キット組立講座

尾小屋のホハフ7&8




尾小屋には多種多彩な客車が在籍しましたが、その多くは三重交通から譲渡されたものでした。
 当初はダブルルーフの木造でしたが、後に車体更新されてHゴム窓化され、イメージも大きく変わってしまいました。
 今回企画したのは古色蒼然とした木製合造車で、塗装済完成品では三重交通から譲渡されて旧塗装(ダークグリーン&クリーム)のまま使われていた時代も再現できるようにしました。
 ホハフ7と8とは、窓桟の有無などで微妙にディテールが異なるのも魅力で、この車両の為に特徴ある台車も新規作成致しました。
 そんな魅力あふれる「尾小屋のホハフ7&8」の楽しさを、この組立講座から感じ取って頂ければ幸いです。



第1回

1.まずはボディーにウィンドウシルを半田付けする事から始めます。このような場合はシルの裏側に半田を薄く流しておく「半田メッキ」をしておくと綺麗に半田付けが出来るでしょう。
 妻板のシルは予め丸い棒に巻き付けてカーブに仕上げておき(妻板よりも若干カーブはきつ目の方が半田付けがしやすいでしょう)妻板に宛がってみて、余分な長さをニッパーでカットしておきます。巻き付けた場合には、どうしても両端部分はカーブにしにくいので、敢えて長めに作ってありますので、両端をカットすると良いでしょう。



2.次に窓枠やドアーを半田付けします。このキットは予め「夏姿」と「冬姿」とをお選び頂きますが、いずれもホハフ7にも8にも出来るようになっています。その違いは外観図を御覧頂ければお判りだと思いますが、見本の冬姿はホハフ7に仕上げ、夏姿はホハフ8に仕上げてみました。
 具体的に説明をしますと、ホハフ7は荷物室側でない方のドアーには桟が無く、ホハフ8は中央のドアーの戸袋窓には桟がありません。
 ボディーに一旦半田付けをした後で、これらの桟を削除するのですが、ニッパーなどで切ったらその周りが歪んでしまいますので、精密な三角ヤスリでカットして、その後で平ヤスリで仕上げるようにしましょう。
 写真の上側はホハフ7、下側がホハフ8です。





3.ここまで行ったら上下止めアングルを半田付けします。これは側板の裾とツライチになるように半田付けをしますので、写真のように床板にビスで仮止めしてやると半田付けが簡単に出来るでしょう。
 この仮止めをする時に側板が床板に対して垂直になっているかもチェックしておき、なっていない場合には幅広のペンチなどで軽く矯正しておいて下さい。
 半田は3ケ所程度でチョン付けしてから床板を外し、本格的に半田を流します。



4.妻板は屋根板に宛がってみて、カーブが合うようにしておき、窓枠を折って半田付けします。
 そしてサンドペーパーの上で写真のように端部を削って、板厚の断面が見えないようにしておきます。
 


5.ここでまた床板を使います。側板を床板にビス止めしておき、更に屋根板も被せた状態で妻板を半田付けします。
 側板よりも出た部分の妻板はヤスリ取っておき、綺麗に仕上げておきましょう。

 


6.ドアーステップを半田付けしますが、プレスでダレた側を上側にすると乗客が乗り降りした際に削れた感じが出て良いでしょう。



7.車体に屋根板を乗せてみて、どこか隙間が無いかをチェックして、もしも隙間があるようでしたら、車体に歪みがないかをチェックしてみて下さい。それでも隙間があるようでしたら屋根板を手で捻って矯正しておいて下さい。
 隙間が無い事を確認したら、前後左右均等になるよう注意しながら、注意深く内側に瞬間接着剤を流して固定します。
 テスリやハンドルは塗装後に接着しますので、ここまで行ったら半田で塞いでしまったそれらの穴を明け直しておきます。テスリ用の穴はφ0.4でも良いのですが、塗装の厚みを考慮してφ0.5で明けておく方が良いでしょう。


第2回

1.下まわりの組み立てです。床板に台枠を半田付けしますが、床板の板厚が見えない方向で半田付けをします。
 床板と台枠には方向性がありますので、写真を良く見て間違わないようにして下さい。床板の中央部にある小穴を向かって左側にした時、台枠の模様で四角い凸模様が3個ある方が左側になります。



2.これにエンドビーム、ボルスター、キングポストの順に半田付けをしていき、キングポストの出っ張ったボスはツライチに仕上げておきます。
 エンドビームの両端部は台枠のラインと揃うよう留意しましょう。



3.キングポストの先の二股に割れた部分に引張棒を半田付けします。次に引張棒アンカーを台枠に半田付けしますが、引張棒の先端4mm程度が半田シロになるように留意して下さい。
 そこに引張棒の先端部を半田付けします。
 ターンバックルは写真のように湯口が付いた部分をピンセットで摘まみながら半田付けをすると良いでしょう。
 半田付けが終わったら根元の部分をニッパーでカットして、平ヤスリで仕上げておきます。



4.台車枠には軸受を半田付けしますが、集電する訳ではないので瞬間接着剤で止めても良いでしょう。


第3回

1.塗装に入ります。総ての部品をMWC-53 MWプライマーで下処理してから、ボディー全体にMWC-03 クリームに塗り、床板から下はMWC-02 黒で塗ります。
 ドアーハンドルはテスリと共にMWC-03 クリームを塗ります。
 その後、旧塗装の場合はウィンドウシルから上をマスキングして、MWC-08 ダークグリーンを塗ります。新塗装の場合は少々手間ですが、まず窓枠の寸法にマスキングテープをカットして貼り、それからウィンドウシルと窓枠の上辺をマスキングして、MWC-15 赤を塗ります。実際にはウィンドウヘッダーという物はありませんが、その位置は赤になります。
 また、ドアーやウィンドウシルの脇も予めマスキングしておいた方が色のはみ出しは無いでしょう。

 


2.これが乾いたら、屋根の下をマスキングしてMWC-17 ダークグレーを塗ります。
 また、テスリは塗り分けラインの位置でダークグリーン、もしくは赤く塗っておき、ドアーハンドルと共に差し込んでエポキシ系接着剤で止めます。



3.別売のインレタを貼ってから、好みによってMWC-10 フラットベースを入れたMWC-09 クリヤーでオーバーコートして全体の艶を整え、それから屋根の部分はMWC-05 ライトグレーで、その他はMWC-17 ウェザリンググレーで軽くお化粧をします。





4.台車枠は車輪を挟みながらマクラバリに1.4mmビスで止めます。そしてボルスターにコイルスプリングを介しながら段付きビスで止めます。そして、床板とボディーとは1.4x2mm大頭ビスで止めて出来上がりです。















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