山形交通高畠線高畠駅


山形の私鉄で最大勢力を誇ったのが山形交通で、昭和40年代までは高畠(たかはた)線・尾花沢(おばなざわ)線・三山(さんざん)線の3路線を有していました。
 高畠線は元は高畠鉄道といい1922(大正11)年2月に糠ノ目〜高畠間で開業し、1924(大正13)年に二井宿駅まで全通。1929(昭和4)年に電化され、1943(昭和18)年10月に尾花沢鉄道、三山電気鉄道と合併し山形交通の高畠線となりましたが、1974(昭和49)年に廃止が決定。同年11月、地元住民に惜しまれつつ「さよなら高畠線」が運行されました。
 この高畠駅舎は地元で産出される高畠石で組まれた重厚な建物で、国の登録有形文化財に指定されており、その脇に保存されている車両たちもそれ相応になかなか奇麗な状態を保っています。




 

構内は綺麗に整備された公園になっており、変電所の建物なども保存されています。
ここに保存されている車両はモハ1、ED1、ワム201の3両です。


 

モハ1は1929年の電化により導入された日車製で、当初はデハニでしたが1959年に荷物室は撤去されました。前後非対称の窓配置にその名残があります。

 

 

ED1は1929年の電化にあたり川崎重工で製造されました。ヘッドライトのレンズが欠落している以外は良好な状態を保っています。
 ワム201は2段リンクの軸受という立派なもので、沿線から産出されるお米などを運搬していたのでしょうか。


高畠駅の次に立ち寄ったのは西川町の月山酒造資料館に保存されている山形交通三山線モハ103でしたが、生憎なことに補修中の看板が出ていました。
 どうやら三山電車保存会モハ103修復プロジェクトなるものが立ち上がり、本格的に補修をするようで、喜ばしい限りです。