もりこーの木曽路日記

平成12年5月14日
穂高町から木曽に入るには、二通りのルートが考えられます。まず、ひとつ目は塩尻まで南下して、国道19号線を進むルート。もうひとつは、上高地の方に向かって行き、奈川村から南下して藪原で19号線に入るルート。
 今回は、後者のルートを採ってみました。穂高を出発する時には快晴だった空も、奈川村に入って境峠に差し掛かると、物凄い雨。クルマのワイパーを高速側にしないと前が見難い状態となりました。それが、峠を越えて木曽路に入ったら、これまた快晴。山の天気とは不思議なものです。穂高から藪原まで、所要時間は1時間半でした。

今回のメニュー
@木祖村郷土館:酒井製モーターカーNo.20、運材台車
A三岳村立小中学校:酒井製凸形DLNo.98、C形客車、運材台車
B田島停車場跡:楕円タンク車、小型貨車
C松原スポーツ公園:協三製クレーン車、B形大型客車、砂利運搬車、タンク車、板バネ式運材台車
D王滝村水交園:関西電力ロータリー車、酒井製DLNo.119、B形客車、運材台車、王滝村酒井製DL、やまばと号客車


その1
 @まずは、最初の訪問地・藪原の木祖村郷土館前庭に保存されている、酒井製モーターカー。王滝営林署No.20のレタリングが薄っすらと読めます。その後ろに連なるは、鋼製運材台車(ブレーキシューが内締め)。モーターカーの塗装はオリジナルとは異なり(館員に聞きました)、奇妙な色合いになっていましたが保存状態はとても良く、好感が持てました。

A次なるは、三岳村立小中学校に保存されている、酒井製凸形DLNo.98、C形客車、運材台車です。19号線を木曽福島まで南下し、元橋という交差点を右折。県道20号線で一路王滝村を目指します。
 ここの車輛も割と状態が良く(但し、例によって奇妙な色に塗られていますが)、模型心をそそってくれます。

B左に御岳湖を望みながら更に進むと王滝村役場があり、そこを左折すると田島停車場跡に行けます。ここに到着してノートと巻尺を片手に取材していたら、にわかに物凄い雨が。暫く車内に退避していたら、ものの15分位ですっかり雨も止み、青空が。
構内の雰囲気は当時のままで、楕円タンク車や小型貨車が物置などに使われていました。それにしても、タンク車なんて、何に使うんだろう?
次回に続く。


その2
C田島停車場を出発すると、じきに松原スポーツ公園に着きます。ここには、協三製クレーン車・大型B形客車・砂利運搬車・タンク車・板バネ式軸受運材台車などが保存されています。"などが"と書いたのには意味があって、密閉された小屋の中にはDLが2輌とモーターカーが格納されている(羽目板の隙間から確認)からです。大型B形客車の荒れ様はすさまじいもので、"そうか、木造客車というのはこんな風に出来ているんだ"というように、構造がすっかり見えてしまいます。
特筆すべきは板バネ式軸受運材台車で、実にユニークなスタイル。是非とも模型化してみたいアイテムです(既に多数の方々からリクエストが届いていますが)。


Dさらに西に進んで滝越へと向かいます。途中、撮影地として有名な大鹿淵アーチ橋を眺めたり、物凄い断崖絶壁の光景をかすめたりしながら。滝越への最後のカーブを曲がると、見覚えのある光景が目前に広がります。水交園という村営の施設に保存車はあります。ここは、テニスコートやキャンプ場などがあり、夏場は賑わうそうですが、僕が行った時はまだそんな雰囲気ではありませんでした。
関西電力のロータリー車・酒井製DLNo.119・B形客車・王滝村有酒井製DL・やまばと号客車・運材台車が保存されています。屋根付きだけあって保存状態も良く、気持ち良く取材が出来ました。取材のお礼にと思い、岩魚の串焼をオーダーしたら炭火でじっくりと焼いてくれ、その美味しかったこと。ガブリとむしゃぶりつく感じは、まるで熊にでもなったような気がしました。是非また食べて見たいものです(1尾\400)。
さて、5月中旬とはいえ、5時近くにもなると谷間に太陽は無く、薄闇が迫ってきました。今日の取材はこれでオシマイ。次回はもう少し南下してみる事にします。