特別編 「川を観る」の巻


川のあるモジュールを製作していて、それまでは何となく判っていたような気になっていたのに、実は何にも判っていなかったのが「水の表情」です。そこで思い切って休日に、水の表情を観察しに行ってきました。
 「思い切って」とは言ってもウチのすぐそばの烏川。北アルプスは常念岳に源流を発するこの川はウチの近くでは、そこそこの川幅ですが、クルマで15分も走れば須砂渡渓谷(すさどけいこく)という急流になっています。
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 まず今回の出発点は、広域農道穂高大橋です。ここは普段ですと歩いて渡ろうとすると膝くらいの水量ですが、水の勢いが強い、そんな所です。ご覧のように川幅はそこそこあります。川床は微妙に起伏があって、そこが中洲になったりしています。清流ですが、水の色は決して「水色」ではありませんね。強いて言えば「石色」です。


 穂高大橋から少し上流に行った所には、人工的な段差があります。その下にはテトラポットが散りばめられています。水しぶきが目に痛いほど白く光っていました。水量の少ない部分は白く光っていません。


 その少し上流です。大橋あたりよりも川幅が狭くなっています。川っぷちの樹木が覆いかぶさるように茂っています。川底の石を忠実になぞるように川面も起伏に富んでいるのが判ります。


 更に上流、烏川橋からの眺めです。もうこの段階になると、水泡で川面は殆ど白く埋め尽くされています。大きな流木も引っかかっていますネ。ここいら辺から須砂渡渓谷と呼ばれるようになります。


 またまた上流へ。川の石も大きなものになってきました。当たり前のことですが、下流に行くに従って、石も小さなものになっていくのを再確認しました。


 先ほどの地点と同じ場所で、石を乗り越えた水がどういう形になっているか、を見てみます。その時の水量にもよるのでしょうが、石を乗り越えてヒサシのような流れの下に、空洞が出来ているようなケースもありました。石は濡れたところと、そうでない所とで色が違っています。


 もう少し上流にも人工的な段差がありました。今度は「滝」の内側に緑色のものが見えますネ。水草でしょうか。水量が多いからでしょうか、「滝」にはRが付いています。きっと水量が少ないと直角に流れも落ちるのでしょう。ここから更に上流を望遠すると、川べりは巨岩や崖になっていました。

1時間半ほどの行程でしたが、改めて水の流れを見ると、つくづく興味深いものを感じるとともに、その再現の難しさを痛感しました。滝の落ち方ひとつとっても、水量の多さ少なさを再現できますし、苔の付き方でもその流れの速さの違いが表現できそうです。
 このレポートがモデラーの皆さんに少しでも参考になれば幸いですが、うーむ、僕はますます迷宮にはまってしまいそうです。