キット組立講座

協三製特殊軽量機関車
木曽のNo.100



何が特殊かって云うと、この機関車は本線とは連絡の無い山奥の作業線で使用される事を想定して、比較的簡単に組み立て&分解が出来るよう部品がユニット化されている点にあり、整備重量は僅か1.6tというもので、インクラインや索道を使ってそのユニット化されたパーツを運べるようになっていた点にあります。
 木曽森林鉄道では栄光の100番、No.100が活躍していましたし、その他の林鉄でも結構愛用されていたようで、ほぼ同型として岩手富士でも作られました。
 そんな特殊軽量機関車を、床下にスッポリと納まるKATO製動力を使用する事により模型化しました。
 外観図では見えませんが、妻板の内側には砂箱やハンドブレーキが、側面のラジエターや燃料タンクの内側にはエンジンカバーの椅子がスケールの大きさで装備され、しかも人形が1体付属しますので、この機関車ならではの楽しさを演出してくれるでしょう。
この製品は徹底して半田付けをしなくても組み立てられるよう考えて設計されていますので、瞬間接着剤を使用する事で、組み立て自体はあっという間に終わってしまいます。
 しかも、出来上がった時には満足感に包まれ、ついニンマリとしてしまう程の愛らしさに包まれる事でしょう(^_-)。
 そんな協三製特殊軽量機関車の魅力を、この組立講座から感じ取って頂ければ幸いです。



第1回
1.まず側板にラジエターと燃料タンクを接着しますが、バリなどは綺麗に仕上げておき、密着するように留意しましょう。


2.出来上がった2枚の側板でエンジンカバーを挟んで接着しますが、側板の裾とエンジンカバーの裾が合うように、しかも歪みが無いように留意しましょう。



3.台枠に妻板を軽くネジ止めして側板と妻板とを接着しますが、妻板は1枚ずつ止めて作業した方がやり易いでしょう。



4.箱状に出来上がったボディーを台枠にシッカリとネジ止めして、屋根を被せてみて、屋根のスリットに側板の凸部が上手く入るかどうかを確認しておきます。もしも真ん中の部分が浮いているようでしたら、側板中央の凸部の高さを少しヤスってみて下さい。塗装の事を考えて屋根は接着はしないでおきます。
 これでナント工作はオシマイですので、ネジを一旦バラして塗装作業に移ります。

 


第2回
1.まず全体をMWC-53 MWプライマーで下塗りしたあと、ボディはMWC-11 ライトグリーンで、その他はMWC-01 王滝グリーンで塗ります。人形はMWC-03 クリームで塗りましょう。そのあと人形はプラカラーで各色を塗ったあと艶消しのクリヤーでオーバーコートしておきます。



2.ボディーは写真のように内側をマスキングしておき、MWC-01 王滝グリーンで塗ります。



3.座面と背摺りは作例ではプラカラーのフラットブルーを塗ってみましたが、実車が何色だったか判らないので、お好みで良いでしょう。
 アルプスモデルのインレタAでナンバーを転写して、台枠ともどもMWC-10 フラットベースをお好みで加えたMWC-09 クリヤーでオーバーコートして、MWC-17 ウェザリンググレーで軽くお化粧します。
 因みに側面中央の一見Hゴムのように見える窓はHゴムではありませんので、色を差す必要はありません。
 屋根板にはヘッドライトリムとレンズを接着してから、同様にオーバーコートしてから軽くウェザリングして、レンズにはプラカラーのクリヤーを差しておきます。

 


4.この段階で人形を乗せてやり、窓ガラスをプラ板などで貼りますが、別売のアクリル製窓ガラスを使うとガラス面が奥まらなくて良いでしょう。



5.台枠をボディーにネジ止めしてから、屋根板をボディーと接着してとりあえず出来上がりですが、屋根を被せる際にきついようでしたら、側板の凸部の塗装を剥がしてみましょう。



6.木曽のNo.100は説明の通りの塗装で仕上げますが、その他に鳥取営林署で働いていたものは、黄色と黒に塗られていました。この場合ボディーは「MWC-13 井笠用イエロー」を使うと良いでしょう。
 また、メーカー標準色のライトブルー&窓と出入口が白いトリムに仕立てるのもイイかも知れません。その場合は「MWC-07 沼尻新塗装用ブルー」を使うと良いでしょう。


第3回
1.KATO製動力はまず、車体を両手の指で拡げるようにして取り去り、写真のような状態にします。
 次にコネクターを抜いてプリント基板を撤去して、赤く囲った部分と突起を押して動力を外します。

 


 


2.外した動力は写真のようにカッターで余分な部分を切り取り、リード線は根元から10mmでカットして4個あるラグ板のうち内側のラグ板に素早く半田付けしますが、中央の丸い部分よりも上に出ないように注意します。また、配線は出来るだけ穴の中に納めるようにします。
 この機関車の場合はグレーの色や車輪の横の光沢も目立ちませんので、黒く塗っておく必要はないでしょう。
 これを極く少量のゴム系接着剤で台枠に止めて出来上がりです。

 










*情景写真は演出用で、必ずしもこれだけの牽引力を有する訳ではありません。



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