キット組立講座

井笠のホジ7〜9



数あるボギー式気動車の中でも、このホジ7〜9は井笠で最大級のもの。とは言っても一般的な見地からすると、汎用性のある中型ですが、前後に張り出したデッキがその風格を高めています。ホジ7〜9によるディテールの違い、また時代ごとに改装されてリベットが無くなっていたり、塗装仕様が変わってきたり。仔細に見て行くと興味が尽きません。
 そんなホジ7〜9の魅力を画面上でお楽しみください。



第1回
1.まず、側板と妻板に窓枠を半田付けします。側板はドアー下部分をツライチに、妻板は小穴を揃えるようにすると上下方向は決まります。


2.次に車体アングルを側板に半田付けしますが、窓枠の段になってる部分に突き当てるようにすれば、上下方向は決まります。そして妻板とLの字に組み合わせて、更に箱状に組み上げます。
 


3.屋根板は前後左右の長さがピッタリとボディーと同じになるようにヤスって仕上げます。そしてボディーに半田付けをしてから、平らな板の上に置いた紙ヤスリの上で上面が平らになるように仕上げます。
 


4.窓に保護棒のあるタイプは、窓脇の=型のガイドの所に半田付けします。


5.ウィンドウシルを半田付けしますが、このような細い帯状のものは裏側を半田メッキしておくと半田の流れが良くなるでしょう。シルにリベットの無いホジ7Bと9Eの妻面は、ドアーの脇から半田付けしていき、最後に余った部分をカットします。シルにリベットのあるホジ7A、8C、9Dは妻面の窓柱とシルのリベットが合うように留意しながら、まずセンターを半田付けしてから左右に振り分けていき、最後に左右の余った部分をカットします。
 


6.次に雨樋を半田付けしますが、上下方向の位置は、側板の上面と雨樋の下面が合うように留意します。まずドアー間の雨樋を半田付けしてから、妻面の雨樋を半田付けして、最後に余った部分をカットします。雨樋の半田付けが完了したら、ヘッドライトケースを半田付けします。
 


7.次にウィンドウヘッダーを半田付けしますが、エッチングで出っ張っている方が下側になります。まず、ヘッドライトケースの脇から半田付けしていき、最後に余った部分をカットします。但し、金太郎塗装にする場合には、マスキングの便を考えて、一旦半田付けしたヘッドライトケースは外しておきましょう。最後にヒサシを半田付けしますが、ランナーからカットしたら凹んでいる方が内側になるように曲げて、そこに半田を流しておき強度を出します。ボディーへの半田付けは左右の三角部分だけで大丈夫でしょう。ワイパーを取り付ける穴は工程上開けられていませんので、シルから6mmの所にφ0.4ドリルで開けてから半田付けして下さい。最後にベンチレーターを瞬間接着剤で屋根板に止めて上まわりの工作は完了です。
 




第2回
1.さて、下まわりの組み立てです。まずデッキを組み立てましょう。ラジエターの足をツライチにカットして仕上げてから、デッキの=型とコ型になってるガイドに沿って半田付けします。向きは配管が中央寄りになるようにして、その配管は長く伸ばしたまま斜めに曲げておきます。デッキ枠はデッキの段になってる部分をガイドに半田付けします。


2.次は床板まわりの工作です。まず床板に付随台車用ボルスターと床下機器取付板用座を半田付けします。それから台枠を半田付けしますが、この台枠は左右で違いますので、写真や外観図をよく見て間違わないようにして下さい。床板に対しては若干ルーズになっていますので、出来るだけ台枠が外側になるように半田付けしましょう。台枠を半田付けしたら、三角形の補強リブを半田付けして、配管受けを介して配管を半田付けします。


3.エンジン枠にエンジンとミッションを入れて、その状態でエンジンのステーを枠に半田付けします。次にミッションも枠に半田付けしますが、水平になるように留意しつつ、最後にエンジンとミッションを半田付けします。そしてこれを取付板に半田付けします。エアータンクは片方の配管をカットしてから取付板に半田付けします。なお、プロペラシャフトは細くなってる部分の根元から9mmの所でカットしておきましょう。最後に1.4x2mmビス(小頭)で床板に止めて出来あがりですが、塗装する時にはこのビスを外して別々に塗る方が良いでしょう。
 


4.床板とデッキを組み合わせてボディーに1.4x3mmビスで仮止めしてみて、配管の先がラジエターに来るように調整しておきます。


5.付随台車の軸穴には軸受メタルを半田付けしますが、メタルの先っぽにバリがある場合はヤスっておいて下さい。動力側の台車(実車はこちら側が付随台車ですが)の排障器は左右各々をカットして仕上げておきます。


6.ギヤーボックスの組み立てです。まず側板に角型スペーサーを半田付けして(垂直になるように留意)、スペーサー板を挟みながら左右を歪みなく組み合わせます。この段階で動輪を組み込んで動輪押さえ板で仮止めして、動輪の軸箱が上下にガタが無いかをチェックします。もしもガタがある場合にはギヤーボックス下面を僅かにヤスって、ガタが無くなるようにします。但し、ヤスり過ぎには注意しましょう。軸箱に負荷が掛り動きが悪くなりますので。これで下まわりの組み立ては完了ですが、モーター軸の入る穴は左右に若干ヤスっておき、ウォームギヤーが入りやすいようにしておきましょう。
 


第3回
1.さて塗装作業に入ります。床板・台車・ギヤーボックスまわり・ウエイトをMWC-02で黒く塗り、デッキはMWC-05でグレーに(但しホジ9の赤ボディーの場合は銀色に)、ボディーやドアーハンドルはMWC-13で黄色く(但しホジ9の赤ボディーの場合はMWC-15で赤く)、テスリはMWC-14で緑色に(但しホジ9の赤ボディーの場合はMWC-15で赤く)塗ります。デッキのラジエター側には水タンクを接着してからグレー(もしくは銀色)に塗り、それが乾いてから枠をマスキングして黒く塗り、最後にテールライトの反射板を赤く塗ります。ボディーはウィンドウヘッダーを含めず、ウィンドウシルを含めて窓まわりをマスキングしてMWC-14で緑色に塗ります。この見本ではボクの好みでホジ7は金太郎の塗り分けに、ホジ8は直線塗りに、ホジ9は赤色塗装にしましたが、これは皆さまのお好み次第ということで(^^♪。
 金太郎の塗り分けにする際には、写真のように説明書の外観図の上にプラ板を乗せて、カッターでRをなぞって溝を作り、そこにマスキングテープを貼って、溝にカッターを這わすように切ると、まさに金太郎型のマスキングテープが出来ます。下側も同様にします。
 ホジ9D以外は窓上は窓柱までの部分をマスキングすることになりますので、窓に緑色の塗料が吹き込んでしまう恐れがあります。したがって面倒でも窓1枚1枚を写真のようにマスキングして、その上から更に窓全体をマスキングすると良いでしょう。最後に屋根板をMWC-05に黒を混ぜたダークグレーに塗ります。この際も正面の雨樋Rに合わせたマスキングテープを作って作業すると良いでしょう。
 




2.別に塗っておいたテスリやドアーハンドルをエポキシ系接着剤で止めてから、テスリは塗り分け線に沿って黄色を塗ります(但し、ホジ9の赤/白塗装のテスリは赤一色です)。ヘッドライトケースの内側に銀色を差し、ヘッドライトレンズ&テールライトレンズを接着します。その後に別売のアルプスモデル製インレタを転写してからクリヤーラッカーでオーバーコート、そして軽くウェザリングでお化粧をします。最後にクリヤーのプラカラーをヘッドライトレンズに、クリヤーレッドをテールレンズに塗って塗装作業は完了、別売のアルプスモデル製サボを貼り付ければ完璧でしょう。


3.モーター軸の軸受け部にはオイルを差しておき、ウォームギヤーとジョイント棒を瞬間接着剤で組み合わせておいたものを軸に差し込んで接着します。配線コードは70mmと130mmにカットして、更に各々を半分にカットしておきます。動力側の集電板には短い方の配線コードを写真のように半田付けをして、両脇は写真のように少し曲げておきます。
 


4.動力側台車の組み立て手順は、まずギヤーボックスの軸箱が入るUの字部分の塗装を剥がしてからアイドラーギヤーを組み込み、センターピンでボルスターに止めて床板に1.4x2mmビス(小頭)で止めます。次にアイドラーギヤーとの噛み合わせ具合を確認しながらモーターを1.4x2mmビス(大頭)でギヤーボックスに止めて、集電板と台車枠をワッシャーを挟みながらギヤーボックスに1.4x3mmビスで止めます。なお、モーターのラベルはウエイト側になるように留意します。この段階で電気を繋いでみて回転をチェックしておきます。
 付随台車の組み立て手順は、長い方の配線コードを台車のラグ板に半田付けしておき、これを介しながら1.4x3mmビスで軽く図のように止めます。車輪を組み込んで軽く回るような位置でビスを固く止めます。なお、台車の軸受け部はφ1.1のドリルで軽く揉んで塗装を剥がしておきましょう。最後にスプリングを組み込みながらセンターピンで止めます。
 


5.床板にはウエイトを1.4x4mmビスで止めて、前後の配線を同じ側のモーターのラグ板に半田付けします。因みに写真で向こう側のモーターのラグ板はプラスです。


6.上下は1.4x3mmビスでデッキを挟みながら、中央部は1.4x2mmビス(大頭)で床板を止めます。
 


7.さあ、これで出来あがりました。ホジ7から9までの3両、しかも時代ごとにボディーのリベットがあったり無かったり。見本では代表的な3タイプしかお見せ出来ませんでしたが、見比べるとその違いに興味が尽きません。貴方はどのタイプがお好みでしょうか?単行で走らせて良し、ホハを牽かせても似合うこのホジ。これからは貴方のホビールームで活躍させて上げて下さい(^^♪。












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