにしましょう。

 

4.集電ブラシの両端を若干広げておき、ギヤーフレームを1.4x2mmビス3本で床板に止めます。
 このような極小機関車の場合、写真のように軸が細いドライバーを1本持っていると作業がしやすいでしょう。軸の先端の径は1.5mmです。
 そのあとで動輪を組み込み1.4x2mmビスで動輪押さえ板を止めますが、可動軸箱の動輪は前の方にセットして、軸箱の向きを調整して動輪が上下にスイングするようにします。
 集電ブラシの上方は床板と接触してショートしやすいので注意しましょう。



5.モーターはワッシャを介して1.2x2mmビスで床板に止め(モーターの白い端子は右側)、配線コードをモーターのラグ板に配線します。
 最後に上下を1.4x2mmビスで止めて出来上がりです。
 なお、このモーターは過電流には弱いですので御注意下さい。
 また、付属しているウェイトは黒く塗って、キャブ内の前の方に接着して下さい。


 







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