キット組立講座

立山砂防の人車U*62-10-113型
立山砂防の雑貨物車*5-10-72型


 

安全に作業員を輸送できるよう、根本から見直して製造された新系列の客車たちです。
客車内はドアーで閉鎖できるようになり、それまではスパルタンだった無蓋車のそれに毛が生えたような軸受まわりもスイングアーム式となりました。
外観上で注目したいのは前後に付けられた電気配線の装備で、これは前後のヘッドライトや車内灯などに寄与しています。
外装色は国土交通省グリーンに人車伝統の赤い屋根。正に立山砂防の新しい一面を彩る客車群です。
そんな魅力あふれる「立山砂防の人車U・雑貨物車」の楽しさを、この組立講座から感じ取って頂ければ幸いです。



第1回

1.まず側板にドアーを半田付けしますが、いずれも上面合わせになります。



2.次に妻板の上部の段差になっている部分合わせで雨樋を窓枠の外側に半田付けします。
 人車Uの方は下面から0.8mm上にダクトを、窓枠の上にワイパーモーター蓋を半田付けしますが、このようなエッチングヌキ部品を半田付けする際には裏側を半田メッキしておくと半田が流れやすいでしょう。また両者ともにランナーがあった部分は下方に向けておくと奇麗に見えるでしょう。
 その後でワイパーとヘッドライトケースを半田付けします。



3.妻板の裏側センターには上下取付アングルを半田付けしますが、妻板の裾から床板の厚み分0.5mmを上げるようにします。そのためにはアングルの上面である5.5mmの位置にラインをケガいておくと正確に位置出しが出来るでしょう。



4.側板と妻板とを箱状に組みますが、妻板の板厚が見える向きで組み合わせます。また、上下方向は妻板上部の段差部分合わせにします。
 そしてドアーハンドルも半田付けしておきます。



5.ここで一応屋根板を合わせてみます。妻板との間に隙間はないですか?この屋根板の精度はかなり正確に仕上がっているので、何も修正しなくてもピッタリと合うと思いますが、妻板の段差部から雨樋が出ていたり、側板との組み合わせが不正確だと歪みが生じてしまいます。
 屋根板の上部段差部には小さなダクトを瞬間接着剤で接着しますが、端から1.2mmの位置です。また、この部品もランナーがあった方を見えないような下方にしておくと良いでしょう。

 


第2回

1.次は下まわりです。まず床板にブレーキシューとサイドブレーキ装置を半田付けしますが、床板の表裏には注意して下さい。サイドブレーキ装置の歪みを修正するだけでブレーキシュー側の足は床板に半田付けしません。
 次にエンドビームを半田付けしますが、床板との隙間を1mmあける(エンドビームの取付板部分は半分だけ床板に掛かる)ようにします。
 ここで一応カプラーの穴をΦ0.8mmドリルでサラっておきます。



2.エンドビームの左右のアングル上方には小穴があるはずですから、その穴をΦ0.4mmドリルでサラっておき、解放テコを組み合わせて半田付けします。
 その際に波状の電気配線と干渉する場合は電気配線が解放テコと触らないように曲げておいてやります。
 この電気配線は塗装の段階で黒く筆塗りしますので、解放テコと触っていない方が作業がしやすいためです。



3.台枠には軸受を瞬間接着剤で止め、仮に床板に組み付けてみます。

 


第3回

1.塗装作業です。まずMWC-53 MWプライマーで下塗りをしてから、上まわりと床板まわりをMWC-19 フレッシュグリーンで、屋根をMWC-03 クリームで塗ります。
 妻板の窓枠とヘッドライトケースの内側、ドアーハンドルは銀色で筆塗りをし、側板のHゴムやワイパーは黒く塗っておきます。



2.クリーム色に塗った屋根はダクトをマスキングしてMWC-15 ライトレッドを塗ります。
 これをボディーに被せてから、妻板内側上部に木工用瞬間接着剤を付けて固定します。
 床板まわりの方はエンドビームから上を丁寧にマスキングして、台枠と共にMWC-02 ディープブラックで塗り、電気配線とアングルにある配線箱を黒く筆塗りし、サイドブレーキハンドルを白く筆塗りしておきます。
 ここで上下ともに好みによりMWC-10 フラットベースを加えたMWC-09 クリヤーでコーティングをして艶を整えておきます。

 


3.窓ガラスはプラ板などから切り出して接着しますが、ヘッドライトケースの凹みに合うように小さく四角く切ったものを透明ゴム系で接着します。
 また妻板の窓ガラスは窓枠のない引き違いですので、プラ板に軽くカッターでラインを中央部に入れておき、それを外側にセットすると良いでしょう。
 試しにt0.2mmのプラ板で引き違いを表現してみたのですが、やたら大袈裟になってしまい、カッターラインだけの方がスッキリして良かったです。
 因みに引き違い窓ガラスですから、ワイパーは向かって右半分でしか動きませんので、ワイパーは間違っても左向きにセットしないように(^O^)。



4.先ほど予行演習をしたように、車輪を組み込みながら台枠を床板にビスで止めしてからサイドブレーキ装置の足を瞬間接着剤で止め、上下もビスで止めます。
 屋根上のダクトには方向性がありますので、非サイドブレーキ側になるように注意します。
 これで出来上がりです(^^♪。

 











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