Chapter.22「大団円」の巻



写真をクリックして大きいサイズで御覧ください。


 長かった水との戦いもいよいよ終わりです。デブコンの水面は鏡面のように平らですので、沼ならいざしらず、流れている川にはあまりにも不自然。だもんで水面にはリキテックスのグロスポリマーメディウムを筆で「適当に」塗りつけていきました。この適当さ加減が難しくって、筆の軌跡が一定にならないように円弧を描いてみたり、サーッと流してみたり、実際の情景を思い浮かべながら作業をしました。
 そして、このモジュールで一番やりたかったこと、釣り人がウグイを釣り上げる情景を再現。或る日、机に向かっていた僕がやおら「SEIYUに行ってくる」とクルマのキーを掴むと、女房が何を買いに行くの?ってんで「シラス干し」。流石に模型屋の女房ですネ。すかさず「あの川に使うの?」だとさ。そうです。シラス干しをウグイに見立てようという魂胆。でSEIYUの食品売り場に行って、改めてシラス干しを見ると、意外と大きいんですね、あれって。とりあえず、1パック買って来て小さめで姿のイイものをピンセットで摘み出して乾燥。ものの2時間も放置しておくと、水分が飛んで小さくなり、カリカリに乾燥してしまいます。これをカッターで更に小さくして銀塗装。背の部分にはクリヤーブルーとクリヤーグリーンを塗って出来上がり。
 グロメディが半乾きの時にウッドランドのウォーターエフェクトを爪楊枝でチョイと盛り上げて、そこにシラス干し改めウグイを立たせました。更に、これが乾いたところで、ジンクホワイトで色付け。人形はKMCの車載人形を釣り人に見立て、ギャラリーは集材人形(倶楽部内では鳥羽一郎と呼ばれていますが)を使いました。
 川の最後の最後にクレポリメイトで水面の艶出しをして出来上がりです。

 さて、ここで規格に則って、脚を装着します。KMCの規格ではレールの乗るベニヤ面の高さが200〜210mmの間で調節できるように、となっていますので、アジャスト出来るものを履かせました。そしてこれも規格の外周色の緑塗装です。運転手から見える背面には、プラ板にマスキングして塗った配線図を貼り付けて、表側にはKMCのプレートをビス止め。最後の最後にキャッチコピーを入れちゃいました。


何せレイアウトというものは、オギャアと生まれた赤ん坊が成人式に出る位の間作っていなかったもので、隔世の感がありました。新しい素材が色々と出ていて(特に水の表現や紙粘土など)、会員の皆さんの協力なしにはここまで来れなかったでしょう。同じ趣味を持つ仲間ってイイもんですネ。木曽モジュール倶楽部では、今でも会員を募集していますので、貴方も参加されては如何でしょうか?