キット組立講座

木曽の富士重工製小型モーターカーU

No.74&75



何と13年も前に一度だけ製造されたこのモーターカーですが、KATO製の動力を使う事によって蘇りました。
 モーターカーとしては珍しく密閉型の上まわりは前回と全く同じ完成度を保ったままですが、動力は当社製ものもではありませんので、同動力を使う際のポイントなども含めて解説していきたいと思います。
 No.74と75とは側面窓の大きさや後部ライトの位置などが異なりますので、そんな富士重工製小型モーターカーの魅力を、この組立講座から感じ取って頂ければ幸いです。



第1回
1.最初に側板にドアーを半田付けします。ドアーは74号と75号の両方が入っていますので、間違えないようにして下さい。窓の小さい方が74号、大きい方が75号です。また、前後で幅が違いますので、これも間違えないように注意します。幅が狭い方が前用、広い方が後用です。但し、エッチングシートには各々明記してあるので、ランナーを切り落とす際に混同しなければ、まず間違えないでしょう。
 まず、前用ドアーを側板に半田付けしますが、側板の前端部とドアーの前端部を合わせて、ドアーの上下で軽く半田を流します。位置が良ければ側板とドアーの間にフラックスを染み込ませて、側板の裏側の窓の部分から半田を染み込ませます。次に後のドアーを半田付けしますが、位置決めはドアー間のエッチング凸線とドアー後のエッチング凸線で規制されますので、垂直に気を付ければ難しくはないでしょう。前と同様に半田付け作業をします。
 この作業での注意点は、ドアーの裏側から半田を流す際に、窓枠の裏側に半田をボッテリと残さないようにする事。あとで窓ガラスを貼る時に苦労しますので、要注意です。
 次にコーナー部分前に縦雨樋を半田付けしますが、位置は側板上部の水平がカーブで立ち上がる部分から垂直に降ろす感じでセットします。後妻の中央部でエッチング凸線の下にトランクハッチを半田付けします。上下を間違えないようにして下さい。L字の模様がある方が上です。

 




2.後妻板の内側に上下止板を半田付けします。ネジ穴が切ってある方を、車体の裾とツライチにして、アングルの上の方から半田を流します。次に屋根板を車体と合わせて半田付けします。屋根板にはアングル状の突起があるので、作業はやり易いでしょう。なお、75号はバックライトを削り取ってしまいます。そして、前面を組み合わせて半田付けします。これも屋根板同様に突起があるので、簡単でしょう。ワイパーは短い方を1mm程カットして、屋根板の穴に差し込み半田付けをします。

 




3.箱状に組み上がったら、400番位のサンドペーパーの上で車体の裾を仕上げます。僅かに前面が出っ張っているはずですので、裾が均等に削れて光るようになったらOKです。さあ、これで上まわりの組み立てが完了しました。ライト類は塗装後まで無くさないように袋に入れておきましょう。

 


第2回
1.床板の組み立てです。まず2枚の床板を貼り合わせますが、凸型の穴どうしの向きを合わせて、両脇の切欠きの部分で合せて半田付けをします。四隅に穴のある床板には表裏がありますので、写真を良くみて(タイフォン取付用切欠きがポイント)向きを間違えないようにしましょう。そのあと台枠を半田付けしてからエンド部分に乗せるようにエンドビームを半田付けします。

 


2.タイフォンは座を切欠きに引っ掛けるように半田付けしてから半田付けしますが、半球状の部分が上を向くようにしましょう。マフラーは床板の穴に合せて半田付けして、配管は写真の位置でカットしておきます。ウエイトを床板に接着します。



3.前後左右のセンターにウエイトをゴム系で接着します。



第3回
1.塗装に掛かります。総てのパーツをMWC-53 MWプライマーで下塗りしてから、床板はMWC-02で黒く塗りますが、塗装後にタイフォンのラッパを1mmと1.4mmのドリルで揉んで、塗装を剥がすと良いでしょう。
 ボディーは全体に一色目を塗ります。74号はMWC-03 クリームで、75号はMWC-05 ライトグレーです。次に2色目を塗るためにマスキングをします。外観図を見ながらする訳ですが、ディカールの中心に塗り分け線がくるようにすると、比較的神経を使わなくて良いでしょう。74号75号共にMWC-11 ライトグリーンを塗ります。この時に窓の内側もマスキングするのを忘れないようにして下さい。

 


2.74号は屋根を朱色に塗りますが、MWC-15 レッドに僅かなMWC-05 ライトグレーを加えると良いでしょう。塗装が終わったらディカールを貼ります。ディカールは2種類あり、2本線のものが74号、1本線が75号用です。
 まず、外周ぎりぎりをカッターで切り抜き、小皿に入れた水に浸してフィルムを浮かせます。これをピンセットで軽く摘まんで、車体に載せていきます。
 この段階で出来るだけ車体との間に隙間が出来ないようにしておき、水分をティシューで吸い取ります。そののちに、ソルバセットなどの膜軟化液を染み込ませていきます。
 正面の丸い穴部分は、爪楊枝などの細いもので注意深く穴を開けます。

 


3.Hゴム窓にプラカラーで黒を差してから(プラカラーを使うのは、もしはみ出したら専用シンナーで修正できるため)、MWC-09 クリヤーに僅かなMWC-10 フラットベースを加えたものでオーバーコートしておきます。
 そしてMWC-17 ウェザリンググレーで軽くウェザリングをしたのちに、ライトリムとレンズを組み合わせておいたものを、車体にエポキシ系接着剤で止めます。
 これが乾いたら、前面右下と背面右下の小さなレンズにクリヤーレッドを、他のレンズにはクリヤーのプラカラーを差します。
 正面のガラス窓には別売のアクリル製を填め込んで、その他の窓にはプラ板を使ってガラスを入れます。

 




4.KATO製動力はまず、車体を両手の指で拡げるようにして取り去り、写真のような状態にします。
 次にコネクターを抜いてプリント基板を撤去して、赤く囲った部分と突起を押して動力を外します。

 


 


5.外した動力は写真のようにカッターで余分な部分を切り取り、リード線は根元から10mmでカットして4個あるラグ板のうち内側のラグ板に素早く半田付けしますが、中央の丸い部分よりも上に出ないように注意します。
 そのままではグレーの色が目立ちますので、プラカラーで黒く塗りますが、車輪とギヤーボックスの間に塗料が入らないように充分注意しましょう。また、車輪の外側も黒く塗っておくと良いでしょう。
 これを両面テープで床板に止め、下まわりとは1.4x2mmビスを使って止めて出来上がりです。

 






 


 




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