もりこーの木曽路日記

平成21年4月29日

「沼田の林業機械化センターに行く」の巻-1


気づいてみれば、この「木曽路日記」も前回が平成17年7月9日ですから何と約4年ぶり!全面的に設計しなおすホイットコムの採寸に出掛けてきました。
 つい数日前には磐梯山の麓に行っていたのですから、まさに東奔西走状態(^^ゞ。ETC割引が拡大されてからは、休日も休むことができなくなってきています・・・。



 

ウチから沼田に行くには長野道〜上信越道〜関越道というのが一般的なコースで、カーナビに目的地を入力してみたら約240km、3時間半の行程でした。
 碓氷峠のトンネルをいくつも潜って妙義山が見えてきたら上州です。横川SAでひと休み。

 

ここは最近リニューアルして開放的な雰囲気になりました。中に入るとキハ57のカットモデルがあって、車内で釜めしが食べられるようになっています(^O^)。

 

沼田ICで高速を降りて約40分。山の奥にここ「林野庁林業機械化センター」があります。残念ながら休日は見学できないのですが(但し、今回ご紹介する車両たちは野外展示なので見ることは出来ます)、モノレールなど面白そうなものもありますね。

 

見学棟の前には車両が展示されています。いよいよお目当てのホイットコムです!
 ここには以前一度来たことがあるのですが、まさかこのような車両を模型化するなど考えてもいなかったので、基本的な寸法をさらっと寸法を測っただけでしたが、今回はモーターもより小型なものを使ってスケールに近づけることが可能になったので、改めて採寸のし直しです。
 以前は真っ黒だったのですが、どうやら最近になって塗り替えられたようですね。
 タイトル写真を見て頂ければお判りですが、協三10tDLと比べるとまさに親子のよう。このホイットコムは4tですから2.5分の1と云えばそれまでですが、スケールが違うんじゃないの?と言いたくなってしまうような小ささです。

 

この7号機はラジエターが国産の山田機械製に振り替えられていて、おまけにボンネット両脇には助六の酒井製5tDLなどのように斜めのカバーが着けられています。
 しかし面白いのは、このボンネットカバーは垂直な部分のみが前にスライドするようになっていて(普通は垂直部分と傾斜部分、その下の垂直部分が一体で外れるのですが)、そこからエンジンの点検などをするようになっています。

 

ラジエターが振り替えられているので、保護枠も76号機のようなスタイルのものが装着されています。ラジエターの両脇に見えているのが側台枠の厚みです。

 

キャブの前妻面はオリジナルのホイットコムらしさをよく保っています。ヘッドライトの取付方向が味っぽいですね(^^♪。砂箱蓋は標準的なスタイルです。

 

山田機械のマークが入ったラジエターグリル。キャップも特徴あるスタイルをしています。

 

キャブ後妻面に目を移すと3枚の引き戸があります。オリジナルではこの部分は何もない開放キャブだったのですが、この7号機に限らずこのように改造されたものが多かったようです。ちょうど引き戸の外側の枠全体が追加された形になります。
 実際に引き戸をスライドさせてみたのですが、戸ぐるまも無いので水平にスライドしてくれず、開閉はえらく大変でした。

 

エンドビームを見ていきます。最初に輸入された3tと比べても同じ造りということが判ります。

  

次に側台枠を見ていきましょう。最初は左側です。3tと比べると軽量化が図られていないというか、3tですと必要最小限のリムが剥き出しだったものが、この4tになると平板なスタイルになっています。一番前の部分には軸箱守の補強板が追加されています。

  

次は右側です。基本的には左側の対象形ですが、台枠のセンターに丸い穴がこちら側にはあります。

 

キャブ内を見てみましょう。比較的広い空間で、小さな機関車ながらゆったりとした気持ちになります。運転席は右側、助手席の椅子は折り畳み式です。

 

ホイットコム(Whitcomb)はアメリカ・イリノイ州にあったメーカーで、この銘板にもあるように形式はMO、製造番号は12234です。西 裕之氏著の「木曽谷の森林鉄道」によると、大正15年購入、昭和38年5月廃車と記されています。