キット組立講座

九十九里のキハ201



雨宮製で沼尻のガソ101と似ているのですが、大きな違いはドアーが線対称の位置(左右いずれもエンジン側)にあること、エンジンが大きいことや妻面の屋根の違いなどから、結構印象が異なります。
 当初は沼尻のガソのように後部に折り畳み式バケットがあったようですが、末期には撤去されているので、エンジンの違いと共に「似て非なる」楽しさがあります。
 そんな魅力あふれる「九十九里のキハ201」の楽しさを、この組立講座から感じ取って頂ければ幸いです。



第1回
1.まずボディーに窓枠を半田付けすることから始めます。
 ボディーの窓穴に対してエッチングヌキの窓枠が下は0.8mm、上は0.5mm見えるような上下方向の位置にセットします。
 夏姿は開いている窓の上辺をガイドにしても良いでしょう。後ろの妻板にも窓枠を半田付けしておきます。
 その後で車体左側には点検扉を半田付けしますが、上部のヒンジ部分を車体に引っ掛けるようにすると良いでしょう。



2.前側の妻板にも窓枠を半田付けしますが、夏姿の向かって右側は半田付けをしたら窓枠の段差で凹んでいる部分をヤスっておきます。
 ヒサシはエッチングで凹んでいる方を谷折りにして、そこに半田を流しておき、妻板に半田付けします。
 下の通風口は夏姿では開けたように、冬姿では閉じたように半田付けをします。



3.前後のボディーを上面合わせで半田付けをして、フロントデッキとエンドビームを段差をガイドに半田付けします。これで結構ガッチリしました。



4.ウィンドウシルのエッチングで凸になった部分の上方に細い帯材を半田付けします。
 まず妻板部分で半田付けをしてから側面へと移行しますが、全部を半田付けしない内にドアー部分の余計な長さをニッパーでカットしておきます。
 僅かですが熱膨張して伸びますので、それも考慮に入れておきます。



5.ヘッドライトケースと夏姿の場合は開いた窓枠を半田付けします。この段階でボンネットを1.4x2mm大頭ビスで仮止めしてみます。
 中期型の場合はネジ穴が少しきついですので、予め1.4x2mm大頭ビスでネジ穴をサラっておきます。



6.屋根板は鋳物ですので表面が僅かにザラついた感じになっていますので、滑らかに仕上げておきます。
 サンドペーパーやナイロンタワシ等を使うと良いでしょう。指の腹で撫でてみてザラついていなければOKです。
 これを車体に乗せてみて隙間がないかを最終確認しておきます。

 


7.中期型の場合は後部にバケットが着きます。まずφ0.4ドリルで上方のボディーの穴をガイドに穴を開けて、Lの字型のフックを半田付けします。
 下の方も同様にφ0.6ドリルで穴を開けて割ピンを使いながらバケットを取り付けますが、割ピンの先はエンドビームから出ないように長さを調整してカットしておきます。
 なお、バケットには表裏があり、斜めの補強が入っている方が表側(垂らした時に下側)にセットします。もちろん可動するように必要最小限の半田で固定します。



8.運転席とコントローラーは床板に写真のような向きで半田付けをして、裏側はツライチに仕上げておきます。
 塗装に入る前にボンネットは外しておき、テスリの穴は塗装の厚みも考慮してφ0.5ドリルで開け直しておきます。



第2回
1.次は下まわりです。床板は左右対称ですが、前後は対称ではありません。四隅の長穴で端に寄ってる方(写真で右)が後ろになります。
 まず台枠を半田付けしてから軸受、ブレーキ装置の順に半田付けします。ブレーキテコは下からブレーキシューに行く方が後ろ側(写真で右)を向きます。
 これでとりあえず半田付け作業はオシマイです。



2.塗装作業に入ります。塗装する総ての部品をMWC-53 MWプライマーで下塗りしてから、旧塗装の場合はMWC-20 ミディアムブルーで、新塗装の場合はMWC-21 ネイビーブルーでボディーとボンネット・ドアーハンドルを塗ります。
 屋根板はMWC-22 レッドブラウンで、1.4mmタッピングビスでウェイトを止めた床板まわり(前後のウェイトが共に内側に寄るようにします)・ギヤーフレーム・動輪押さえ板・エンジンミッション・中期型の車体保護網(次項の写真のように2個ある内の1個でランナーにしておきます)はMWC-02 ディープブラックで塗ります。
 ウィンドウシルの下までをマスキングして、テスリと共にMWC-03 クリームで塗ります。



3.ヘッドライトケースは黒く塗り、内側は銀色に塗っておきます。
 ここでボンネットをビス止めしますが、上下方向はボンネットの下面がフロントデッキの下面とツライチになるような感じです。末期型はこの段階でエンジンミッションを接着します。
 中期型の車体保護網は中央が凹んでいる方が上で、ウィンドウシルの段差に乗せるような感じで妻面に接着します。ほんの微量の木工用瞬間接着剤を上下2か所づつに塗っておき、車体に置くようにして固定すると良いでしょう。
 バケットは2本のチェーンで吊りますが、バケットを垂らした時に水平より僅かに上を向く長さにカットしておき(作例では12mmでした)、上方のフックとバケットの上方のピン部分で微量の木工用瞬間接着剤で固定します。

 




4.ドアーハンドルを接着して、テスリは車体に固定してから塗り分け線に従って青く塗ります。カプラーを含むエンドビームは黒く塗ります。
 この段階で屋根板を接着します。もちろんですが車体の内側から前後左右各1か所を少量の木工用瞬間接着剤で止めれば良いでしょう。
 ヘッドライトにはリムとレンズを接着して、全体をMWC-09 クリヤーで艶を整えてからMWC-17 ダークグレーで軽くウェザリングをして、プラ板などから切り出した窓ガラスを貼ります。
 そしてレンズにはプラカラーのクリヤーを差しておきましょう。

 


5.運転席ユニットはMWC-11 ライトグリーンで塗り、椅子の座面と背面は青く塗っておきます。
 これをフロントデッキの上に接着します。この際にネジ穴に接着剤が入らないように注意しましょう。
 窓越しにこのようにチラリと見えるのは良いものです(^^♪。

 




第3回
1.ギヤーフレームを1.4x2mm(大頭)ビスで床板に止めますが、この部品は塗装前に動輪を入れてみてスッと入る事を確認しておきましょう。もしもスッと入らないようでしたら、微妙に捻じれている場合がありますので、これを修正しておきます。塗装をしたら軸箱が入る部分の塗装を剥がしておきます。
 配線コードは11cmありますので、まず半分にカットして、更に2.5cmと3cmとに切ります。3cmに切ったコードを集電ブラシの凸型の突起部に半田付けして(写真のように互い違いになるように=左右とも同じ位置に)絶縁ワッシャを介しながら1.4x3mmビスで床板に止めます。



2.モーターにはアダプターを介してウォームギヤーを木工用瞬間接着剤で止めます。モーターのメタルとウォームギヤーアダプターとの隙間は正確に3mmにセットします。



3.モーターは1.4x2mm(小頭)ビスで止め、集電ブラシを外側に若干反らしながら動輪をセットして、動輪押さえ板を1.4x2mm(大頭)ビスで止めます。
 集電ブラシから立ち上がってきた配線コードは片方のモーターのラグ板に結線して、2個のモーター間の配線は図のように(図の左側が前)します。

 


4.ボディーと床板とは運転席の下だけは1.4x2(大頭)ビスで、その他の3か所は1.4x3mmビスで止めます。
 この後で中期型はエンジンミッションを接着して出来上がりです。

















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