今後の展開についてのお知らせ

"WAGEN" is going to IKASA !


モデルワーゲンは木曽を中心とした森林鉄道、味噌汁軽便の東の横綱・沼尻鉄道、と製品展開をしてまいりましたが、今回新たな土俵として「井笠鉄道」を選びました。
 皆さんならばよく御存知のように井笠鉄道は西の横綱とも呼べるような存在。様々な魅力的な車両が活躍しておりましたが、それらを今のモデルワーゲンの製品レベルで再現させよう、という構想です。
 一部の製品は既に製造に掛かっておりますので、来年早々からお目に掛けることが出来ると思います。また木曽シリーズや沼尻シリーズでもそうであったように、「アルプスモデル」さんとのタイアップにより精密で転写しやすいインレタ標記も同時進行中ですので、これを使用することでより精密感が増すものと思います。



ホジ7〜9
 

いかにも軽便らしい、いかにも梅鉢製作所らしいスタイルのボギー気動車ですネ。
 この車両、原型ではアーチバー台車でしたが、更新されて日車製の鋳鋼台車に履き替えられました。しかも動力側の台車は偏心になっていてテコの応用で荷重が余計に掛かるようになっています。

ホジ12

ホジ7〜9が武骨なスタイルだったのに対して、この日車製のホジ12はリベットも少なめの"若干"モダンなスタイル。こちらも動力台車が偏心になっています。
 しかし、この車両の最大のチャームポイントは前後で表情が異なるところ。側面のドアーの位置は点対象の位置ですが、車端のバケットは片方にしかありません。また、運転席窓の大きなヒサシもこの車両を特徴づけています。
ホジ7〜9もそうですが、窓の保護棒は時代によって付いていたり撤去されたり変化していますが、製品では付いた状態を再現しています。

ジ5

もうひとつ日車製気動車がラインナップに入っています。
 云わずと知れた"単端"。輝くラジエターグリルも誇らしげに正面に突き出し、その中にはフォード製エンジンを秘めています。
 製品では裾を絞ったスタイリッシュな姿を再現するために、プレス技術を駆使してお届け致します。
 また、特徴あるボンネットや軸受まわりは細密なロストワックスを使用。まさに「適材適所の工法で」という当社の一貫したポリシーで製造されます。

ホハ2・3・4・6
 

井笠のボギー客車には車端が弧を描いたものと平板なものとがありますが、敢えて製造が面倒な前者をまずは製品化致します。何故かって?優雅でしかもカッコイイからです(^^♪。
 台車は「沼尻のボハフ・シボフ」のようなロスト製。しかも担いバネが左右で段違いになった姿まで拘って再現致します。もちろん車輪は透けて見えるスポーク!

ホワ1
 

井笠の有蓋貨車はみなボギー、というのも特徴的ですネ。立体的なこの外観を再現するのに「沼尻のワフ」でやったような板を2枚重ねにする手法を採用しました。  ホハのところで台車の担いバネについて書きましたが、一見同じに見えるこの台車。確かにホイールベースも大きさも(車輪径まで)同じですが、こちらの担いバネは普通の段ナシのスタイル。そんな所にまで拘って再現しています。

ホワフ1
 

こちらは有蓋緩急車です。ホワ1と同様な造りですが、赤いテールサインが魅力的です。木造車にはやはりターンバックルとキングポストが欠かせませんが、それらもチャンと細密なロストで作っています。



とりあえずラインナップに上がっている車両を御紹介しましたが、どれも個性派揃い。
今まで「井笠はいまいちピンと来ないなあ〜」とお考えの貴方。それはひょっとしたら貴方の琴線に触れるような模型製品に出会えなかっただけなのかも・・・。
モデルワーゲンの製品で、井笠の魅力を再発見するかも知れませんよ!
                             (all photo was taken by Koichi INOUYE)



木曽モノも忘れてはいません。

木曽の酒井製124号機

ここに御紹介するのは酒井製10tDL 124号機です。
 酒井製10tDLと聞くと、あの「キャブフォワード」を思い浮かべる方も多いでしょうが、この124号機は彼等に勝るとも劣らぬ個性の持ち主です。
 まず目を引くのが異様なボディーシェルのスタイリング。前面上部が傾斜したその姿はあの「木曽の加藤製47号機」彷彿させるものですが、10tになって大きな面構えだけに、その異様さが際立って見えてきます(因みに時期によってナンバーの位置が変化しています)。


 

 また、ボンネットに目を転じれば、台形をしたそれは見慣れたものですが、ラジエターグリルと一体化した姿、横向きに点在する通風フィンなど、話題に事欠きません。
 そもそもこの124号機は、旭川営林局羽幌署で3年間活躍したのち、昭和34年に木曽に流れてきたもの。それだけに北海道仕様とも呼びたくなるような耐寒仕様ゆえのスタリングなのでしょうか。
 前動輪の担いバネは左右をイコライザーで結ばれていますが、「キャブフォワード」のように第1〜第2動輪間は結ばれていません。そして仔細に見ていきますと、両者は一見同じように見える軸箱まわりも、担いバネの形状などが異なっていますので、敢えて流用部品で済ますことなく、新たに原型から製作して模型化をしました。
 唯1両のために新たに多数の金型を起こすために、若干コストは掛かってしまいますが、それだけに持つ喜びも倍増して頂けるのではないか、と決断して、現在製造段階に入っております。
                           (all photo was taken by Hidemi NAKAMURA)



AND・・・

これらの他にも昨年「助六の2線機関庫」をリリースして御好評を頂いた「ストラクチャーシリーズ」から「軽便修繕庫」が進行中です。
 木造建造物の構成は前回のように実物さながらに凝ったものとなり、今回は更に雰囲気作りに欠かせないガントリークレーンや廃車体などのロスト部品も添えられる予定です。



「ナローゲージをトータルでサポートするメーカー」
モデルワーゲンの今後に御期待下さい!