もりこーの木曽路日記

番外録:運材の規格について



いざ、運材台車に原木を積もうと思っても、果たして何ミリにカットした物を載せたら良いのだろうか?と悩んだ事はありませんか?そこで、木曽林業大学校を卒業後、県内の森林組合に勤務しておられる「アルバムから」でお馴染みの山下さんに、その点を聞いてみました。きっと皆さんも参考になると思いますヨ。

まず、この長さには地域差があって、木曽と秋田では違いますし、高知や熊本とも違いますが、今回は木曽に限って話を進めていこうと思います。
 ヒノキ・サワラ・ネズコ・ヒバ・コウヤマキは木曽五木と呼ばれ、銘木の誉れも高いものです。これらは他の針葉樹とは別格扱いされ、5mにカットされて運ばれるのが一般的でした。5mといえばHOサイズですと57mmになります。実は当社の運材台車に付属しているドローバーの長さは、このサイズに適合するように作られています。
 但し、この規格外のサイズにカットされる場合もあり、2m・3m・4mなどというものもありました。2mや3mの場合にはA型ゴンドラで運ぶ場合もあったようですが、4mは原木の上に載せられて運ぶ写真もよく見掛けます。
 余談ですが、SL時代には短くカットされたものでも用途があったため、様々な方法で運び出されていたようですが、DL時代になると規格外の端材は捨てられて、一定の長さの物だけが運ばれるようになったそうです。
 その他の針葉樹の規格は、4m(46mm)にカットされるのが一般的でした。

さて、長さは判りましたが、いざ運材台車にはどれくらい積んだら良いのでしょうか?これにも積載体積を約5立方m以下にする事という規格があります。それでは、いったいどのようにしてこの数値をはじき出すのでしょうか。
 原木を切り出した時の、根元に近い方の切口を「元口」、反対側を「末口」と呼びますが、その末口の直径@を計って@x@x長さで体積を算出します。これを「末口二乗法」といいます。例えば末口の直径が0.5mで長さが5mのものがあったら、その体積は0.5x0.5x5=1.25立方mとカウントされます。つまり、この原木でしたら一対の運材台車に4本しか積めないことになります。

さあ、どうでしょうか?模型ですから自由な発想で、必ずしもこの通りにする必要はありませんが、知らないで運材風景を楽しむよりも、知っておいた方が、より深く模型を楽しむ事が出来るのではないでしょうか?どうぞ参考になさってください。
                  (実物写真は「巻本さんのアルバムから」より)