「地面の仕上げと草撒き」の巻

 

1月21〜22日
プラスターが充分に乾いたことを確認して、今日はその仕上げと塗装に移ります。
 ボクの技術が未熟なためか、どうしても地面が波打ってしまったり、変な隆起が出来てしまったりしているので、それをブラシなどで均します。
 その後にホームの木組みの部分など、「土」が掛って欲しくない部分のプラスターを剥がしていきます。こういったチョット面倒な事でも厭わずにしておくと後の仕上げが楽になります。

 

例によってまず「フラットアース」を薄く溶いたものを塗ります。しつこいようですが「薄く薄〜く」溶いて染み込ませるようにです。それが乾いたら今度は「グレー」を同様に塗ります。
 実はこの作業をしていた日に、大分県にお住まいのお得意様とメールの遣り取りで地面の話になりました。

「ここで面白いハナシをひとつ。関東で生まれ育った人間と、鹿児島で生まれ育った人間とは、土の色に対する感覚が違うそうです。前者は関東ローム層の赤っぽい土を、後者はシラス台地の白っぽい土を見慣れているので、レイアウト製作のときもそれが出てしまうそうです。逆に云えば、土の色を変えることで地方色が出るとも云えそうですね。」とボク。
「何よりのアドバイス有難うございます、そうですよね。玖珠の土地は、雲仙火山帯と、阿蘇火山帯に挟まれた所で、前者の雲仙火山帯に属します。モジュール製作の記事の中で見る土の色は、赤っぽいのですが、こちらの土の色は火山帯の中ですから、ちょっと黒っぽい色なんです、それと、森川様は、覚えているか分からないのですが(もりこー注:学生時代にD60を撮りに久大本線を訪れたことがある、と以前お話したことがあったんです)、玖珠の地形は日本でも珍しい「メサ郡」と言う、別名「テーブルマウンテン」隆起状の変わった山なんですよ。解りやすく言うと、グランドキャニオンの親戚ですね。憶えていますか?ちなみに、玖珠で良く外国の人を見かけるのですが、外国の地質学者の方が来られてるそうです。私の製作中のレイアウトも御山はテーブルマウンテンです。早速地面の色を変えます。」とNさん。

かように単に「土の色」と云っても、人それぞれにイメージが違うもので、基本中の基本とも云える部分だけに、充分に留意する必要があります。
 今回は中国地方のレイアウトですから、間違っても赤っぽくしたりせず、意識してグレーっぽく仕上げるように心がけました(勿論、耕されて肥沃な土は赤茶色ですが)。

 

これが塗装を済ませた地面というか全体像です。もちろん天候によっても同じ土でも色合いが違ってきますし(雨の日はもっと黒っぽくなります)、季節によっても違うでしょう。今回のレイアウトは初夏の晴れた日という設定なので(何せヒマワリを咲かせたいので)土の色も白っちゃけて見えるはずです。

 

更にニュアンスを付けるために、今度はタバコの灰を利用します。人によっては火鉢の灰を使う方もいらっしゃるようですが、ヘビースモーカーのボクは一番身近にあって、毎日次々と「生産」されるタバコの灰をいつも利用しています(^^♪。
 灰皿から吸殻を取り除き、灰だけになったものを小さじで少し掬って地面に落してゆき、これを指先で擦り込むようにします。この擦り込む量もニュアンスを変えて、砂利道には多目に撒くようにしたりします。
 つまり、ストラクチャーの木部の色にしろ、地面の色にしろ、とにかく画一的にならないように、微妙にニュアンスを変える事が重要なんです。
 ここまできた段階で建物をレイアウトに固定します。次に作業する草撒きとも関連してくるからです。

 

道が出来上がったところで、今度は道端や田圃の畦道などに草撒きをします。材料は「ウッドランドシーニック社」の「ターフ」です。これも単色ではなく、3種類ぐらいの色を適当にニュアンスを変えながら撒いていきます。
 木工ボンドを水で薄く溶いたものに中性洗剤を僅かに加え、それをスポイトで地面に垂らしながら、そこへターフを指先で撒いていきます。

 

さて、今回のレイアウトでボクがやってみたかった事のひとつに「ヒマワリの花を植えたい!」だったことは冒頭に書きました。ドイツのブッシュ社から「ヒマワリとバラ」のセットが発売されていて、それの出来栄えが素晴らしいことが頭にこびりついていて、これを何とか使ってみたかったんです。
 通販でこれを求めて届いてみたら、期待通りの出来栄え!早速ワイフに見せたら彼女はヒマワリのように大柄な花は好きでないので、バラにばっか目が行っていましたが・・・(^^ゞ。
 6本がベースに付いているのが2個。都合12本のヒマワリですから、まあ数には不足はありません。

 

根元からカッターで切り取り、地面にφ0.5mmの穴をドリルで開けて、瞬間接着剤で固定しました。ヒマワリですから花の向きは一定です(^O^)。
 バラも勿体ないので、駅名標の根元に植えました。まあ、少しは色気があってもイイでしょう(^^♪。
 ただここで問題が発生。写真でもお判りのように、何故か駅名標の文字が滲んできてしまった!この駅名標は白のラッカーを吹きつけた上に、水性のφ0.25mmロットリングペンで文字を書いて、それが乾いてから艶消しのクリヤーラッカーを吹きつけておいたので、指で触っても文字が剥がれなかったのですが、何故か草撒きをしたときのボンド水溶液が下から這い上がってきて、何故か滲ませてしまったようです(@_@;)。
 仕方ない、もう一度やり直しですね・・・。

 

草を撒いたら今度は同じく「ウッドランドシーニック社」の「フォーリッジ」で少し茂みを作ってやります。ほどほどにしないと藪になってしまいますから注意しながら、適当にテキトーに(これが案外難しいのですが)撒いていきます。固着はやはりボンドの水溶液です。

 

草を乾かしている間に小物の塗装をします。人形は27名、エコーモデルのものを中心に、大昔に珊瑚模型店で売っていたものや、プライザーの肌を黄色人種にしたものなど、実に多種多彩です。
 27人と聞くと「え〜っ、そんなに?」と思われるかも知れませんが、これだけの広さでいくつかのシーンを演出するとなると、これぐらいは必要になってきます。
 人形の塗装で重要なことは、やり過ぎとも思われるくらいの艶消しにすることです。露出した皮膚も髪も、服も全部です。
「いや、若い女性の顔は艶があるじゃないの」なんて仰る方もいらっしゃるかも知れませんが、試しに艶を出した塗装にしてみると嘘っぽく見えてしまう筈です。
 ただ、レインコートや雨に濡れた傘などは例外ですが、これは極く稀な例と考えた方が良いでしょう。
 あとは電話ボックスや郵便ポスト、商店裏の洗濯機などなど。豊富に発売されているものの中から選んでいきましたが、これらの塗装も艶消しが基本です。逆に商店主が毎朝磨きを掛けてる、と思わせるために、よろづやの前に設置した公衆電話などは艶を出しても良いでしょうが、上の写真のように戸外に置かれた洗濯機などは、放置とは言わないまでも多少は汚れもあるでしょうから、半艶消し程度に押さえておきました(^^♪。

緑や人形が加わり、だいぶ「らしく」なってきましたネ(^^♪。明日は田圃に水を張ります。