キット組立講座

鶴居のミルウォーキー製GL


台枠の長さが僅か28mmのミルウォーキーは、一見ホイットコムと似ているように感じますが、台枠の雰囲気やボンネットのスタイルに特徴があります。
 植民軌道の黎明期に米国から輸入され、開拓民の足となり手となり働いたのですが、簡易軌道と呼ばれるようになると次第に近代化も進み、これを範とした加藤や酒井製、あるいは道産子の泰和や運輸工業製に追いやられる形となり、忘れられた存在となってしまいました。
 しかし、模型的に見ると、この小粒でピリリという雰囲気のGLが放つ魅力は大きく、手元に置いてやりたいと考えるのは私だけでしょうか?
 そんな鶴居のミルウォーキー製GLの魅力を、この組立講座から感じ取って頂ければ幸いです。



第1回
1.まずはキャブの組み立てから始めます。最初に前後妻板や側板に窓枠やドアーを半田付けします。窓枠は表側から見た時に上下左右が均等に見える位置にセットしますが、前妻板の場合は表側から見て右側の窓枠が手前になる向きに注意しましょう。
 後妻板の場合はドアーですが、まず妻板の裏側にコの字型の真ん中のドアーを、右側の窓枠は重なって見えなくなるように半田付けして、次に左側のドアーも同様に半田付けします。

 


2.前妻板と側板、後妻板と側板とを裾合わせでL字型に半田付けをしてから(妻板の板厚が見える向きで)、更にこれを組み合わせて箱状にします。
 その後で屋根板を乗せて半田付けしますが、小さな穴がある方が前です。前後左右が均等に出っ張るように留意しましょう。ヘッドライトケースを屋根板に半田付けします。
 ボンネットはロストワックス一体で表現されているので、工作は簡単です。まず裾部分をガラスの上に置いた耐水ペーパーの上で平らに仕上げておき、これをキャブに組み合わせてガラスの上に置きます。この状態を維持したまま半田付けします。

 


第2回
1.台枠の組み立てです。直角に留意しながら側台枠とエンドビームをL字型に半田付けしますが、エンドビームにも上下方向があるので注意しましょう。接合部分は軽くヤスっておくと半田が流れやすいでしょう。
 2個のL字型を箱状に組み合わせて床板を落とし込んで半田付けします。最後に上面をガラスの上に置いた耐水ペーパーの上で仕上げておきましょう。
 


2.次にギヤーフレームの組み立てです。最初にギヤーフレームに角型スペーサーを半田付けし(垂直度に充分に留意しましょう)、もう1枚のギヤーフレームを半田付けしてから前後の取付板を半田付けします。この取付板とはホゾ組みになっているので、簡単かつシッカリと位置決めが出来るでしょう。
 組み上がったら写真で赤く塗った部分が動輪のフランジと干渉しますので、斜めに削っておいて下さい。

 


3.ウォームギヤーの穴にスリーブを瞬間接着剤で止めて、これをモーター軸に瞬間接着剤で止めます。こういう場合は穴に入る側、つまり最初はスリーブ、次はモーター軸に少量の接着剤を塗ると多く付け過ぎないで良いでしょう。但し、モーターの軸受には万が一の場合を考えてオイルを垂らしておくと良いでしょう。ウォームギヤーの先端部とモーター軸の先端部が合う位置にセットします。
 集電ブラシのラグ部分には半分の長さにカットしたリード線を半田付けしますが、プレスでピン状に押し出されている側に付けると良いでしょう。



第3回
1.総ての部品をMWC-53 MWプライマーで塗ってから、上まわり全体を木部の茶色で塗ります。これはMWC-13 井笠用イエローに極く少量のMWC-04 マルーンを加えたものを使います。
 これが乾いたら前と左右の窓枠をマスキングして、MWC-11 ライトグリーンで塗ります。ヘッドライトケースは黒く塗り、その内側は銀色に塗っておきます。ラジエターの凹み部分も黒く塗ります。これらの黒色はプラカラーでOKでしょう。

 


2.ラジエター保護棒はラジエターの前側にピッタリと合う事を確認したのち、写真のように別にライトグリーンに塗っておいてエポキシ系で接着します。
 ギヤーボックス・動輪押さえ板・モーター台・ウエイトはMWC-02 黒色で、台枠はMWC-11 ライトグリーンで塗ります。
 そして仕上げにMWC-09 クリヤーに好みでMWC-10 フラットベースを加えたもので艶を整え(剥がれやすいプラカラーの保護にもなります)、最後にMWC-17 ウェザリンググレーで軽くお化粧しておきます。
 窓にはアクリル板などから切り出した窓ガラスを貼り、ヘッドライトにはリムとレンズとをエポキシ系で接着して、レンズにはプラカラーのクリヤーを塗っておきます。

 


3.ギヤーフレームの動輪軸箱が入る部分の塗装をカッターで削いでおき、分解図に従ってアイドラーギヤーや動輪などを組み込みますが、集電ブラシは若干外側に反らせておきます。動輪を填めてみて左右にずらし、軽く動輪の裏側にブラシが当たっている程度にしておき、強くなり過ぎないように注意しましょう。動輪押さえ板は1.4x2mmビスで止めます。



4.ギヤーフレームの前側は1.4x1.4mmビスで止め、モーターは+側端子が後ろに来るようにセットして、モーター台を挟みながら1.4x4mmビスで止めます。集電ブラシのラグ部分は写真のように外側に曲げておきましょう。
 モーターを止めるような奥まった部分の作業には、ホームセンターで売ってるこのような細いドライバーを使うと便利です。このドライバーの軸の太さは僅かφ1.5しかありません。

 


5.黒く塗っておいたウェイトをボンネットの中で前に寄せて接着します。ボディーと台枠とは1.4x3mmビスで止めて出来上がりです。



 










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