キット組立講座

助六の酒井製5tDLU

進化し続ける「助六の5tDL」の最新バージョンの組立講座を開設いたします。今回のバージョンでは、まず12ものバージョンをご用意したことが特徴で、豊富なバリエーションの中から選んで頂けるのが魅力のひとつです。さらに後期型のヘッドライトをステイ付のロストにしたり、ドアーを組立て易くするなどの改良や、二重屋根のバージョンを追加するなどで更に魅力を増しています。
  ここではその二重屋根のバージョンを作例の中心に選んで解説していきます。

写真をクリックして大きいサイズで御覧ください。

第1回
1.まず、ボンネットにラジエターを半田付けします。この時ボンネットを万力で軽く挟んで作業をすると、落ち着いて出来るでしょう。直角になるように留意して、しっかりと半田を流すようにしましょう。


2.前期型・86号機・90号機・91号機のラジエター左側には、増設板が付きます。写真のように後ろ側から半田を流して、前後ともにツライチに仕上げておきます。


3.ボンネットに細かい部品を半田付けしていきますが、各々の部品の足は短くカットしておきましょう。右の写真は組みあがった91号機(左)、後期型・116・129・132号機(右)のボンネットです。これでボンネットは出来上がりました。


第2回
1.キャブの組立てに入ります。まずは前妻板にヒサシを半田付けします。写真は左から60号機、前期型・86・90・91号機、116号機・遠山森林、後期型・118・129・131・132号機用です。


2.これにワイパーを半田付けして、後期タイプにはヘッドライト(今回はステイ付のロストにしました)を、更に後妻板には窓枠を半田付けします。裏側はツライチに仕上げておきましょう。あとで窓ガラスを貼る時に楽になります。


3.二重屋根の60・91号機は、屋根上に上屋根を半田付けします。小穴が揃うように留意して、裏側の角穴から半田を流すようにしましょう。


4.前後の妻板を側板に半田付けします。二重屋根の60・91号機には、屋根前部に飛び出し部分はありません。


5.今回の製品では「98・99号機」と同様に、雨樋をドアレールと一体化してアングル状にしましたので、半田付けが楽になったと思います。左右で違いますので、注意してください。そしてヘッドライトを半田付けします。


6.出来上がったキャブをボンネットと組み合わせます。ボンネットの後に出っ張った部分を、キャブ前妻板の角穴に差込み、ボンネットの裾部分が左右で均等に出るように留意しましょう。勿論キャブに対して、ボンネットが直角になっているかも重要です。



7.また、今回の製品では、ドアーの構造が変更されています。前回は上下左右を折り曲げて仕上げるようになっていましたが、今回は別に帯金を半田付けするようになっています。結局このほうが綺麗に仕上がるし、工作も簡単のようです。写真のように、まず上下部分を半田付けしてから、左右部分を半田付けします。テスリを半田付けして裏側をツライチに仕上げておき、出来上がったドアーはキャブの裾部分と窓の部分で素早く半田付けします。これで上まわりは出来上がりです。



8.組み上がった上まわりです。写真左から60・91・116・118号機です。なお、バックミラーのある号機やタイフォンのある号機は、イラストを参考になさってください。


第3回
1.下まわりはギヤーフレームから工作を始めます。まず写真左のように各々スペーサーを半田付けしてから、写真右のように前後の取付板を半田付けしますが、歪みのないように注意しましょう。動輪を2軸とも入れてみて、ガラスなどの平らな板の上に置き、チェックすると良いでしょう。


2.台枠には軸受を組み込んで半田付けします。半田を流す部分はキサゲなどで磨いておくと、良く半田が流れるでしょう。そののちにドアーレールも半田付けしておきます。


3.今度はエンドビームをL字型に組み合わせて半田付けします。接合面の直角には注意しましょう。60号機の台枠は左右ありますので、前後のエンドビーム(上に突起がある方が前用です)を半田付けする時には、間違わないように注意しましょう。そして、L字とL字とを組み合わせて箱型にします。ガラス板などの平らな板の上に台枠をひっくり返して乗せてみて、歪みがないかどうかをチェックしておきます。エアーホースもこの段階で半田付けしておきます。

4.床板を台枠に落とし込んで半田付けします。これで台枠の工作は完了です。


第4回
1.塗装に入る前に、エンジンの加工をします。コスト削減の為に、このエンジンは他の機種にも使えるように設計されているので、上の部分を若干削って頂く必要があります。写真のようにカムカバーの4つの突起と、エアークリーナーへ行く配管と排気管を斜めにヤスッて、仮にボンネットに入れてみて下さい。納まりが良かったら塗装に移ります。


2.上松運輸営林署塗装にする場合は、「スカ線クリーム」と「阪急マルーン」に、王滝営林署塗装にする場合は「京阪若草と近鉄ダークグリーン」に塗ります。ギヤーフレーム関連やラジエター保護枠・エンジンやコンプレッサーは黒塗装です。
  なお、91号機は「常磐線エメラルドグリーン」と「黒」に塗り(47号機も一時はこの塗装でした)、遠山森林は全体に「ライトブルー」を塗ります。
  例によって竹串に部品を刺したり、エンジンやドアーなどの小部品は、竹串に両面テープを巻きつけて、それに部品を貼り付けて塗装します。


3.まず一色目が塗り終わった上まわりです。118号機の屋根は黒ですので、一旦全体を黒く塗ってから、屋根をマスキングしてボディーの若草色に塗ります。


4.台枠を塗ったら、コンプレッサーを接着し(116号機と遠山森林には付きません)、カプラーはカプラーピンで止めて、台枠の下側でエポキシ系接着剤で押さえておきます。


5.車体の裾をマスキングして台枠と同じ色に塗ります。それからヘッドライトケース・排気管・ラジエター・ラジエター保護枠を黒く塗ります。但し、118号機のみラジエター保護枠は若草色です。


6.Hゴム窓にグレーを差して、オイルクーラーのある号機には、メタリックグレーに塗っておいたものを、ラジエターに接着しますが、ラジエター保護枠の取付足に干渉しないようにチェックしましょう。


第5回
1.エンジンは仕切板とボンネット裏側でエポキシ系接着剤で止めます。その際に写真のように、エンジン後部にΦ0.8線をはさむとエンジンが傾かなくて良いでしょう。


2.モーターの配線は、写真のように集電シューとの間を半分にカットしたコードで結びます。特に集電シュー部分は少しの半田で付けるように留意しましょう。


3.動輪やギヤーを組み込んだギヤーボックスを台枠に1.4x1.3mmビスで止めてから、モーターを1.4x2mmビス(大頭)で止めます。なお動輪押さえ板は1.4x2mmビス(小頭)で止めます。


4.集電シューを2種類の絶縁リングで挟みながら1.4x2mmビス(小頭)で止めます。配線はモーターに沿わせるようにしましょう。集電シューの前半分は、写真のように黒く塗っておきましょう。また、シューは動輪のRに沿うように曲げておくと良いでしょう。動輪に対する圧力は微妙ですので、何度も調整して快適に廻るようになるまでトライしてみましょう。


5.今回の製品にはディカールが入っていますので、それを水で転写して、クリヤーラッカーでオーバーコート、更に軽くウェザリングをします。但しストライプの無い118号機と遠山森林にはディカールは入っていません。ライトリムとライトレンズとを組み合わせたものを、ライトケースに接着して、窓ガラスを塩ビ板などで貼り込み出来上がりです。最後に床下ウエイトを挟みながら1.4x4mmビスで止めます。このビスの長さは微妙で、長過ぎればエンジンと干渉しますので、若干短めになっています。ネジ穴に届かない場合はウエイトの上面をヤスッて調整して下さい。

6.さあ、出来上がりました。左上60号機・右上91号機・左下116号機・右下118号機です。



第6回
加工例として写真のように、台枠に空気配管が露出したタイプに仕上げるのも良いでしょう。今回製造する号機でこのようなスタイルのものは、86号機が該当します。90・91号機は右側のみが確認できます。また前期型にも似合うでしょう。
  用意するのはΦ0.5真鍮線と割ピン4個です。台枠にΦ0.6のドリルで穴を開けて、曲げておいた真鍮線を足を短くカットした割ピンで止めていきます。因みに寸法は左側が前から(3+24+2+2)ミリ、右側が後から(3+14+2+2)ミリです。たったこれだけですが、効果的な工作ではないでしょうか。もちろん配管の入るボンネット側は、丸ヤスリで欠いておきます。
  塗装済完成品を御希望の方で、この追加工を御希望の方はお申し出ください。追金¥2000で(右側のみの場合は¥1000で)加工いたします。