「プラスターを撒いて駅舎を自作して」の巻

 

1月18〜20日
さて、今日からいよいよプラスターの段階に入っていきます。前回も書きましたが、このプラスター作業が上手くいくかいかないかでレイアウトの感じは全く違ったものになってしまいます。
 それだけに昔から様々な方法が雑誌で発表され、製品もNゲージの隆盛に併せてレイアウト用品が簡単に手に入るようになり、各社各様にプラスターも発売されていますが、実際に使ってみた感じではどうもボクには合わないようで、結局は一部を除いて昔ながらの「焼石膏」を愛用しています。
 ですから、これからボクが書く方法が一番良いなどとは言いませんので、皆さんも自分の感覚に合うプラスターを探してみて下さい。

用意したものは「焼石膏」と水を張ったバット(暗室から拝借してきました(^^ゞ)、茶こし、そして「ウッドランドシーニック」のプラスタークロスです。このプラスタークロスは結構愛用しているもので、ちょうど目の粗い布に石膏がまぶしてあるようなものです。ハサミで適当にカットして使います。
 まずはその布で田圃の土手になる部分を作ってみました。バットに入れた水に浸して、ちょうど衣を付けた天ぷらを油に入れるように折りながらパネルに置いていきます。まだ半乾きのうちに焼石膏を茶こしで上から撒いていきます。これは石膏の面を平滑ではなく粗な状態にしてヌメっとした感じにさせないための方法です。

 

今度は焼石膏を水で溶き、それをホームの土の部分に流し込んでいきます。他の土の部分総てにも同様にして流していき、やはり茶こしを使って表面を「粗」にしてやります。線路と田圃の予定地以外はまるで雪景色ですね(^^ゞ。
 硬化はものの15分もあればOKですが、着色できるようになるまでは一晩寝かせた方が良いので、この時間を利用して駅舎を作り始めます。

 

正直なハナシ、北川の駅舎がどのような形をしているか全く判らないんです。皆さんが撮ってこられた写真は車輛中心のものばかりで、このようなストラクチャーの写っているものが無い(^^ゞ。
 僅かにアウトフォーカスになって小さく片鱗が写っているものとか、前に掲げた井上さんの「くじば駅」の写真とかから類推して「まあ、大体こんなもんだろう」という推測はつきますが・・・。だから、後になってバッチシ写った写真が出てきたら真っ青です(^O^)。
 昨日、新村駅で撮ってきた写真をプリントアウトしてデザインを始めました。駅舎の床の大きさは110x68mm、屋根のてっぺんまでの高さは52mmです。
 窓はエコーモデルのそれを使います。これは1/80ですが、今までの経験上1/87の車輛との違和感は全く感じられませんでした。「約1割も違うじゃん!」というのは実際に作らない机上論モデラーの方々。わざわざ1/87で自作するほどの必要性はありません。
 一応2倍の図面を大まかに書いてから、手元にあったエコーモデルの下見板用台紙に書きこんでいきます。四隅の柱は1.5mm角、その他の角材は1mm角です。屋根の傾斜角は「くじば駅」の写真に分度器を充てて測りました。

 

丁寧に切り抜いてから1mm角材を貼り付け、腰板の部分には2mm幅に切り抜いたSTウッドを木工ボンドで貼り付けていきます。
 幕板の部分は「トラック車庫」で余った壁材を上手く使って(何せ余材なので紙芸のように上手く使わないと足りなくなってしまいます(@_@;)変化を出しました。

 

出入り口の部分は「駅らしさ」を演出するためにも是非作りたいところ。柱は1.5mm角を主体にして、土台部分は3mm角を組み合わせて(しかもその接合部分はヤスリを掛けて丸く表現しておき)0.5mmの真鍮線を通して強度を持たせました。
 ボール紙で作った3辺と角を突き合わせてその部分に柱を接着。今では木工用瞬間接着剤があるので助かります。

 

ただ、こういった部分の屋根の寸法出しは難しい(^^ゞ。結局現物合わせでするしかなく、先に母屋の屋根を作っておき、それに合うようにボール紙で何度か試作して寸法を求めてから瓦板から切り出しました。
 話は前後しますが、待合室と事務所との境には仕切り板を設け、それには出札窓や荷物預け口なども作っておきました。レイアウトにセットしたらどうせ見えなくなっちゃいますが、窓から覗いたときに仕切り板もなく、向こうまで素通しというのは頂けませんからネ(@_@;)。

 

 

待合室には1mm厚のバルサで長い椅子も作って一応形になった駅舎です。ここまでくると、つい眺めちゃいたくなりますネ(^^♪。でも一気に工作を進めておきます。
 最近ではエコーモデルから「雨樋セット」が発売されているので、ストラクチャー作りもだいぶ楽になりました。横樋は角の甘い1mmアングルのような形をしているのですが、こういったものを所定の長さに切るときのアドバイスをひとつ。
 流石にカッターでは切れないし、ニッパーなんかもっての他!つまり糸ノコで切るようになりますが、その時に写真のように角材を充てて切るととてもやり易いです。角材なんかには切れ目が出来ても良いのですからネ(^O^)。しかも糸ノコを引くのではなく押して(つまりノコの引っ掛かりが少ない方向で)切るようにすると歪みもなく切れますので一度お試しあれ。
 全体に例のフラットブラックでお化粧しました。幕板部分の壁材の白い部分も気にせず(多少は控えましたが)ひたすら薄く溶いたブラックで厚化粧します(^^♪。

 

この雨樋は色気を出すために緑色に塗ってやり、駅名標の上には電灯も付けてやりました。
 今回どうしてもやってみたかったのが待合室の窓を開けること。窓枠は2倍必要になりますが(窓の左右が閉じた状態で透明板に印刷されているので)「活きた情景」を再現するにはやってみる価値は絶大です。しかも当地は瀬戸内のシチュエーション。これが東北や北海道の情景だったらイメージ的にはどうかと思いますが、温暖な地方を感じさせるためにも、また、季節感を演出するにも(初夏というシーズン設定ですから)避けて通れない道でしょう。
 ちょっと面倒でしたが出来あがってみると、窓が閉じられた状態より何倍も感じが良くなり、思わず「やったぜ!」と呟いてしまったほど(^^♪。

駅舎の工作だけでも2日間も掛ってしまいましたが、こうやってレイアウトに仮に置いてみると嬉しいものですネ(^O^)。
 もうプラスターも乾いたでしょうから、明日は地面の塗装作業に移ります。