平田さんからのお便りスペシャル

「春の助六谷」製作編


それでは、このモジュールの製作者・平田邦彦さんに、ご自身で撮られた製作途中の写真を使って、解説をして頂きましょう。ジオラマ製作やこれからモジュール製作に取り組もう、と考えている方に、きっと参考になる点があると思いますヨ。

写真をクリックして大きいサイズで御覧ください。



木曾モジュール倶楽部の「くるまや」こと平田です。モジュールの2作目に「助六谷」を選びました。
「渓流作りに挑戦する」「春の風景を表現する」「5月の王滝村での運転会に持って行く」を製作目標にしました。


   

西 裕之氏の「木曽谷の森林鉄道」の助六谷の写真から木橋の寸法を割り出し、あまり細かいことには拘らず、バランスとモジュールへの収まりを考えて広告の裏紙に図面を描きました。山で拾ってきた小枝と精度を要する部分には丸棒を組み合わせて、木工用ボンドで組み立てます。


   

ひとつのモジュールの中に2種類の木橋を取り込むために、南北に流れるウグイ川と右岸にそそぐ谷川を計画しました。手前を高くすることによって、対岸の山から助六線を見下ろすことになります。ウグイ川も斜めに配置して正面からは見通すことができません。「望む」「覗く」ことによって様々な風景が楽しめます。
 モジュール基盤を鋸で切り抜き底板を下げてから、発泡スチロールを重ね、カッターナイフで削って大まかな土地を形成してその上にプラスタークロスを貼り付けます。


     

岩肌はコルクブロックを使用しました。木橋を設置してから1mm角材の枕木を接着します。ピコのナロー用レールは枕木を間引き、使用する枕木も両端を細く削り角材に似せて木橋に接着しました。着色は茶系と黒のエナメル塗料を溶剤X-20で薄め、何度も筆塗りを繰り返しました。プラスターの上にはカトーのアンダーコートアースを塗りました。


   

下草は「縄」を切り刻み、揉み解してX-20+黒で染め、モジュール全面に木工用ボンドで貼り付けました。


 

樹木も本物の草や枝を幹にして、ボンドやスプレー糊で各種ジオラマ素材を接着しました。


     

倶楽部の修羅さんや酒歩さんの記事を参考にして、今回初めて「川」に挑戦しました。
 アクリル塗料で水の表現をしてから川底に庭で拾った小石を接着します。そしてデブコンETを2回に分けて流しこみました。ここで失敗したことは、最初に防水処理をしていなかったため、デブコンETが固まる前に基盤の隙間から漏れてしまいました。次回は川底に食品トレイなどを貼り防水対策をしようと思います。


 

川面の表現は、流れが静かな部分は透明感を大切にし、水流は固まる前にハブラシで表面を叩いたり、ジェルメディウムとレジンサンドを筆塗りしました。写真は乾燥前のものです。


   

私は飛騨高山に暮らしていますので、春の山々の情景を写真に撮ってきて参考にしました。モジュールの中の白い花は「こぶし」のつもりです。また木々の緑はまだ薄緑色ですし、柔らかな感じがします。

まとめ

木曾モジュール倶楽部の活動も2年目に入りました。会員の皆さんと掲示板やOFF会を通じて情報交換や良い刺激をいただきました。最近はモジュールの製作材料も入手しやすくなりましたし、身の回りの物をいかに利用するかを考えることも楽しいです。600×300のモジュールサイズは手頃の大きさで、部屋の片隅で気軽に作業が進められます。
 皆さんも是非「自分の木曾森林鉄道」を作って、一緒につなげて遊びましょう!