平田さんからのお便り

静岡鉄道駿遠線「太田浜駅」のこと


私は子供の頃(昭和33年から昭和40年)、駿遠線根松駅の近くに住んでいました。構内に留置された客車の中でかくれんぼをしたり、線路を自転車で走ったりと、楽しい思い出がいっぱいあります。これが鉄道模型、特に軽便、ナローゲージに興味を持った原点です。昭和42年12月29日、遠州のからっ風が吹く冬の一日、翌年廃止予定となっていた大井川〜堀野新田を訪ねました。
 「太田浜駅」は駿遠線が駿河湾に一番近づいたところにあり、目の前が海岸の砂浜でした。このモジュールは私の撮影した写真と高井薫平氏の「軽便追想」に紹介されている太田浜駅付近の情景を参考にしました。地面の砂は実際に榛原町の静波海岸から拾ってきた砂を水にさらしてから使用しました。砂防用の「そだ」はブラシの繊維と竹でできています。地面、人形、松の木、干し芋、ダイコンなどはクラフト粘土を使用しています。とくに拘った待合室の時刻表は手書きしたものを縮小コピーしました。真冬と言えども、暖かな遠州の雰囲気を感じていただけたら幸いです。