Chapter.5 実際に模型を作っちゃうの巻・GL編

安曇追分ヤードの片隅に滑り込んだ人車からピョンと飛び降りた楓チャンを尻目に、竹さんは原木を積んだ台車を引き取りに。そして営林署に立ち寄って、まずは松村さんとお茶を一杯。話題は桧の相場や南洋材のこと、はたまた従弟に孫が生まれたことなど、毎日会っているのによくもまあこんなに話があるものですね。
 「たら、またな」竹さんがイグニッションキーを捻ると、ブルルンと息を吹き返したエンジンは日頃の整備の甲斐あって快調そのもの。今来た道を安曇木材まで帰っていくのでした。



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ヴェールに包まれていたGLをご紹介しましょう(というか、ようやく出来上がったのですが・・・)。仕上がりは当初のイメージ通りで、キャブ側窓上にヒサシ、後部ドアーは半開き、ボンネットにテスリとバックミラーを装備させました。最後まで悩んだのが塗色ですが、屋根とヘッドライトケーシングのみが黒、その他は総てマルーンというイデタチに決定。これは四半世紀ぶりに今年開催される珊瑚祭(当時は軽便祭と言っていましたが)へのオマージュの意味を込めて仕上げてみました。あの軽便祭には、今はレイルマガジンの編集長として大活躍の名取紀之氏が、CRANK UNION名義で出品していた「生駒銅山軌道」がありました。その機関車が同じマルーンに塗られていたのを思い出したのです。あれからもう27年も経ってしまったんですね。