キット組立講座

助六の酒井製5tDLV

進化し続ける「助六の5tDL」の最新バージョンの組立講座を開設いたします。今回のバージョンでは、まずUに引き続いて8種類もの号機をご用意したことも特徴ですが、モーターをマシマ製カンタイプにスケールアップしたことにより、低速領域から安定した走行が楽しんで頂けるようになりました。
 それでは、そんなVの魅力をこの組立講座でお楽しみください。

写真をクリックして大きいサイズで御覧ください。

第1回
1.まず、119号機以外のラジエターは肩の四角く出っ張った部分を削り取っておきます。そして、106号機のラジエターにはヘッドライトケースを裏側から差し込んで、半田付けします。


2.34・61・63・76号機は更にラジエター脇の板部分にエッチングヌキパーツを半田付けします。まず、34号機は左右にヌキパーツを半田付けして、それをガイドに高さを低く削ります。61・63号機の向かって左側も同様です。61・63・76号機の向かって右側には背の高いエッチングヌキパーツを半田付けしてから、その裏側に菱形の板を半田付けします。写真は高さを削る前と後を示していますが、各々の右端はその裏側を示しています。継ぎ目は出来るだけ目立たないように仕上げておきましょう。


3.半開タイプのボンネットには仕切り板を半田付けしてから、全閉タイプの95・119号機のボンネットには直にラジエターを半田付けします。この時ボンネットを万力で軽く挟んで作業をすると、落ち着いて出来るでしょう。直角になるように留意して、しっかりと半田を流すようにしましょう。全閉タイプにはコンプレッサーカバーを半田付けしておきます。76号機にはバックミラーステイを穴に差し込んで半田付けして、更にバックミラーを半田付けします。そのガイド溝は前側になるようにします。なお、61・63・76号機は高くなったラジエター横の板がボンネットの一部と干渉する場合がありますので、その場合には写真のように角型に少し削っておきましょう。なお、見本を組み立てて気付いたのですが、61・63・106号機のボンネットの前方は0.5mmほど短くヤスッておいた方が落ち着きが良いようです。



4.ボンネットに小物を半田付けしていきます。砂箱蓋は向きに注意して、排気管は垂直になるように留意しましょう。


5.出来上がったボンネットです。左から順に34・61・63・76・93・95・106・119号機です。



第2回
1.キャブの組立てに入ります。まずは前妻板に窓枠とヒサシ(76号機を除く)を、ワイパーとヘッドライトがある号機にはそれも半田付けします。写真は左から順に34・61・63・76・93・95・106・119号機です。ヒサシは外観図を見ながらRに曲げて、足を妻板の穴に差し込んで半田付けしますが、34・63・93・95・106号機のそれは、エッチングヌキパーツではなく、一緒の袋に入っているプレスパーツを使ってください。出来上がった妻板をボンネットと組み合わせて半田付けしますが、ボンネットのボスが入りにくい場合には、写真のように斜めにヤスッてみましょう。くれぐれも無理やりに押し込まないように。特にその直上に細い窓柱がある号機では禁物です。



2.二重屋根の34・63・106号機は、屋根上に上屋根を半田付けします。ヘッドライトが屋根上に無い106号機以外は小穴が揃うように留意して、裏側の角穴から半田を流すようにしましょう。それからヘッドライトを半田付けします。後ろの妻板には窓枠を半田付けしてから側板に半田付けします。106号機はヘッドライトケースが後ろの妻板に付きますが、これは黒く塗っておいて、全体を塗装してから接着した方が良いでしょう。


3.この段階でキャブとボンネットとを組み合わせます。但し、前妻板の裏側は出来るだけツライチにヤスッておきましょう。これをやっておくと、あとで窓ガラスを貼る時に苦労しなくて済みます。写真は左から順に34・61・63・76・93・95・106・119号機です。


4.雨樋とドアレールとが一体化されたアングルを、キャブ側面に半田付けしますが、左右で違いますので注意してください。


5.ドアーを組み立てます。写真のように、まず上下部分を半田付けしてから、左右部分を半田付けします。テスリを半田付けして裏側をツライチに仕上げておき、出来上がったドアーはキャブの裾部分と窓の部分で素早く半田付けします。106号機は左右で窓の大きさが違います。また、76・106号機の縦方向の帯板は長めになっていますので、半田付けをしてからカットして仕上げて下さい。このドアーはキャブの下の部分で半田付けしますが、雨樋の取り付けいかんで微妙にドアーの下面とキャブの下面がツライチにならない場合があります。この場合には、ドアーの上部裏側を写真のように斜めにヤスると良いでしょう。これで上まわりは出来上がりです。




第3回
1.下まわりはギヤーフレームから工作を始めます。今回はより正確に、しかも簡単に組み立て易くするために治具を用意しました。まず写真のように、前後の取付板を治具に4本の1.4x2mmビス(大頭)で止めます。長穴のある方は、治具の縁に合わせれば位置が合うようになっています。これにフレームを1枚差し込んで半田付けします。この時にプレスによるねじれを修正しておいて下さい。それから角型スペーサーを挟みながらもう一方のフレームを半田付けします。スペーサーのネジ穴は垂直になるように留意して下さい。半田付けが終わったら、そのままサンドペーパーの上で下面をツライチに仕上げて、角型スペーサーが光るようにします。この時に動輪を仮に組み込んで、押さえ板をセットしてみて、動輪が上下にガタつかないようになるまで削って仕上げます。ここで使ったネジはフラックスが付いてしまっているので、錆が出ますから捨ててしまいます。


2.2個あるエンドビームの片方は写真のように上部をヤスッて下さい。34・106号機以外は、これにエアーホースを差し込んで半田付けして、後ろに出た部分はツライチに仕上げておきます。台枠には軸受を組み込んで半田付けします。半田を流す部分はキサゲなどで磨いておくと、良く半田が流れるでしょう。


3.今度はエンドビームをL字型に組み合わせて半田付けします。接合面の直角には注意しましょう。34・61・63号機の台枠は左右ありますので、前後のエンドビーム(上に突起がある方が前用です)を半田付けする時には、間違わないように注意しましょう。そして、L字とL字とを組み合わせて箱型にします。ガラス板などの平らな板の上に台枠をひっくり返して乗せてみて、歪みがないかどうかをチェックしておきます。良ければ床板を台枠に落とし込んで半田付けします。そののちにドアーレールを半田付けして台枠の工作は完了です。このドアーレールの上辺は後ろのデッキ上面とツライチに、後部は台枠の後端と揃うようにします。水平度には留意しましょう。


第4回
1.塗装に入る前に、エンジンの加工をします。コスト削減の為に、このエンジンは他の機種にも使えるように設計されているので、上の部分を若干削って頂く必要があります。写真のようにカムカバーの4つの突起と、エアークリーナーへ行く配管と排気管を斜めにヤスッて、仮にボンネットに入れてみて下さい。納まりが良かったら塗装に移ります。


2.34号機は「18番の101系カナリア色に数滴の3番キハ58系朱色を加えたもの」と「黒」に、63号機は「101系エメラルドグリーン」と「阪急マルーン」に、93号機は「スカ線クリーム」と「阪急マルーン」に、95号機は「京阪若草」と「近鉄ダークグリーン」屋根を「黒」に、119号機は「京阪若草」と台枠&屋根を「黒」に、その他の号機は「京阪若草」と「近鉄ダークグリーン」に塗ります。ギヤーフレーム関連やラジエター保護枠(61号機のみは京阪若草色)・エンジンやコンプレッサーは黒塗装です。
  例によって竹串に部品を刺したり、エンジンやドアーなどの小部品は、竹串に両面テープを巻きつけて、それに部品を貼り付けて塗装します。


3.まず一色目が塗り終わった上まわりです。95・119号機の屋根は黒ですので、一旦全体を黒く塗ってから、屋根をマスキングしてボディーの若草色に塗ります。


4.台枠を塗ったら、コンプレッサーを接着し(34・106号機には付きません)、カプラーはカプラーピンで止めて、台枠の下側でエポキシ系接着剤で押さえておきます。


5.車体の裾をマスキングして台枠と同じ色に塗ります。それからヘッドライトケース・排気管・ラジエター・ラジエター保護枠を黒く塗ります。


6.Hゴム窓にグレーを差して、オイルクーラーのある号機には、メタリックグレーに塗っておいたものを、ラジエターに接着しますが、ラジエター保護枠の取付足に干渉しないようにチェックしましょう。


第5回
1.エンジンは仕切板とボンネット裏側でエポキシ系接着剤で止めます。その際に写真のように、エンジン後部にΦ0.8線をはさむとエンジンが傾かなくて良いでしょう。また、エンジンは右側から入れると入れ易いでしょう。


2.モーターの軸にウォームギヤーを打ち込みます。写真のように平らな鉄の上に置いて、軸端とウォームが揃う位置まで小さな金鎚で軽く打っていきます。配線は、写真のように集電シューとの間を半分にカットしたコードで結びます。特に集電シュー部分は少しの半田で付けるように留意しましょう。因みにモーターの+側が車体左側にきます。マシマのステッカーは、完成したあとで光るとあまり気分の良くないモノですので、剥がしておきましょう。


3.集電シューを2種類の絶縁リングで挟みながら1.4x2mmビス(小頭)で止めます。集電シューの前半分は、写真のように黒く塗っておきましょう。動輪に対する圧力は微妙ですので、何度も調整して快適に廻るようになるまでトライしてみましょう。ギヤーフレームには小さなギヤーをギヤー軸とEリングで、大きなギヤーはプラのギヤー軸で組み合わせて、両端はゴム系接着剤で抜け落ちないようにしておきます。


4.ギヤーフレームの前部は1.4x1.3mmビスで、モーターを1.4x2mmビス(大頭)で止めます。配線はモーターに沿わせるようにしましょう。ウォームギヤーと小さなアイドラーギヤーとの組み合わせはビスで調整しましょう。更に動輪を組み込んで、押さえ板を1.4x2mmビス(小頭)で止めます。


5.ディカールを水で転写して、クリヤーラッカーでオーバーコート、更に軽くウェザリングをします。写真のように、割り箸などに強力タイプの両面テープを巻いたもので、キャブ前妻板を支えて塗装をすると良いでしょう。ライトリムとライトレンズとを組み合わせたものを、ライトケースに接着して、窓ガラスを塩ビ板などで貼り込み出来上がりです。最後に床下ウエイトを挟みながら1.4x4mmビスで止めます。このビスの長さは微妙で、長過ぎればエンジンと干渉しますので、若干短めになっています。ネジ穴に届かない場合はウエイトの上面をヤスッて調整して下さい。


さあ、これで出来上がりました。8車8様のスタイルの5tDLV。貴方ならどの号機をどんな情景で活躍させてあげますか?これからは、貴方が機関手です。スロットルをどうぞお取り下さい。