キット組立講座

立山砂防の人車




木曽森林鉄道ではB型という客車がありましたが、それに相当するのがこの「人車」です。
 車両基地のある千寿ケ原から山奥の水谷出張所まで1時間45分掛けて作業員を運びます。
 基本的には3両編成で朝夕1日1往復の運行でしたが、必要に応じて臨時便が出ることもあり、その場合には2両もしくは1両で無蓋車と併結するケースもありました。
 そんな魅力あふれる「立山砂防の人車」の楽しさを、この組立講座から感じ取って頂ければ幸いです。



第1回

1.組み立てに入る前に妻板貼る窓ガラスをプラ板からノリシロも含めて13x7mmに切り出しておきます。
 床板に台枠をビスで止め、僅かに上に出た部分をツライチにヤスっておきます。



2.まず床板に妻板を半田付けします。垂直になるように留意しましょう。
 その後に真ん中の椅子を半田付けしますが、これらのロストワックスを半田付けする際には、半田が流れる部分をキサゲなどで綺麗に磨いておくと、半田の流れが良くなります。

 


3.次にテスリの半田付けです。両サイドのテスリは妻板の小さく欠き取りのある部分に嵌めるようにして高さを決めて床板裏で半田付け。
 真ん中のテスリは垂直になるように留意して半田付けしますが、椅子に付いているテスリの一部を現物合わせでカットして、この真ん中のテスリにピッタリと合うような長さにして半田付けします。
 この段階で床板の下面はツライチで綺麗に仕上げておきます。

 


4.屋根板を妻板の上部で瞬間接着剤で止めます。さらに屋根側板を屋根板に突き当てるようにして、裏側から瞬間接着剤で止めます。
 真ん中のテスリはこの側板に接着しておきましょう。



5.台枠に軸受を止めますが、半田でなくて瞬間接着剤でも良いでしょう。
 前後から透かし見てみて、取付部が軸受に対して垂直になっているかを確認し、なっていないようでしたら、ペンチなどで修正しておきましょう。



6.ヘルメットの仕上げです。
 このように小さな部品を綺麗に仕上げるには、コツが必要になります。
 作例ではφ1.2の真鍮線の先を半田メッキしておき、ランナーに付いた状態のヘルメットの内側に半田付けしておき、仕上げる方法を採りました。
 この方法ですと指先で真鍮線を持って回しながら金工ヤスリ→紙ヤスリと落ち着いて仕上げていけ、最後にコテで熱を加えて真鍮線を外しました。

 


第2回

1.塗装作業に入ります。
 全体をMWC-53 MWプライマーで下塗りしてから、上まわりはMWC-03 クリームをサッと塗ってからMWC-15 赤を塗ります。クリームを塗る理由は赤色は透過性が強いため、下地の色が透けて見えてしまう為です。
 そのあと妻板の窓枠の上と屋根板の側板から上をマスキングしてMWC-11 ライトグリーンを塗ります。
 そして台枠も含めてMWC-02 黒色で塗るのですが、妻板の木部の上のラインで一周マスキングする前に、真ん中の椅子の背面だけはマスキングしておきました。

 


2.黒を塗り終えたら床板の縁をプラカラーの白で塗り、座面もプラカラーのレッドブラウンで筆塗りして、別売のアルプスモデル製「立山砂防用インレタC」を使ってナンバーを入れます。
 更にフラットベースを好みで入れたクリヤーでオーバーコートして艶を整えてから、MWC-17 ウェザリンググレーで軽くウェザリングをしておきます。



3.さて人車ですから人形を乗せないとサマになりませんので、これを用意します。
 作例ではプライザーの人形の中から座ってるものを選び出して、眉毛の上あたりから斜め後下方に向けてバッサリとカッターで切り、ヘルメットを接着しました。
 服装はフィールドグレーのナッパ服色に塗り直して、ヘルメットは白く塗りました。但し中央から来たという想定の役人は私服のままです。

 


4.これが人形や小物を乗せてみたところです。
 実車の写真を見ると、背負子なども載せてあったりするのでプライザーのものを乗せたり、プロパンボンベや1/35の戦車の部品である無線機なんかもそれっぽく紛れ込ませてみました(^^♪。
 余ったヘルメットを置いてみるのも良いでしょう。

 


 


5.余ったヘルメットと云えば、このようにして使うもの手ですネ(*^^)v。



6.車輪を組み込みながら1.4mmビスで止めて出来上がりです。



7.人車は基本的には3両編成で運行されていましたが、青森さんの写真のように2両編成や無蓋車と連結して1両で使われることもありました。
 ここいら辺は好みで変化を楽しんでみるのも良いでしょう(^^♪。

 











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