Chapter.1「まずはイメージ作りから」の巻


木曽、沼尻、井笠とモジュールレイアウトを作ってきましたが、はてさて、簡易軌道のモジュールレイアウトを作るにあたって、どんな光景を模型化しようかな?と思ったとき、まず最初に浮かんだのが「標茶線開運町」の構内でした。

このレイアウトの製作目的は、製品の完成見本を撮影すること、そして、それらの車両を展示保管しておく場所ですから、線路が一本ひょろひょろと伸びているのでは後者の目的に合いませんし、そのようなレイアウトでは前者の撮影角度も限定されてしまいます。
 となると、勢い大きな停留所、しかも車庫のあるような光景ということになります。

つまり、皆さんがレイアウトを作って楽しまれるのとは目的が違うのですから、これは仕方がないことですネ(^^ゞ。

でも、どうせ作るからには「いかにも北海道だな〜、道東だよな〜」という雰囲気を再現したいので、今回様々なアイデアを盛り込んでみました。



 

実際に現役当時に測った訳ではないので何とも言えませんが、線路の間隔はどう見ても内地のそれよりも広く感じられます。
 井笠の北川駅を作るときには間隔を45mmにしたのですが、今回は55mmにして広さを再現してみました。
 タイトルカットの写真は1970年ごろの標茶町営軌道標茶線開運町の風景なのですが(所蔵:標茶町)、構内には意外と雑草が生えていない事が判ります。
 しかし左上の写真は同じ開運町で1971年7月に撮影されたもので(撮影:平田邦彦)、これは草ぼうぼうといった感じ。察するに前者は向こうの木の感じからして晩秋ではなかろうかと思います。
 右上の写真は、有名な別海町営軌道風蓮線奥行臼のミルクタンク積替施設なのですが(所蔵:別海町)、これも1970年ごろに撮影されたもの。晩年とはいえ、結構草が生い茂っていますネ(^O^)。
 実はボクがイメージしているのは、この草ぼうぼうの夏の風景なんです。
 つまり、手入れのあまり良くない状態ながら、チャンと使われている、といった雰囲気を再現してみたかったんです(^v^)。


こちらは幌延町営軌道問寒別線の始点である、問寒別停留場構内にあった雪印乳業の集乳所の前で撮られたものですが(当社刊「簡易軌道写真帖」より、撮影:早川征雄)、流石に大企業の構内だけあって綺麗なものです。集乳施設が草ぼうぼうでは企業イメージ的にもマズイですものネ(^_-)。

今回はこんな施設も組み込みながら製作を楽しんでみようと思っています。
 とはいえ、書きだめた設計図が底を衝くまでの猶予しかありませんので、そうそうのんびりもしていられません(^-^;;。
 おもむろに台枠を作り始めたのは、10月の下旬のことでした。