キット組立講座

立山砂防の5tDLX*北陸製26-10-1〜4




平成生まれの山男、それがこの26-10-1〜4です。
 この平成26年にはこの4両のDLが増備されたのですが、何といっても目を引くのが高くなったキャブ。
 最近見慣れているせいか、新系列の客車たちにはこのトールボーイが似合うような気がしています。
 そんな魅力あふれる「北陸製26-10-1〜4」の楽しさをこの組立講座から感じ取って頂ければ幸いです。



第1回

1.まずはボンネットの組み立てです。ラジエター前部の2個の穴はφ0.4ドリルで少し掘っておき、テスリを差し込みやすいようにしておいて半田付けします。
 そのあとでボンネットと組み合わせて半田付けをして、上部の三面鏡のような感じをボンネットのそれと揃えてヤスっておきます。

 


2.細かい部品を半田付けしていきます。テスリを半田付けしたあと、内側はニッパーでカットしておきます。
 ラジエターの右側の小穴はφ0.6のドリルでサラっておきます。この部分に塗装後に消火器を付けますので、消火器の足を差したときに浮かない程度に掘っておきます。



3.キャブの組み立てです。まず前妻板に窓枠などを半田付けします。そのあとでワイパーや給油口を半田付けします。
 後妻板は上下取付アングルを裾合わせで半田付けして、窓枠・縦雨樋・ヘッドライトケース・テスリ・コンセント・フックの順に半田付けします。
 ミラーのアームですが、バラシ図をよく見ながら半田付けして、そこにミラーを半田付けします。
 側板はまず下のドアーレールを裾合わせで半田付けをしてからドアーを半田付け。次に上のドアーレールを半田付けします。

 


4.キャブを箱状に組み立てますが、妻板の板厚が見える向きで半田付けして、歪みが無いように注意しましょう。この部分に僅かな隙間があると塗装後に目立ちます(作例ではそれをやってしまった)ので注意しましょう。これに屋根を乗せて半田付けします。



5.ボンネットをキャブと組み合わせます。前から・横から見て歪みがないことを確認しておきます。
 作例ではウッカリ忘れてしまいましたが、ボンネットをキャブと組み合わせると「肩の部分」に僅かに隙間が出来ますので、エッチングヌキのランナーを使って塞いでおきます。



第2回

1.まず側台枠の組み立てから始めます。軸受をまず半田付けして裏側を仕上げてから、他のパーツを半田付けしていきます。
 但し、フックに掛けたドローバーが僅かに軸受のバネ吊りと干渉する場合は、このバネ吊りを現物合わせでヤスっておきます。



2.次はエンドビームです。中央のカプラーを半田付けしてから左右のステップを半田付けします。



3.2枚の床板を写真のように前後左右均等になるように半田付けします。
 そのあと側台枠、エンドビームの順に半田付けしていきます。台枠前部に上下取付板を半田付けしますが、そのコの字の裾は側台枠の下面とツライチになるように留意します。

 




4.握り棒を半田付けしますが、取付足の部分は僅かに残してカットして仕上げてから半田付けします。
 中央部のネジ穴にはワッシャを瞬間接着剤で止めておきます。

 


5.ここで上回りと組み合わせてみます。ラジエターの下部は床板にスッと入りますか?入らないようでしたら、床板やエンドビームの切り欠き部をヤスって広げておきましょう。キャブ後方のビス穴は合っていますか?もしも合っていないようでしたら、床板の長孔を広げておきます。試しに1.4x2mmビスで止めてみましょう。



6.ギヤーフレームは角型スペーサーをまず半田付けしてから前後の板スペーサーを半田付けしますが、その組み合わせ方はバラシ図を参考にして下さい。
 この部分は最後に組み上げる際に意外と力の加わる所ですので、特に後ろの板スペーサーにはシッカリと半田を流しておきましょう。
 試しに動輪を組み込み、押さえ板を1.4x2mmビスで止めてみて、軸箱が上下にガタつかないかを確認します。ガタつく場合はギヤーフレームの下面を僅かに削っておきます。
 いずれにせよ、動輪が軽くギヤーフレームに入るかが重要で、そうでない場合には歪んで組み立てられている証拠です。



7.エンジンは若干の加工が必要です。まず、ミッションの両腕部分をニッパーでカットして写真のように仕上げ、中央部の凹み部分を斜めにヤスっておきます。
 また、ファンが付く部分はφ0.8ドリルでサラっておき接着、エンジン本体もギヤーフレームの前側の板スペーサーに接着します。なお、排気管は写真の程度にカットしておきます。
 ここでギヤーフレームを台枠にビスで止めてみて、エンジンが傾いていないかをチェックしておきます。

 




8.モーターにはウォームギヤーを木工用瞬間接着剤で止めますが、写真のような深さになるようにして、これ以上には決してモーターとの隙間を開けないようにします。
 バッテリー箱のテスリは上と横にありますので、上のテスリをカットして仕上げておきます。
 コンプレッサーは写真のように配管の一部をカットして、床板のヘリに載せたときに干渉するプーリーの一部を角型にヤスって逃げておきます。

 




第3回

1.塗装作業です。まずMWC-53 MWプライマーで下塗りをしてから、上まわりと床板まわりをMWC-18 フレッシュグリーンで塗ります。
 床板まわりは握り棒をマスキングして、ギヤーフレームやバッテリー箱・コンプレッサーと共にMWC-02 ディープブラックで塗ります。
 更にラジエターやHゴム、ワイパーを黒のプラカラーで、ミラーの外側を白く、鏡面やヘッドライトケースの内側を銀色に、ラジエターファンは黄色く塗ります。
 消火器は赤く塗り、銀と黒を差したものをボディーに接着しますが、この消火器の湯口は塗装の際の掴みシロにしておき、塗装後にカットして切断面は赤く塗ると良いでしょう。

 




2.ヘッドライトにはリムとレンズを接着。ラジエターのプロテクターもボディー色に塗っておいたものをラジエターに下面合わせで接着します。
 ヘッドライトレンズにはクリヤーを差すとグッと良くなるでしょう。消火器もこの段階で接着します。
 別売の「担架セット」は全体をオレンジ色に塗っておき、バンドを茶色、上の棒を緑に塗っておいたものをフックに引っ掛けます。

 


3.黒く塗った台枠のドローバーは赤く、排気管マフラーの上の部分と排気管は銀色に塗ります。

 


4.黒く塗ったギヤーフレームの動輪軸箱が入るU字部分やヘリの部分は塗装を剥がしておき、半分にカットしたリード線を半田付けしておいた集電ブラシ挟みながら、アイドラーギヤーをバラシ図のように組み込みます。
 動輪を組み込んでから押さえ板を1.4x2mmビスで止めてみて、前の可動動輪が空転気味の場合には、写真のように軸箱にあたる部分に名刺程度の厚みの紙を接着してみると良い場合もあります。

 


5.ここからは知恵の輪のように手順が重要になります。
 まず、モーターの+端子が左側になるように1.4x2mmビスで床板に止め、半分にカットしたリード線を半田付けします。
 モーターに貼られたステッカーは剥がしておきましょう。完成後に窓から見えて目立ちますので。
 次に床板とボディーとをキャブの下で1.4x2mmビスで止めます。
 そして、ギヤーフレームを1.4x1.4mmビス4本で床板に止めます。
 その後に動輪を組み込んでから動輪押さえ板を1.4x2mmビスで止めます。
 この動輪は2種類あり、軸箱が可動する方をラジエター側にセットします。また、その可動方向が上下になるように軸箱の向きを整えます。
 コンプレッサーやバッテリー箱を床板に接着して完成です。



 


6.先に発売された「立山砂防の5tDLW*北陸製57-10-28」と並べてみると、いかにキャブの屋根が高くなったかが分かります。

 










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