キット組立講座

釧路製8tDLU



簡易軌道のDLといえばこのスタイルが一般的で、酒井や加藤などはむしろ少数派です。
 いかにも道産子らしい垢抜けのしないスタイルですが、ラジエター周りの造作やアルミサッシの窓をいち早く採り入れた点などは、個性を滲ませており、窓に装備された旋回窓なども耐寒仕様感じさせてくれます。
 いずれお見せ致しますが、1995年にリリースした「浜中のDL」と並べてみると、この18年の間にモーターが小型化された恩恵をひしひしと感じさせてくれ、いかにもスケールモデルらしくスタイリッシュに仕上がりました。
 そんな魅力あふれる釧路製8tDLUの楽しさを、この組立講座から感じ取って頂ければ幸いです。



第1回

1.まずはボンネットの組み立てから始めます。最初にボンネットにラジエターグリルを裾合わせで半田付けします。継ぎ目にはシッカリと半田を流しておきましょう。もしも一部に半田が流れていないような場合は、塗装後に結構目立ちますから。
 そして天井に点検ハッチも半田付けしてから、細かいパーツを半田付けしていきます。ハンドレールノブは穴に入りにくい場合はφ0.6のドリルで穴をさらって下さい。このハンドレールノブはハンドレールを一旦通して(半田付けはする必要はありません)やると、半田付けがしやすいでしょう。

 


2.次はキャブの組み立てです。まず側板に妻板を組み合わせて、これも裾合わせで半田付けします。まず裾の部分でチョンと、そして反対側の裾でチョン。良さそうだったら天井部分でチョンして眺めて、良さそうだったらその間に半田を流していきます。
 天窓は作例のように開いた状態でも、閉じた状態でも可能ですので、お好みで選んで半田付けします。前側がヒンジになります。
 そして後部妻板の内側に上下止め用金具をセンター目指して半田付けします。これも裾で合うように留意します。
 横の窓はサッシなので、塗装後に接着します。

 


3.前後にヘッドライトケースを半田付けして、後部コーナーのテスリを半田付けします。もしも先ほどの半田付けで穴が埋まってしまった場合には、φ0.4のドリルで穴を開け直して下さい。同様に後部妻板下部に配線用コンセントを半田付けしますが、これも同様にφ0.6のドリルで穴を開けて半田付けします。
 ドアーにハンドルを半田付けして、裏面はツライチにヤスっておいて下さい。そのドアーを後部コーナーのテスリに突き当てるようにして、ドアーの裾が側板の裾より0.3mm出るような位置で半田付けします。
 上のドアーレール(下のドアーレールよりも短い)はドアーの後部とラインが揃うような位置に、ドアーの上に半田付けします。

 


4.ここでボンネットとキャブとを裾合わせで組み合わせます。
 ラジエターグリルには洋白線をスライドさせて組み込み、配線用コンセントと共に瞬間接着剤で止めれば良いでしょう。
 実物のラジエター保護棒はボディー色ですが、色気を出してステンレスっぽく仕上げてみるのも良いでしょう。その場合には塗装後に接着します。

 


5.次は床板まわりの工作です。まず床板に側板を(床板の板厚が見えない方向で)半田付けします。前後とも同じぐらい側板が飛び出すようにセットしましょう。そのあとエンドビームを半田付けしますが、エンドビームには上下あり、カプラー以外の部分が長い方が上になります。
 エアータンクは左右一体で鋳造されていますので、これを切り離して床板に半田付けします。

 


6.ここまで来たら床板にボディーを1.4mmビスで仮止めしてみて、ドアーの裾に下側のドアーレールをあてがい前の部分だけでチョンと半田付けします。前後方向の位置決めは、ドアーレールの後端が床板側板の後端よりも0.8mm前に来るようにします。
 そしてまた上下をバラして、本格的にドアーレールに半田を流して止めます。
 ボンネットの中には大きなウェイトが入ります。ハンドレールノブやハンドルの先などが邪魔して入らないような事が無いように、カットしておきましょう。

 


7.ギヤーフレームは写真のように組み立てますが、とにかく歪みが無いようにする事が一番重要です。



第2回

1.塗装に掛かりますが塗り分けが無いので気が楽です。定石どうりに下処理としてMWC-53 MWプライマーを塗ってから、ボディーと床板をMWC-11 建設省グリーン(この場合は北海道開発局グリーン?)で塗ります。
 キャブにはサッシの窓枠をゴム系接着剤で止めて(左右共に右側の窓枠が手前です)、Hゴム部分とエアータンクにプラカラーの黒を差し、ボンネット脇のハンドル類・ハンドレール・配線用コンセントを銀色に塗ります。
 その他の部品はMWC-02 黒で塗っておき、全体をフラットベースを適宜加えたMWC-09 クリヤーで仕上げ、MWC-17 ウェザリンググレーで化粧をしておきます。

 


2.市販のプラ板から切り出した窓を貼って、黒く塗っておいたウェイトをゴム系接着剤でボディーに止めます。



3.エンジン側は向かって左側に、キャブ背面側は向かって右側に(つまりエンジン側を前として進行方向右側に)旋回窓をゴム系接着剤で止めます。この旋回窓は窓ガラスを挟んで円盤が回るようになっていますので、ガラスの表側から貼り付ける形でOKです。また、支えのバーの位置は一定ではありませんので、あえて作例のような位置にすると動きが表現できるでしょう。
 ヘッドライトケースの内側は銀色に塗っておき、リムとレンズをエポキシ系接着剤で止めます。

 


4.これは塗装をする前にやっておいて頂きたい事ですが、動輪押さえ板の穴の前側は写真のように少し斜めに削っておいて下さい。
 ギヤーフレームの軸箱が入る部分の塗装を剥がしてから、アイドラーギヤーをシャフト・ワッシャ・集電ブラシなどを挟んでEリングで止めます。ギヤーは軽く回りますか?渋いようでしたら一旦バラして、ギヤーの横の部分をカッターで少し削いでおきましょう。集電ブラシには半分の長さにカットしておいた配線を半田付けしておきます。可動式軸箱は前側(写真の左側)にくるようにして、動輪軸が上下に動くよう軸箱の向きには注意しましょう。動輪押さえ板は1.4x2mm(小頭)ビスで止めます。

 


5.床板にギヤーフレームを1.4x1.4mmビス3本で止めます。



6.モーター軸にウォームギヤーを瞬間接着剤で止めますが、写真のような深さで止めるようにして下さい。ギヤーの噛み合わせを調整しながら、モーターを床板に1.4x2mm(大頭)ビスで止めますが、マシマのラベルが後側にくるようにして(+が右側)配線をしておきます。

 


7.台枠を床板に止めますが、前の方は1.4x2mm(大頭)ビスで、後方はボディーを被せながら1.4x3mmビスで止めます。最後にラジエターのところで1.4x3mmビスで止めて出来上がりです。

 


8.こうやって18年前の製品と並べると隔世の感があります。













「釧路製8tDLU」製品の御案内

「MWカラー」の御案内