ポッポ汽車展示館


尾小屋駅から山の中に入って行ったところに旧尾小屋鉱山がありました。現在ではここに石川県尾小屋鉱山資料館があり、往時を偲ぶ様々な資料が保存展示されています。
 その前庭にあたる場所ポッポ汽車展示館には旧尾小屋駅跡地に保管されていたキハ3のハフ1が動態保存、No.5が静態保存されていて、定期的に運転もされているので、周辺の家族連れのみならず遠方からのファンで賑わっていました。




 

とにかく綺麗に整備された姿に目を奪われます(当時よりもよっぽど綺麗)。ここに移管されてからも当時のままの内装色だったようですが、今はシートも張り替えられて(屋根のキャンバスも)緑を基調とした色になっています。
 皆さんはよく御存知でしょうから今更ですが、このキハ3は遠州鉄道奥山線で使われていたものが尾小屋鉄道に譲渡され、奥山線時代のキハ1803という標記の180の部分を車体色で塗りつぶして使用してういました。


 

ハフ1の方もとにかく綺麗です。開業当初からの生え抜き客車ということもあってか、とても大事にされているようです。

 

ボクが訪れた時には1時からキハ3が動くというので楽しみに待っていたら、保存会の方が良く整備されたエンジンに点火され懐かしい音が聞こえてきました。
 運転の模様はYouTubeに出しておきましたが、僅か数10メートルの往復ながらも生きている姿というのは素晴らしく、将来に望みをつなげることが出来ると確信を致しました。


 

折角ここまで来たのだからと、資料館の方も覗いてみました。
 立体模型で左手前の集落が長原、右手前のタグが尾小屋駅跡、そこから上に向かって鉱山住宅が連なっていたようですが、ボクが訪れたときに長原などは何故ここに駅があるの?というほど、周りに民家のない駅でしたが、往時はこのように賑わっていたのですね。


 

北海道の炭鉱跡の資料館もそうですが、ここにもかつては人々の暮らしがあり、喜怒哀楽の人生があったのだろうなあ、と思うと、感慨深くなります。
 尾小屋鉄道関連の資料は少ないですが、車掌カバンや服、切符などが展示されていました。


 

 

鉱道跡は「尾小屋マインロード」と名付けられて見学ができるようになっていました。
 鉱石の採掘や運搬、ダイナマイトの仕込み方や鉱石の種類など、とても興味深く見て廻る事が出来ました。


こうしてボクの追想の旅は終わりましたが、あれから40年という長い時を経ても、ボランティアの愛好家に車両が生きた状態で保存されているという事に驚くとともに、エールを贈りたい気持ちで一杯になりました。
 皆さんも是非、尾小屋鉄道の跡を訪問してみて下さい。きっと机上では味わえない「風」を感じる事が出来ると思います。