10月2日 会津下館モジュール製作日誌


会津下館駅は沼尻鉄道の起点川桁駅を出発して、最初の交換施設がある駅です。線路配置は、すれ違いが出来る2本の線路+側線という、ごくオーソドックスなもの。
 何故ボクがこの駅を選んだのか?というと、駅構内にある「長瀬産業組合」という、云ってみれば農協のようなものの建物が味っぽかったのと、待合室と詰所とが一体になった駅舎の風情が気に入ったからです。

 幸いこの産業組合は、農協の支所として現存しますから、採寸も可能。よし、これを作ろうと思ったのが6月。早速モジュールパネルを手配したまでは良かったのですが、目先の忙しさにかまけて、届いたモジュールは事務所の片隅でホコリを被ったまま。このままでは間に合わないとばかりに、重い腰を上げたのがMW祭りの2週間前。絶体絶命の状況のなか、空前絶後のレポート初日です。

 「沼尻のガソ」の組立説明書の原稿を書き上げて、レイアウトも完了。あとは情景の上での印象的なカットを何枚か撮ればOKの状態になったので、2日の夕食後、モジュールパネルの加工を始めました。今回使用したのは規格で「キングフィッシャー製」の620mmと310mm。流石に610mmだけでは交換駅は入りませんので、310mmを足してみました。このパネルの奥行は210mmですから、かなりスリムな感じです。その210mmの中心線上に本線を配置する、というのも規格ですので、これを基準にレイアウトしてみると、何とか側線までは入りますが、くだんの産業組合はとても無理。遊びに来ていた塩尻の植山さんのアイデアで、その組合の部分だけ別のモジュールを使って、置くだけにすればイイのでは?というコロンブスの卵で一件落着。また、この部分だけ他のものにすりかえれば、他の駅にも化けちゃう、というオマケのヒント付き。
 実際には構内を出たところに小橋などは無いのですが、変化を出したかったので、農業用水を跨ぐ鉄橋も設けることにしました。上の写真は用水の溝も切り込んで、ふたつのパネルを貼り合わせたのを翌朝撮影したものです。

 

木工ボンドの乾燥を待っている間に作ったのがスイッチパネル。木曽モジュールの「黒渕ジャンクション」は多くのポイントを使いましたが、すべて手動式でした。まあ、クリックの付いたPECO製だから良いとは思っていたのですが、今回はマシンを組み込んでみました。あと、DCC運転が前提なので、各線にギャップを設けて、その線への給電スイッチも用意しました。
 荒目のペーパーでヘアーラインの傷を付けたt1mmのアルミ板にマスキングをしていき、タミヤのエナメル塗料で線路部分を着色。乾いたら、インレタの保護の意味も含めて、クリアーラッカーでオーバーコートしておきました。
 何だかこういったスイッチパネルって、そそられるモノがありませんか?小林少年のリモコンボックス、OSの6チャンネルのラジコン送信機(あのブルーメタリックの箱と、卵型の増幅器が付いたアンテナに痺れて、オヤジにねだったものです)。それらと一脈通じるところがあって、ワクワクしながらの深夜工作でした。