第5回軽便鉄道模型祭


今年で5回目となるお祭り。一時は隔年開催で、という声が主催者側から上がりましたが、昨年それを翻して開催したため、もう「恒例の」という冠詞で修飾されるイベントに育ちました。
 ファンの皆さん方も、この軽便祭を迎えないと秋が深まった感じがしない(或るお客様の弁)、とまで言わせしめるような楽しいお祭り。
 今年もエアコンの効きが弱まるような熱気の中で開催されました。



開場前の風景から

 

会場はお馴染みの目黒さつき会館。そこを一歩出ればひっきりなしに通過する山手線のジョイント音が耳を塞ぐような立地条件。まあ、鉄道のイベントに相応しいとでも云えるのでしょうか?
 お揃いの赤いポロシャツが決まってる軽便モジュール倶楽部の公開運転会場。数次に亘る沼尻への遠征運転会の経験を積んで、設営や運転など手慣れたものです。

 

こちらは木曽モジュール倶楽部の部屋。超が付くほどに慣れたもので、どうしたら皆さんに喜んで貰えるか、までを考えてのモジュール選択から始まり、しかも毎年新作を追加して飽きさせない工夫を凝らしている様はベテランならではです。
 面白いところではNナローのブースもありました。チッチャイですねえ!Nナローって!建物などはモロに豊富なNゲージ用が使えるのも利点のひとつでしょう。



参加メーカーの中から

 

 

今回も多数のメーカーさんが出店されていましたが、その中からもりこー的に気になったブースから御紹介しましょう。
 まずは昭和30年代あたり雰囲気をレーザーカットを駆使したストラクチャーで表現している「クラシックストーリー」さん。
 今回は新作のバス車庫・煎餅屋・給水塔・連絡小屋などを展示販売していました。表舞台に登場したのはここ数年前からですが、長年この手の製品を手掛けてきただけに、そつのないまとめ方で、ファンの心臓をグッと掴んで離しません(^^♪。

 

こちらは機関銃のような製品展開をされている「ワールド工芸」さん。同じようなストラクチャーでも、先の「クラシックストーリー」さんとは対極的な作り方の違いで個性が出ていますネ。
 また「特別企画品」と称して、在庫品を1割引きで販売していました(^O^)。ボクなんかは田舎に引っ越して世情に疎くなってしまいましたが、知らないうちに色々と出てるんですね!
 若いスタッフの方とお話をしたのですが、彼はウチのファンで製品を買って下さっていたのにはビックリ(^O^)。製品の指向は違うものの大変参考にさせて貰っています、というお言葉にもビックリしちゃいました(^^ゞ。




そして11時の開場。早い方は9時ごろからお見えになって、この時間をお待ちでした!あれ?時計が狂ってる・・・。



軽便モジュールクラブ

 

くるまやさんの新作。実はこの春の沼尻遠征の前には出来上がっていたのですが、都合で参加できず初お目見えになりました。「汽車に注意」と書かれた石碑(?)がイイ感じですね!
 軽便モジュール倶楽部の楽しいところは、「軽便鉄道」という大きな枠で括ってあるだけなので、沼尻での運転会のような場合を除いて、会員の自由なモジュール展開をしているところ。ですから、頚城の車両が来たと思えば、北海道の簡易軌道ものが続行で走って来たりします(^^♪。

 

このモジュールはそんな簡易軌道モノ。作者の矢島さんらしい駅名票にニヤリとされた方も多いのでは?え?写真が小さくて読めないって?ここの駅名は「小寒別(ふりがなで「こかんべつ」)」。両隣りの駅名は「くさらない」と「おまんべつ」と書いてありました(@_@;)。



木曽モジュールクラブ


今回は去年来場された方から御要望が多かったという「二線級」を充実させてモジュールを選んだそうです。そして、二線級の代表格であるウグイ川線に欠かすことの出来ない「助六製品事業所」や「八丁暗」といったハイライトシーンを追加して今回に臨みました。
 8tボギーDLが力にモノを云わせて長編成を牽く姿はカッコイイですね!

 

 

「U太」さんの新作「助六製品事業所」。ウン十年前、高校生の頃から林鉄のレイアウトを雑誌に発表してきただけに手慣れたものです。とはいえ、何棟もストラクチャーを作らなければならず、しかもあの入り組んだ線路配置を模型的にまとめなければならないので、結構苦労されたのではないでしょうか?
 何とこの岩崎製小型モーターカーには動力が組み込まれていて(もちろんDCC運転用のデコーダーも)、結構スムースに走っていました!


ウチの「助六の2線機関庫」もまさにドンピシャの場を得て満足気です!

 

一方こちらは「杣人」さんの新作。この方は崖っぷちがお好きですねえ(^O^)。好きこそモノの上手なれで、それがなかなかカッコイイ!御本人にそれを言ったら照れておられましたが、自信作だけに満更でもなかったような感じでした(^^ゞ。

 

左は「軽便」のメンバーでもある「くるまや」さんの新作。彼らしいストーリー性のあるほんわかモジュールは和ませてくれます。上へ上へという意味ではない立体的な地面構成がベテランの味を出していますネ(^O^)。
 お馴染みWオメガループを登る協三138号機。今回の運転会が138号機のリリース直後だったからか、数多くの138号機が活躍していました。



個人参加の作品から

 

これはこのお祭りの立役者「畑中シェフ」のOナロー。彼ともじっくり話し込んでしまったのですが、最初は大きなスケールだと目が楽だろうと思ったのは間違いで、HOナローの比ではない細かさで作り込まなければトイチックになってしまうこと。それを痛感したそうです。例えば1本の樹木を作るにも、HOナローだったらアスパラなどをモワッと茂らせれば良かったのに、Oナローになったら葉っぱの1枚1枚まで作り込みたくなってしまう。そんな大変さだそうです。
 この持論はボクも同感で、ただ絵の描いた風船を膨らませれば良い、というものではなく、また別な例えをするならば、縮尺の大きな地図を拡大コピーすれば良いわけではなく、大きな地図だったら住んでるマンションの名前まで表示出来る(しなけりゃ意味のない)ことに似てると思う訳です。
 あくまでも今回のパイクはその試作的な要素が強いそうですが、今後はどのように展開されるのか楽しみです!

 

TMSのレイアウトコンペで受賞された新井さんのレイアウトも展示されていました。ライティングの変化によって昼と夕方の色合いが変わったり、宙にカラスなどが飛んでいたり、いや〜、実に楽しませて貰いました(^^♪。

 

ウチのHPにもときどき投稿して下さる安達さんのレイアウト。何とウチの沼尻サハが「ダルマさん」になっていました(^^ゞ。
 右も同様な長浦さんの機関車たち。今回のために福岡県から飛んで来られました!彼独特の持ち味全開っていう感じのセンスがイイですねえ!




ということで恒例の記念撮影。モデラーの皆さんもメーカーの方々も一緒の写真に納まる。或る意味凄いことですよね!まさにホビーモデルの理想郷とも云える光景ではないでしょうか。
 7時の閉場ののちに片付けて会場を後にしたのは7時半。穂高に着いたのは日付ももうすぐ変わろうとする、そんな時間でした。



動画:Wオメガループを登る運材列車

動画:助六谷の3列車

動画:協三製10tDLが牽くみやま号