「水を流す」の巻


さて、一発勝負なので不安でもあり楽しくもある水の工作です。先に川を見に行ってある程度の感触を掴んでいるので、その再現をどこまで出来るか?が勝負どころなのですが、こればかりはやってみないと判りません。

写真をクリックして大きいサイズで御覧ください(ETの写真を除く)。



 

水を流す前に堰の下の工作から始めます。この部分は堰で落ちてきた水が、まさしく水しぶきを上げて泡アワになっている情景を再現したかったので、前作と同じように鑑賞魚用のフィルターを使って表現しています。このフィルターは綿ような感じですから、薄く小さく千切って、木工ボンドで接着していきます。



 

これが水の素材です。「黒渕ジャンクション」で味をしめてから、透明度抜群なこのETの虜になってしまいました。ただ、1kgで¥9500という値段はチョット痛いですが、今のところ一番のお気に入りです。緑の油性インクを数滴加えてよくかき混ぜ流し込みます。コップに小分けしていったのですが、結局のところ全部流し込んでしまいました。あ〜¥9500が〜!右の写真は流し終えたところです。水面はまさに鏡面。これじゃあ湖ですね。



 

さっきフィルターを接着した部分にもETを流し込んで、爪楊枝の先で馴染ませていきます。ジュクジュクの状態にすると、泡だった感じになります。堰の上部にも薄〜く千切ったフィルターを浸して感じを出してみました。



 

堰の上流部分にも同様に千切ったフィルターを浸していきます。何せETの硬化時間は約36時間。寒天状になって加工がしにくくなるまででも12時間はありますから、焦ることはありません。小さな写真で判りにくいかも知れませんが、左が鏡面状態でフィルターを置いただけのところ、右がヒタヒタにフィルターを浸して、ザワザワした流れを表現してみたところです。勿論、流木なんかで流れが堰き止められた部分は鏡面のままです。
 そして出来上がったのがタイトルの写真。車輛を置いて記念撮影をしてしまいました。



 


 

さらに仕上げとして、リキテックスのグロスポリマー・メディウムを、「ザワザワ」の表面にドライブラシのようにしながら塗っていき、さらにプラカラーの白を波立った部分にドライブラシします。これで流れる水の感じが出来ました。興に乗って、堰の下の泡だった部分にもグロスポリマーを強めに塗って、飛び散る水滴を表現してみました。しかし、これらの作業は控え目が一番ですネ。過ぎたるは及ばざるが如しと云いますから。さあ、いよいよ濁川線のモジュールも終わりが見えてきました。次は最終回です。