キット組立講座

木曽のB型客車U(助六型・王滝型)


前回発売した時には2種類だったB客ですが、装いも新たにVersion2として再登場しました。
 もともと一種類しかない「助六型」は別として、「王滝型」は何と4種類ものワイドバリエーション展開。ドアーの位置・ディテールによる違いから、車体裾の垂木が隠れていて、窓が大きなタイプまで、これぞ決定版といった設計になっています。
 前回同様、車体裾のフレーム垂木も角材を使用して、しっかり作られた車体と、ディテール豊かな台車のコンビネーションが自慢で、軽量化を考慮したロングシートも装備されています。更に今回は、窓上にキャンバス押さえも追加してありますので、よりメリハリの効いたものに仕上がっています。
写真をクリックして大きいサイズで御覧ください。

第1回
1.まず、王滝型の側板と妻板にはコの字型の飾り板を半田付けする必要があります。エッチングで凹になった部分に嵌めて半田付けします。ここからは助六型も共通の説明です。側板の内側には窓枠を、裾には垂木を半田付けし、その上にアングルを半田付けします。妻板の内側にはドアーを半田付けします。このドアーは王滝型10号・11号には7号のものも入っていますが、これは使いません。妻板は左から順に、助六型・王滝型7号・10号・11号です。妻板には半田で埋まってしまったテスリの穴を、0.4mmドリルでさらってから、テスリを半田付けします。助六型のテスリの方が短いタイプですので、王滝型と一緒に組み立てる場合は注意して下さい。裏面ツライチでニッパーでカットしておきます。


2.王滝型No.15は車体のディテールが異なりますので、別の説明が必要となります。側板窓下の凹部にウインドウシルを半田付けしてから窓枠を半田付けします。側板左下には「助六」のプレートを半田メッキしてから半田付けします。このプレートは予備が入っていますので、お好みにより他のB客にも貼ってみて下さい。アングルは車体裾をガイドに半田付けします。妻板にもウインドウシルを半田付けしてから内側にドアーを半田付けします。半田で埋まってしまったテスリの穴を、0.4mmドリルでさらってから、テスリを半田付けします。裏面ツライチでニッパーでカットしておきます。


3.側板と妻板をL字型に半田付けして、それを組み合わせて箱型にします。箱型に組んだら、屋根裏板をホゾ組で半田付けします。これで車体はかなりしっかりしました。写真右が王滝型No.15で、左がその他のものです。


4.屋根板にはまず端板を半田付けします。ランナー部分は少し長めにしておき、最後に下面ツライチで仕上げると良いでしょう。キャンバス押さえは屋根板を平らな板の上に置き、下面合わせで上側から半田付けをすると良いでしょう。出来上がった屋根板を車体に被せて、側板の上部で半田付けしていきます。出来上がった上まわりです。


第2回
1.ここからは下まわりの組み立てです。とは言っても、さしたる工作はありませんが。まず、台車枠のドローバー側のエアーホースをコックの先でカットします。そして、軸受を台車枠にパチンとはめ込み、半田付けします。


2.床板にボルスターを半田付けします。今回のボルスターは台車に接触する部分の面積を広くしましたので、車体はより安定するでしょう。念のためにネジ穴には1.4mmタップを通しておくと良いでしょう。ともすると、半田が流れ込んでネジがきつくなってしまい、最悪の場合はネジを壊してしまう場合がありますので、転ばぬ先の杖です。更にガラス板などの上に400番位の紙ヤスリを置いて、ボルスターの下面を平らに仕上げておけば万全でしょう。


3.さあ、勢いを付けて塗装に掛かります。全体をグレーに塗って、それから赤を塗ります。赤はマッハカラーの48番・長野電鉄ファーストレッドが一番近い色です。また、下地に塗る色によって赤の発色が異なります。例えば白を塗れば鮮やかな赤に、黒を塗ればシックな赤に仕上がります。ここいら辺のニュアンスは好みで選ぶのが良いでしょう。ネジ穴のある部品は、写真のように竹串を刺して作業するとやりやすいでしょう。


4.台車は緑に床板を黒に、手摺を黄色に塗り、椅子をクリームに塗ります。実物に拘れば、座面は黒に塗るのが良いのでしょうが、室内の部品は多少派手目の方が良いので、クリーム一色の方が良いでしょう。プラ板などで窓ガラスを貼ってから、この椅子を車体アングルの上にゴム系で接着します。


5.塗装の済んだ上まわりです。写真のように別売の「アルプスモデル製インレタBとC」を使うと、グッと良くなるでしょう。なお、緑十字には2種類ありますが、調べて判明した限りでは、王滝型の15と16は四角い白の中に緑十字が、11,12、18は白い縁取りのある緑十字、7と10は安全の文字も含めてナシ。17は不明でした。助六型は両方のタイプがありますが、その番号までは判りませんでした。


第3回
1.台車を1.4x2mmビス(小頭)を使って組み立てますが、軸受部分には当社扱いの「ケーディー社製グリーセム」を塗っておくと、驚異的に滑らかな回転が得られるようになります。出来上がった台車どうしはドローバーで結びピンをエポキシ系接着剤で軽く止めます。


2.床板に台車をセンターピンで止めますが、ボルスターの台車と接する部分の塗装は、台車の回転がスムースになるように、剥がしておきましょう。また、ロストの具合によってきつい場合には、2.1mmのドリルで穴をさらっておきます。そしてブレーキシューをエポキシ系で接着します。上まわりとは1.4x2mmビス(大頭)で止めて出来上がりです。