「鉄道記念館のホワフ1」の巻


ホハ1の取材を終えたので、次はホワフ1です。
 機関車や気動車、客車というのは保存し甲斐があるというか、見た目が良いので生存率は高いのですが、貨車の保存車両というのは実に少なく、そういう意味でも貴重な存在です。
 ホワフというのはその名の如く車掌室付きボギー式有蓋貨車ですが、井笠鉄道には数多くのホワフが存在していて、いかに重用されていたかが推察されます。因みに同鉄道には2軸の貨車は存在しませんでした。




 

木造貨車の魅力は何と云ってもメリハリのある凹凸感でしょう。太い柱が露出した外板。その間に見える横目の板張り。この板張りの幅も測ってみると、側板や妻板、ドアーの部分で微妙に違うことに気付きます。

 

 

その木造有蓋貨車のキモとも云えるのがドアー周りの造作。大きく張り出した上部のカバー、そして下部の滑車やドアーレール。
 こうやって左右の上部カバーを見てみると、ドアーストッパー(というかカバーの支え板)の大きさは結構違うものです。まあ、イイ加減ということなのでしょうが・・・(^^♪。


 

車掌室まわりを見てみましょう。ここの窓下の板目は縦目です(側面ドアーは窓上も)。そして忘れてならないのが、側面ドアーの隣のエンド側の部分。この部分はドアーと同じ高さ(つまり柱と同じ高さ)になっていて、側面の木目の部分とは高さ(というか車体幅)が違うということです。

 

台車は客車用のは違うタイプで、緩やかながらも山型で平軸受、コイルバネも段違いにはなっていません。
 キングポストも鋳鋼製のガッシリしたタイプですが、客車用とはスタイルが異なっています。


 

車輛の脇には転轍器や標識(上の部分は欠如していますが)、「汽笛」や「ふみきりちゅうい」などの標識も保存されています。



 

館長さんに長居のお詫びと今日の成果のお礼を申し上げて、ここを後にしたのは12時過ぎ。次なる経ケ丸のキャンプ場を目指したのですが、途中「北川駅跡」を通るので、クルマを止めて少し歩いてみました。
 館長さんも仰っていた通り、それを物語るものは何も残されていませんでしたが、やはり「現地」に立つと空気が違うというか、そのもののオーラを感じることが出来ます。