キット組立講座

木曽の加藤製47号機

第1回
2001年の鉄模連ショウ記念発売製品は、強烈な印象を放つこの47号機です。曲面を多用したボディーデザイン、前部にシフトした台枠の浮き出し文字、整備重量4.1tという超小型の車体。それらの魅力を最大限に模型化したのが今回の製品です。

写真をクリックして大きいサイズで御覧ください。

1.まず、上まわりから組み立てを始めます。ボンネットにラジエターグリルを天井合わせで半田付けし、仕切板を半田付けします。ボンネットに対してラジエターグリルが垂直になるように注意しましょう。そののちに排気管やテスリ、フィラーキャップや砂箱ハッチといった細かい部品を半田付けします。排気管は垂直になるように留意しましょう。


2.キャブ側板に前後の妻板を半田付けしますが、ロストワックスの妻板の平面が歪んでいないかをチェックしておきましょう。もしも歪んでいたら指で直してから作業します。箱に組んだら、雨樋を側板のエッチングを目印に半田付けします。雨樋は左右あり、その水平部分が後妻板と一体になった縦雨樋に乗るようになるので、間違えないようにしましょう。


3.ここでボンネットとキャブとを組み合わせます。ボンネットの点検ハッチの裾が、キャブよりも少し下に出ますが、その量が左右で均一になるように留意しましょう。キャブに対してボンネットが直角になるようにも留意しましょう。


4.ドアーは写真のように、折り曲げ部分を万力に挟んで曲げると良いでしょう。折り曲げたら四隅に軽く半田付けをしてから、ドアー全体の厚さが0.7mm程度になるようにヤスります。そしてハンドルを半田付けしたら、裏面をツライチに仕上げておきます。このドアーは側板にセットしますが、半田付けではなくエポキシ系接着剤で接着すると良いでしょう。前後方向は後妻板との合わせ目、上下方向はドアーの下面が後妻板の下面と合うようにします。


第2回
1.まず写真で示した赤く塗った部分をヤスリ取ってください。台枠の台枠には軸受を半田付けしますが、ロストワックス同士の半田付けには、そのままでは半田が流れにくいので、マッハのキサゲ刷毛で磨いておくと、半田はスッと流れるようになります。ステンレス用フラックスを使うと、なお良いでしょう。


2.台枠とエンドビームとを半田付けしますが、ここもやはり磨いておくと良いでしょう。垂直度には留意しましょう。歪みがないように箱状に組んだら、床板を落とし込んで半田付けします。


3.ここで出来上がっている上まわりと組み合わせてみたくなりますよね。ウーム感じが出てきました。半田付けもあと少しです。


4.ギヤーフレームの組み立てです。スペーサーを組み付けて箱状にします。くれぐれも歪みが無いように留意しましょう。そして前後の取付板を半田付けします。さあ、これで配線以外の半田付けは終わりです。エンジンの湯口は平らに仕上げておきましょう。


第3回
1.さあ、塗装にかかります。写真のように竹串をネジ穴などに刺して作業すると良いでしょう。上松運輸営林署機工課の現役時の塗装にする場合は、上まわりはマッハカラーの62番(京阪若草)に、台枠は59番(阪急マルーン)に塗ります。末期の上松運輸営林署塗装にする場合は、上まわりはマッハカラーの17番(スカ線クリーム)に、台枠は59番(阪急マルーン)に塗ります。赤系の塗料は下地が透け易いので、一旦62番や17番を全体に塗ってから59番を塗ると良いでしょう。他の部品は黒に塗ります。この竹串は発泡スチロール板に刺して作業すると、やり易いでしょう。


2.一色目を塗ってからキャブのドアー以外の部分をガイドにマスキングします。この程度の塗装ならば、筆塗りでも充分でしょう。但し、塗料を含ませた筆をあまり動かすと、下地を溶かしてしまうので、塗料を置くように塗っていきましょう。


3.細いストライプをマルーンに塗りますが、作例は別売の「木曽のDL用ディカール(\600)」を使いました。ラジエターをラジエターグリルの後部にはめ込み接着、排気管やHゴム部分を黒に塗っておきます。ボンネット裏にはウエイトを接着しておきましょう。エンジンは仕切板に接着しますが、その際に写真のように0.8mm線を下に置くと落ち着きが良いでしょう。そして若干艶を押さえたクリヤーラッカーでオーバーコートします。そうすると、塗り分け線も少し位はみ出た接着剤も目立たなくなります。


4.軽くウエザリングしてから、ライトリムとレンズを接着しますが、前後で大きさが違うので間違えないようにしましょう。前の方が小さいライトです。市販のプラ板などで窓ガラスを貼って、上まわりは完成です。カプラーはカプラーピンを台枠の下から差し込んで、エポキシ系接着剤で止めます。


5.集電シューとモーターのラグ板に半分にカットした配線コードを半田付けします。モーターは軸受部分にオイルを差して、電源を入れて空回しをしましょう。一定の高スピードで廻しておくと、段々と軽い音になっていくのが判ると思います。そうしたら慣らし運転は完了です。ウオームギヤーを瞬間接着剤で止めますが、モーターの軸受部分にオイルを差しておくと、接着剤がまわって動かなくなることはないでしょう。ギヤーフレームには2種類の中間ギヤーをギヤー軸とEリング(1個予備あり)で止めてから、床板にギヤーフレームを1.4x1.3mmビス(エンジン側)で、動輪押さえ板を1.4x2mmビス(小頭)で止めます。


6.ギヤーフレームを床板にモーター固定も兼ねた1.4x2mmビス(大頭)で止めます。集電シューは1.4x2mmビス(小頭)で2種類の絶縁リングを介しながら床板に止めますが、ギヤーフレームに接触しないように注意しましょう。集電シューが動輪に接触しているか、逆に強過ぎないかをチェックしておきます。モーターと中間ギヤーとの噛み合わせは、モーターを止めるビスで調節します。上まわりと下まわりとは床下ウエイトを通しながら1.4x4mmビスで止めますが、もしもキャブと床板との間が空いてしまうようでしたら、ラジエター後ろのネジ穴がある部分を少し上に曲げてみましょう。パワーパックの電源からのリード線を動輪に触れさせて、から回しをしてみます。暫らく続けていくと、ギヤーが馴染むでしょう。


7.さあ、出来上がりました。貴方のお好みはどちらの塗装ですか?