キット組立講座


別海のミルクタンクローリーU


浜中町営軌道では雪印乳業がタンクローリーでミルクを運んでいましたが、同町営軌道の明治乳業や他の簡易軌道では集乳缶をゴンドラで運んだものでした。
それに対して別海だけは違って、ある意味近代的な方法を採っていました。
それは奥行臼にある施設まで列車で運んだあとは、ここでタンク部分だけを吊り上げてトラックに載せ替えて加工工場に運んでいたのです。
ですから、ここのミルクカーには吊り上げ用の枠が備わっていて、外観的にもそれが特徴でした。
そんなミルクタンクローリーの魅力を、この組立講座から感じ取って頂ければ幸いです。



第1回
1.タンクの組み立てです。まず楕円形になってるタンクの両端のトバクチを合わせて、内側に軽く半田を流します。外から見ると写真のように半田が滲んでいても構いません。
次に補強版を合わせ目に半田付けしますが、前後左右ちょうど真ん中に来るように留意しましょう。



2.ハシゴを組み立てます。エッチングで凹んでる方を内側にして折り曲げていき、上の二段は半田付けしておきます。



3.ここからは手順が大事なので、手順を箇条書きにしておきます。
@ハッチを半田付けしてから吊り枠を下側で半田付けします。吊り枠には方向があり、チャンネル状になっている方が外側に向きます。
Aハンドレールノブを半田付けしますが、ハンドレールを通したものを(半田付けはしません)タンクの穴にセットするように置き、内側から半田を流して固定します。
Bハンドレールノブにハンドレールを通してハシゴを通しながらノブの部分で半田付けします。
Cハシゴの足を穴に差し込んで半田付けします。
Dカマボコ状のドームを半田付けします。
E妻板を半田付けしますが、これにはチョットしたコツが必要です。まず穴の開いていない妻板をドーム側に半田付けしますが、表側にタップリとフラックスを塗って、半田を流すように半田付けします。
F穴の開いている妻板を反対側にも同様に半田付けして、コックを半田付けします。

 


第2回
1.まず最初に床板にボルスターを半田付けします。そして上側に出っ張った部分をヤスってツライチに仕上げておきます。
次に側枠を半田付けします。


2.これにエンドビームを半田付けして上面をツライチに仕上げておき、カプラーを半田付けします。
それから物置を半田付けします。

3.タンク台を裏側から半田付けします。


4.台車枠に軸受を瞬間接着剤で止めます。


第3回
1.塗装に移ります。総ての部品をMWC-53 MWプライマーで下処理しておき、タンク部は市販の銀色で塗り、床板と台車まわりはMWC-02 ディープブラックで塗ります。
タンク部は艶ありのMWC-10 クリヤーで、床板から下はMWC-09 フラットベースを僅かに加えたクリヤ−でオーバーコートしてから、MWC-17 ダークグレーで化粧をしてやります。
因みにタンク本体はステンレス製ですので、サビ系の汚しは似合わないでしょうから、それを表現するのでしたら、タンク以外の部分にしておきましょう。



2.塗り上がったら、台車は車輪を組み込みながら1.4x2mmビスでマクラバリに止め、スプリングを介してセンターピンで床板に止めます。
タンクと床板とはエポキシ系接着剤で止めて出来上がりです。

 


3.物置(というと変ですが)には集乳缶を乗せている写真も見ますので、それを再現してみました。
別売で「集乳缶4個セット」が販売されていますので、車端に載せてやると雰囲気が良くなります。
本体に蓋を瞬間接着剤で止めるだけで、本来は本体・蓋・底で構成されていますが、この場合は底は要らないでしょうから、本体と蓋で1組330円です。
MWプライマーで下処理したあと銀色に塗ります。
集乳缶には酪農農家の管理番号が書かれていて、出荷した農家が判るようになっています。これをぜひとも再現してみましょう(^^♪。
当社の製品には帯用のディカールが付属している製品が多数ありますが、今回はその余白部分を使います。
別売のアルプスモデル製「木曽タンク車用」の赤い数字がピッタリですので、これをディカールに転写して、プラ用塗料のクリヤーでコーティングしておきます。
これを集乳缶に貼るだけなのですが、じかにインレタを転写するよりも格段に楽ですので、皆さんも試してみて下さい。










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