キット組立講座


助六の酒井製5tDLZ*No.49・52〜54



木曽森林鉄道のDLはキャブフォワードなどの10tクラスを除いて、軽量級のものは圧倒的に鋳鋼台枠のものが多かったのですが、それでも少数は活躍していました。
 今回製品化したものはその仲間ですが、独特な雰囲気を持った軸受周りなどが異彩を放ち、多数の鋳鋼台枠の中に入れると一段と目立つ存在です。
 そんな「助六の酒井製5tDLZ」の魅力をこの組立講座から感じ取って頂ければ幸いです。


第1回
1.まずラジエターとボンネットを組み合わせます。直角になるように留意しましょう。写真のように小さな万力に咥えると両手が使えて良いでしょう。
 その後で小さな部品を半田付けしていきます。ボンネットの内側に出っ張ったハンドルの脚は裏側とツライチに仕上げておきましょう。

 


2.キャブの組み立ては前後の妻板を側板に半田付けすることから始めます。シッカリと箱状になったところで、上屋根板と前後窓枠を半田付けします。

 


3.次に雨樋を半田付けしますが、側板で屋根が終わっって前後の寸法が短くなった部分を雨樋の上面にするようにします。
 前妻板にはサインペン程度の太さの丸いものに当てがってカーブを付けたヒサシを半田付けします。曲げ具合は外観図を参考にして下さい。



4.ドアーの組み立てです。ランナー部分を綺麗に仕上げたドアーの周囲に縁板を半田付けしますが、まず上下の縁板を「ドアーの板厚が見えない」ように半田付けして、その後で左右の縁板を半田付けします。
 それからハンドルを半田付けして裏側をツライチに仕上げておきます。
 このドアーをキャブに半田付けしますが、あまり手間取っていると折角半田付けした縁板などが外れてしまいますので、手際よく作業しましょう。
 ドアーの下側はキャブの下面とツライチになるように、またドアーの後ろ側は0.5mmほど空くような位置にセットします。

 


5.キャブの後妻板の下面合わせで上下取付板を半田付けします。
 屋根にはヘッドライトケースを半田付けしますが、脚の部分は位置決めが出来る程度までカットして仕上げておき、これを半田付けします。
 後窓枠には窓を瞬間接着剤で接着しますが、僅かに窓が大きいですので、丁寧にヤスって上手く入るようにしましょう。

 


6.ボンネットとキャブを組み合わせます。ここで注意することはボンネットが水平になること。前から見てラジエターがネジれていないかも確認しておきます。



 


第2回
1.下周りの組み立てです。まず2枚構造になっている床板を半田付けしますが、前後に均等に段差ができる位置にセットします。
 2個あるカプラーの片方は真ん中のクランク受け部分をカットして仕上げておき、エンドビームに半田付けします。

 


2.これを床板の段差部分に半田付けします。
 台枠には軸受を半田付けして、これを床板に半田付けしますが、前後を間違えないように外観図を見て確認しましょう。

 


3.ギヤーフレームを歪みのないように組み立てます。組み立てたら動輪を入れて押さえ板をビスで止めてみて、動輪の軸箱が上下にガタつかない程度までギヤーフレームの下面を仕上げておきます。但し、前側の取付板の形状は両腕が無い形となりましたので、実際とは異なります。
 エンジンの後方のアームは根元からカットして仕上げておき、ファンを瞬間接着剤で止めますが、ファンの軸を差し込む穴はφ0.8ドリルでサラっておき、軸も短くカットしておくと良いでしょう。また、オイルパンの下のボスは1mm程度までカットして仕上げておきます。

 


第3回
1.塗装に移ります。まずはMWC-53 MWプライマーで下塗りをしたのち、上松塗装にする場合は床板も含めて上周りとラジエター保護枠をMWC-03 クリームで塗ります。王滝塗装にする場合は上周りとラジエター保護枠をMWC-01 グリーンで塗ります。
 そしてマスキングを施してから上松はMWC-04 マルーンを、王滝は床板も含めてMWC-02 黒で塗ります。
 更に、上松の場合は上屋根部分をMWC-06 ライトグレーで塗ります。
 作例のラジエター保護枠の2色目の塗装はマスキングをしておいた後で、筆で2色目のラッカーを置くように「表面だけ」塗りました。吹き付けるとなると格子状の内側など面倒な事を考えなければならないので、むしろこの方が良い結果をもたらすと思います。



2.ここまではラッカーでの塗装でしたが、ここからはプラカラーでの塗装となります。
 Hゴム部分、ヘッドライトケース、ラジエターのコア部分、ラジエターの裏側、排気管を黒く塗り、ヘッドライトケースの内側は銀色に塗っておきます。
 そしてヘッドライトリムとレンズ、ラジエター保護棒をエポキシ系で接着します。
 首振りカプラーは黒く塗った後にピンで止めますが、差し込む部分の塗装を剥がさないときついかも知れません。前側はピンを下から、後ろ側は上から差し込んでエポキシ系で軽く接着します。
 別売のアルプスモデル製インレタBでナンバーを入れ、MWC-10 フラットベースを好みで加えたMWC-09 クリヤーで艶を整えてから、MWC-17 ウェザリンググレーで軽くウェザリングをしておきます。

 


3.エンジンは黒く塗ってからファンの部分を警戒色の黄色く塗り、強めのウェザリングを施しておきます。
 黒く塗っておいたボンネット用ウェイトはボンネットの後半から1mmほど奥まった位置に接着します。

 


4.ギヤーフレームの軸箱が入るU字型部分の塗装はカッターで剥がします。そしてアイドラーギヤーを組み込んで、集電シューには半分にカットした配線コードを半田付けします。



5.モーターの軸には予めアダプターをウォームに接着しておいたものをゼリー状瞬間接着剤で止めますが、深さは写真を参考にして下さい。
 モーターは+側のラグ板が左側になるようにして、床板の1.4x2mm(大頭)ビスで仮止めします。見本ではモーターを最も後ろ側にセットしたらギヤーの噛み合わせ具合が良かったです。
 そして動輪を組み込んで押さえ板を1.4x2mm(小頭)ビスで止めたギヤーフレームを組み込みます。
 動輪は2種類ありますので、軸箱が可動式のものを前側にセットして、しかも軸箱は動輪が上下動する向きになるよう留意します。

 


6.この段階でエンジンをギヤーフレームにエポキシ系で接着します。その接着剤が半乾きの内に窓ガラスを貼っておいた上周りを組み合わせます。
 上周りを被せてからキャブの下でギヤーフレーム+床板を1.4x3mmビスを使って止め、床下ウェイトを1.4x5mmビスで止めます。
 接着剤が半乾きの間にエンジンの傾きを修正しておきましょう。

 


7.さあ、これで出来上がりです!











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