Chapter.19「水を流す Part-2」の巻



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 さて、いよいよ水を流し込んでいきます。今回使用したのはウッドランド・シーニックの「リアリスティック・ウォーター」です。これは透明感は良いのですが、乾燥すると収縮が激しく、倶楽部の会員でも手こずっっている方もいる材料。収縮して水位が落ちてしまうと、つい重ね塗りしたくなるのが人情ですが、そうすると白濁してしまう、という報告も届いています。ウーム、怖いなあ。エーイ、ままよ。とある晩流し込んでみたのが上の写真2枚です。やっべ〜。濁っちまった〜〜。早速、倶楽部会員専用の掲示板に写真をUPして御意見伺いです。この素材は厚みを3ミリまでにせよと説明書に書いてあったのに、厚くしちゃったからじゃないっすかあ?とか、こういう場合には潔く剥がしちゃって、エポキシ接着剤を流し込んだ方がイイのに。とか、色んなご意見が書き込まれました。でも暫く様子を見守ってみることに。流し込んでから丸三日経ったのがタイトルのカットです。この頃には完全に乾燥(とはいっても、この素材はコチコチにはならない)して、無事白濁も消え去りました。でもナンカ色が変。あのエメラルドグリーンがエメラルドブルーになっちゃってるンですねエ。

 とにかく「お水の世界」は生まれて初めての経験なので、倶楽部のメンバーに一問一答を繰り返しながら進めていきましたが、こういう時には仲間の有難さを痛感しました。まず、川底に色を塗っていきます。深い部分は濃い目に塗ります。ウグイ川の水の色というのは実物の写真を見てもお判りのように、まさにバスクリンのような嘘っぽい色をしています。この感じをどこまで表現できるか?がポイントになります。
 次に滝になって渕に落ち込む所を作りますが、今回は水しぶきの表現に「鑑賞魚用フィルター」を使ってみました。でも「過ぎたるは及ばざるが如し」。すこしやり過ぎてしまったようで、撮影のあとで少しむしり取って調整しました。  乾燥してみると収縮したせいか、川底の起伏に沿って川面がうねった感じに。水位も下がってしまったので、ここで改めてエポキシ接着剤を流してみることにしました。ところが、ここで思わぬ事態に!!

 「セメダイン」の60分硬化タイプを流し込んだんですが、いつまで経ってもクリーム色の泡が消えないんです。左が流し込んだ直後。2枚目が28時間後です。殆ど変わっていません。この間、倶楽部のメンバーに掲示板で色々聞いてみたんですが、みな「大丈夫、大丈夫。チャンと消えますから」と。きっと僕の不安を取り除いてやろうと、心配してくれているんでしょうが、実際消えないんです。風呂に入っていた時にふと思いついたのが、「そうだ!ゴミ箱に捨てた、あの攪拌する時に使った紙コップに付いているエポキシはどんなだろう?」と閃き、あたふたと出て調べてみると、案の定全く同じ感じじゃあないですか。こりゃダメだ!!
 流石の僕もここで意を決しました。明日剥がそう!と。右の2枚がその状態です。エポキシを剥がすと、下地のリアリスティック・ウォーターも剥がれてしまい、ついでにバークも剥がれてしまいました。つまり一週間時計が逆戻りしたことになります。ヤッベ〜!!珊瑚祭まであと10日しかない!!剥がした川の一部は「急いては事を仕損じる」という戒めのために静態保存することにしました。あ〜〜!!
 あとで判ったことですが、エポキシに混ぜたインクが水性だったことがいけなかったようで、油性を使っていればと悔やんでも後の祭り。めげている時間はありません。