キット組立講座

仙北のDC102



「前後非対称のロッド式DLというのはなかなか味わいのあるもので」とDC103の時に書きましたが、このDC102は更にひと味もふた味も加わった最高にCOOLな機関車です。
 蒸気機関車を次々とDL化した協三工業製ですが、この機関車はSL時代の姿を彷彿させる床板のライン、しかも燃料タンク側のボンネットは丸みを帯びたデザインで堪らない魅力を放っています。
 そんな魅力あふれる「仙北のDC102」の楽しさを、この組立講座から感じ取って頂ければ幸いです。



第1回
1.最初にキャブから組み立てます。妻板にドアーを上合わせで半田付けしたら写真の右のように下の出っ張りを削り取り、上部の切り欠きを内側に少しヤスリます。この際、ドアーの上部に半田を流しておかないとダメですので注意して下さい。
 屋根板を充ててみて上手く嵌るかどうかを確認しておきます。

 


2.側板には窓枠を半田付けしますが、窓の凹んでいる方が左右ともドアー側です。
 ここで妻板と側板とを箱状に組みますが、妻板の板厚が見える方向で組みます。また、妻板にワイパー用の穴が無い方がドアー側になります。

 


3.屋根にはハッチを半田付けしますが、ハッチの裏側を半田メッキしておき、上からコテで暖めるようにすると良いでしょう。
 塗装済完成品の場合は、基本的にはハッチは閉じた状態で仕上げますが、御希望によっては作例のように開いた状態でもお受け致します。その場合は早急に御連絡下さい。
 これを箱状のキャブに被せて、側板窓の上辺りで半田付けします。ハッチのヒンジはドアー側です。
 その後に細かい部品を半田付けしていきますが、ヘッドライトケースを半田付けする際にキャブの妻面と屋根とも付けておきましょう。縦雨樋の裾は半田付けしたら少し斜めに広げておきます。

 


4.ボンネットの組み立てです。エンジン側はボンネットにラジエターケースを半田付けしてからハッチ、テスリ、ハンドルの順に半田付けしていき、裾を一応ヤスリで平らに均しておきます。
 燃料タンク側は上板と側板を半田付けしてからハッチを半田付けします。
 これらをキャブと組み合わせますが、燃料タンク側の写真で赤く塗った部分がキャブの裾よりも1.5mm下に出るように組み合わせ、その部分をヤスリで削ります。

 


第2回
1.下まわりは床板の貼り合わせからです。エンドビームを半田付け出来るように、下床板の斜めの角度を上床板と同じようにしておき、貼り合わせた時に穴の位置はどうなるかを見極めましょう。
 小さい方の床板中央部は僅かにプレスの跡が残っていますので、平らにヤスって仕上げておきます(写真では向かって左半分だけを仕上げた状態です)。

 


2.大小の床板を組み合わせて半田付けしてからエンドビームを半田付けします。
 大きい方の床板の赤く塗った部分はヤスリ取っておきます。

 


3.砂箱、ステップ、エアータンク、タイフォン、ブレーキテコ、エンドビームのステップの順に細かい部品を半田付けしていきます。
 上面には砂箱蓋(ヒンジが内側)、テールライトケース、掴み棒の順に半田付けしていきます。
 この段階で大小ウェイトをタッピングビスでネジ止めしておきます。

 




4.ギヤーフレームの組み立てです。まず角型スペーサーを使って正確に半田付けしてから、前後のフレームを半田付けします。
 次に排障器(前後のフレームより2.5mm下に出るようにします)、ブレーキシリンダー・テコを半田付けしますが、テコの取付部は内側をツライチに仕上げておきます。
 動輪押さえ板にブレーキシューを半田付けしますが、動輪押さえ板には表裏があります。写真で見えている方は真ん中の凸部が凹んでいる側です。
 この段階でギヤーフレームに動輪を入れてみてスムースに回転するかをチェックしておきます。また、第二動輪は少しきついかも知れませんので、その場合は動輪押さえ板の凸部分を僅かに削って動輪押さえ板が浮かないように調整しておきます。

 




5.ここで上まわりと床板とを1.4x2mmビスで仮組みしてみます。

 


第3回
1.塗装に掛かります。塗装する総ての部品をMWC-53 MWプライマーで下塗りしてから、屋根はMWC-05 ライトグレーで、床板はMWC-20 ミディアムブルーで、その他はMWC-02 ディープブラックで塗ります。
 床板のエンドビーム〜床板側面・ステップをマスキングしてブラックを、屋根は16x19mmにカットしたマスキングテープをセンターに貼ってMWC-20 ミディアムブルーで塗ります。

 




2.ワイパー・ヘッドライトケースの内側を銀色に塗り、銘板やナンバープレートを貼ります。
 この後で好みでMWC-10 フラットベースを加えたMWC-09 クリヤーでオーバーコートして艶を整え、ヘッドライトにはリム+レンズを、テールライトケースには中心のバリをカットしたテールライトレンズを接着します。
 ヘッドライトレンズにはプラカラーのクリヤーを、テールライトにはクリヤーレッドを差しておきます。

 


3.集電ブラシに半分にカットしておいた配線コードを半田付けします。
 サイドロッドの真ん中の穴にはクランクピンを半田付けして、裏側をツライチに仕上げておきます。
 ギヤーフレームにアイドラーギヤーを差し込み、アイドラー軸・集電ブラシ・ワッシャを差し込みEリングで止めますが、ワッシャは平ヤスリで2/3程度まで厚みをヤスっておくとセットしやすいでしょう。
 アイドラー軸の頭は写真のように半月のように40%ぐらいをカットして、切り口も斜めに削いでおきます。
 振れ止めのピンの頭も出た部分をカットしておきます。
 ギヤーフレームは床板に1.4x1.4mmビスで止めます。
 サイドロッドをクランクピンで止めた動輪を組み込み、1.4x2mmビス(小頭)で動輪押さえ板を止め、カプラーは1.4x4mmビスで止めます。
 砂撒き管は動輪の方に向け直しておきます。

 




4.モーター軸にはウォームギヤーを木工用瞬間接着剤で止めますが、写真のように付属の角材を間に挟むと正確に位置だしができるでしょう。
 モーターを床板に1.4x2mmビス(大頭)で止めますが、写真の向こう側のラグ板が+です。
 ボディーと床板とは1.4x2mmビス(大頭)で止めて出来上がりです。ラジエター下のビス1か所はブレーキシリンダーが邪魔して止められませんが、1か所でも大丈夫でしょう。

 










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